酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

G8とライブ8~アフリカ救済の道筋は

2005-07-07 05:21:00 | 社会、政治

 G8開催に合わせ、アフリカの現状がマスコミで紹介されている。債務を100%帳消しにし、支援額を年間500億㌦に倍増しても、アフリカの状況が早急に好転する可能性は低いという。内戦やエイズで10~30代が空洞化しているからだ。テレビ画面の悲惨な映像は、傍観するだけの自分の無力さ、罪深さを抉り出してくれる。まず必要なのは、目をそむけず、考えること……。空理空論は承知の上で、国連主導を前提に、俺なりの<構造改革案>を述べてみたい。

 その①<内戦の早期停止>…部族間や宗教間の憎しみは、強制力をもって克服させるしかない。世界的なネットワークを有し、先進国の支配層と結びつく「死の商人」の排除も必要だ。

 その②<土地改良への取り組み>…アフリカの多くの土地は農業に適さない。30~50年のスパンで土地改良、灌漑施設の整備に努めるしかない。

 その③<保護主義の導入>…一定の収益を上げていたアフリカ産のコーヒー、紅茶、乳製品は、グローバリズムの波に呑まれ、輸入品に駆逐されつつある。産業の基盤が脆弱なアフリカでは保護主義を採り、反グローバリズムの下で成長を促進させるしかない。

 その④<避妊具使用の徹底>…貧困の主因といえる人口増を緩和し、エイズ蔓延に歯止めを掛けるためにも、避妊具使用の徹底が必要だ。カトリックは避妊そのものに否定的だが、地域限定の「宗旨変え」を願うしかない。

 その⑤<教育費の無料化>…人的資源が国の将来を左右する。教育費を無料に、宿泊施設も兼ねる学校を造り、ストリートチルドレンを収容するのも一つの案ではないか。

 その⑥<石油利権の還元>…アフリカ大陸の至る所で、先進国や中国が油田の先物買いに血眼になっている。アフリカをサンクチュアリに指定し、資本家や支配層が利権を貪る構造を改め、民衆に還元する仕組みを作るべきだ。

 以上、ひねり出せる限りの「イマジン」風理想論を提示してみた。

 G8に先立ってライブ8が開催された。その感想を一言で述べると<ポール的>である。俺はロッカーの政治性をビートルズに遡り、<ジョン的>と<ポール的>の二つのカテゴリーに分類している。前者のイメージは抜本的、理想的、ラディカル、反体制的で、後者はパッチワーク的、現実的、微温的、体制補完的といったところか。メジャーと契約する有名ロッカーは<ポール的>にならざるをえない。ミッジ・ユーロ(ライブ8主催者)はG8反対デモが過激化しないよう釘を刺していたが、さもありなんと思った。

 肝心のショーだが、俺にとってのハイライトは、元ヴァーヴのリチャード・アシュクロフトがコールドプレイをバックに「ビター・スイート・シンフォニー」を歌った場面である。グリーンデイやミューズも良かったが、<ジョン的>と信じていたオーディオスレイヴの登場には失望した。終盤は目を覆わざるを得ない。ピンク・フロイドが出てくるわ、<ポール的>のご本人がトリを務めるわ、欧米版「紅白歌合戦」にゲップが出てしまった。

 口直しはスカパーで放映されたECW「ワンナイト・スタンド」である。ECWについては別項(2月6日)で詳述したが、「ライズ&フォール」のDVDが空前のセールスを記録して、一夜限りの復活を後押しした。ファンの熱さはまさにパンクで、カウンターカルチャー色の濃いPPVといえる。ECWを飛躍のきっかけにしたオースチンが登場し、影響を受けたサンドマンに敬意を表していたのも感動的だった。解説のミック・フォーリーはFMW、IWAに言及して日本のプロレスへの憧憬を滲ませていたし、田中将斗、田尻義博の奮闘も見事だった。

 WWEに所属しないレスラーたちは、夢から覚めると、安いギャラでビンゴホールを回るのだろう。祭りの後の哀歓に、胸がチクチクするのを覚えた。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「戦場にかける橋」の真実 | トップ | 「ベンゴ」の彼方に見えるもの »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございます。 (つばさ22)
2005-07-10 04:51:17
アフリカ問題からECW・WWEまで

なかなかあついですね。

オイラはWWFからWWEに変わるあたりに観ていて

アメプロは伏線の部分を知りはじめると

無性に面白かったのを覚えています。

アフリカ問題も背景を知ると

きっと面白い問題になると思いますね。
返信する

コメントを投稿

社会、政治」カテゴリの最新記事