28日は忙しい一日だった。昼は「アースパレード2015」(日比谷野音)に参加し、夜は「オルタナミーティングVol.7~ハダカノオウサマヲワラヘ」(阿佐ヶ谷ロフト)に足を運ぶ。アースパレードは気候変動対策を話し合う「COP21パリ会議」(30日~)に向けたアクションで、「オルタナ――」はPANTAと遠藤ミチロウのジョイントライブである。
「アースパレード」には世界で数千万人が参加したが、日本では浸透していない。協賛団体は100以上だし、1万人以上が集まった「土と平和の祭典」(11月1日、日比谷公園)をプレイベントと考えていたから、1000人弱の参加者(主催者発表)に愕然とした。ステージでアピールした世界各国からの活動家も「?」だったに相違ない。
かく言う俺も日頃、環境について考えているわけではない。気候変動は原発やエネルギー問題、TPPだけでなく、第三世界の農業を壊滅させたグローバリズム、地域を荒れ地に変える戦争ともリンクしている。世論を喚起するためには、他の課題に取り組む運動体との連携が必要かもしれない。
俺が会場外でビラまきしていた頃、「オルタナミーティングVol.2」(昨年10月)で大工哲広と共演していたジンタらムータの雑食性かつ無国籍風、祝祭的なサウンドが聞こえてきた。その後は佐藤タイジ(シアターブルック)、追っかけ?が盛り上がっていた制服向上委員会と続き、銀座一帯をパレードする。
阿佐ヶ谷ロフトはフルハウス(120人)の盛況だった。初めて接する遠藤ミチロウはMCなしでステージを進めていく。俺にとって今年のベストアルバム「FUKUSHIMA」から、ハイライトというべき「NAMIE(浪江)」、メルヘンチックな「冬のシャボン玉」などが演奏された。詩的、猥雑、アナーキー、自虐、叙情……。様々な形容詞が坩堝で煮え、叫びで濾過され純水になる。妹の命を奪った膠原病と闘っていることもあり、俺はミチロウに肩入れしている。来年は折を見てライブに足を運びたい。
休憩後、PANTAが登場する。テーマは「戦争」で中東の現状を踏まえながら、水晶の夜を背景にした静謐な「ナハトムジーク」、激情迸る「七月のムスターファ」と繋いでいく。「曲は完成したら作り手を離れ、皆さんの心で思い思いに生きていくもの。この曲もそう」と前置きし、「裸にされた街」を歌う。本人にお会いした時、「一番好きな曲」と伝えたこともあり、俺の心は温かく湿った。フランス製の武器を用いたイスラエル軍の無差別空爆で数千人の命を奪われたガザの人たちが、「私たちはパリと連帯します」というプラカードを掲げたという。PANTAが紹介したエピソードが胸に染みた。
ラストはミチロウいわく「合わせて130歳」の共演だった。出会いは1969年、山形大学園祭実行委員会のメンバーだったミチロウが頭脳警察を呼ぶ。「45年経ってこのような形で同じステージに立てるとは想像もしなかった」と異口同音に話していた。PANTAは年相応だけど、ミチロウは若く見え、まるで父子のようだった。PANTAは俯瞰の目でクール、ミチロウは赤裸々さと情念を前面にと、ライブの手触りも好対照だった。
PANTAとミチロウはともに母への思いを託した曲を歌い、両者の出演作は来年1月に公開される。PANTAはマーティン・スコセッシの「沈黙」(遠藤周作原作)で隠れ切支丹を演じ、ミチロウは自身が監督・主演のドキュメンタリーである。ライブはミチロウの「ジャスト・ライク・ア・ボーイ」、そしてミチロウが「頭脳警察で初めて聴いた曲です」と紹介した「さようなら世界夫人よ」で締め括られた。ミチロウの目がサングラス越し、潤んでいたように感じた。
柔らかく心を抉るライブだった。俺より5歳ほど上の男たちがまだ、気力を振り絞って前を見据えている。蒼い焔が背後に立ち昇るのを覚えた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_please.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ase.gif)
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「アースパレード」には世界で数千万人が参加したが、日本では浸透していない。協賛団体は100以上だし、1万人以上が集まった「土と平和の祭典」(11月1日、日比谷公園)をプレイベントと考えていたから、1000人弱の参加者(主催者発表)に愕然とした。ステージでアピールした世界各国からの活動家も「?」だったに相違ない。
かく言う俺も日頃、環境について考えているわけではない。気候変動は原発やエネルギー問題、TPPだけでなく、第三世界の農業を壊滅させたグローバリズム、地域を荒れ地に変える戦争ともリンクしている。世論を喚起するためには、他の課題に取り組む運動体との連携が必要かもしれない。
俺が会場外でビラまきしていた頃、「オルタナミーティングVol.2」(昨年10月)で大工哲広と共演していたジンタらムータの雑食性かつ無国籍風、祝祭的なサウンドが聞こえてきた。その後は佐藤タイジ(シアターブルック)、追っかけ?が盛り上がっていた制服向上委員会と続き、銀座一帯をパレードする。
阿佐ヶ谷ロフトはフルハウス(120人)の盛況だった。初めて接する遠藤ミチロウはMCなしでステージを進めていく。俺にとって今年のベストアルバム「FUKUSHIMA」から、ハイライトというべき「NAMIE(浪江)」、メルヘンチックな「冬のシャボン玉」などが演奏された。詩的、猥雑、アナーキー、自虐、叙情……。様々な形容詞が坩堝で煮え、叫びで濾過され純水になる。妹の命を奪った膠原病と闘っていることもあり、俺はミチロウに肩入れしている。来年は折を見てライブに足を運びたい。
休憩後、PANTAが登場する。テーマは「戦争」で中東の現状を踏まえながら、水晶の夜を背景にした静謐な「ナハトムジーク」、激情迸る「七月のムスターファ」と繋いでいく。「曲は完成したら作り手を離れ、皆さんの心で思い思いに生きていくもの。この曲もそう」と前置きし、「裸にされた街」を歌う。本人にお会いした時、「一番好きな曲」と伝えたこともあり、俺の心は温かく湿った。フランス製の武器を用いたイスラエル軍の無差別空爆で数千人の命を奪われたガザの人たちが、「私たちはパリと連帯します」というプラカードを掲げたという。PANTAが紹介したエピソードが胸に染みた。
ラストはミチロウいわく「合わせて130歳」の共演だった。出会いは1969年、山形大学園祭実行委員会のメンバーだったミチロウが頭脳警察を呼ぶ。「45年経ってこのような形で同じステージに立てるとは想像もしなかった」と異口同音に話していた。PANTAは年相応だけど、ミチロウは若く見え、まるで父子のようだった。PANTAは俯瞰の目でクール、ミチロウは赤裸々さと情念を前面にと、ライブの手触りも好対照だった。
PANTAとミチロウはともに母への思いを託した曲を歌い、両者の出演作は来年1月に公開される。PANTAはマーティン・スコセッシの「沈黙」(遠藤周作原作)で隠れ切支丹を演じ、ミチロウは自身が監督・主演のドキュメンタリーである。ライブはミチロウの「ジャスト・ライク・ア・ボーイ」、そしてミチロウが「頭脳警察で初めて聴いた曲です」と紹介した「さようなら世界夫人よ」で締め括られた。ミチロウの目がサングラス越し、潤んでいたように感じた。
柔らかく心を抉るライブだった。俺より5歳ほど上の男たちがまだ、気力を振り絞って前を見据えている。蒼い焔が背後に立ち昇るのを覚えた。
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