酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

天皇賞は初志貫徹

2004-10-30 07:07:11 | 競馬
 皇太子発言も驚きだったが、今度は天皇が衝撃を与えてくれた。園遊会でのこと。「国中の学校で日の丸を掲げ、君が代を斉唱させるのが私の仕事です」と都教育委員の米長永世棋聖が天皇に話しかけた場面、「強制でないことが望ましい」とクールに返されたのである。
 
 米長氏は詰め将棋でも解いた気分でいたのだろう。「これからも頑張ってください」なんて言葉を天皇から戴こうものなら、石原知事とタッグを組んで進める「日の丸・君が代強制」がお墨付きを得たことになる。ところが玉は、スルリと逃げた。氏は泡を食ったのではなかろうか。巷間伝わるところ、天皇は宮沢喜一氏、河野洋平氏といった護憲ハト派に考えが近いとされている。となれば、発言の真意も理解出来るのだ。

 前置きは長くなったが、天皇賞。予定通り天覧レースになっていたら、過度のプレッシャーが騎手たちに掛かったことは疑う余地はない。「斜行、失格などもっての外。フェアなレースに徹せよ」とお偉方から繰り返し注意されたはずだ。
 
 俺は週明け、その辺りを計算して予想した。肝が据わった(鈍感そうな)騎手が乗る先行馬を狙うことにしたのである。即ち横山典騎乗のローエングリンが◎、田中勝騎乗のバランスオブゲームが○。あとは度胸一番、江田照騎乗のトーセンダンディ、日本の皇室にはビビらないはずのペリエ騎乗のゼンノロブロイを絡めて買おうかなと。
 
 天覧レースではない。前提そのものが崩れている以上、予想は変えるべきだが、初志貫徹といく。米長氏のように明晰な人間でも、読み間違えることがある。俺みたいに脳が腐った人間なんぞ、「読み間違え=正着」の可能性の方が高いのだから。 

  

   
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ある国の話

2004-10-28 06:45:14 | 社会、政治
 以下のA、Bは、いつの時代のどの国だろうか?

A…すべての人が自由を満喫できる理想郷で、他の国に対しては、民主主義の見本のように振る舞っている。才覚があって努力をすれば、政治、経済、司法のどの分野であれ、トップの地位に就くことが可能だ。
B…巨万の富を築いた一族が、ある男を政界に送り込んだ。情報と謀略を司る長を務めて黒い人脈をつくった後、男は国NO・2の地位に就く。トップはお飾りで、男の掌で踊っているに過ぎなかった。男はやがて名目上でも支配者になり、身を引いた後は凡庸な長男を最高権力者に就けようと諮った。次男が仕切った不正選挙の結果、企ては成功する。その論功もあり、次男が国を治める時は遠からず来るといわれている。
 
 言うまでもなく、AもBも現在のアメリカだ。ブッシュファミリーはレーガン時代の副大統領を含めれば1980年以降、既に16年も権力者の座を占めている。2日にブッシュが勝てば20年になり、ワンクッション置いて、弟のフロリダ州知事が後を継ぐというカラクリだ。かなりいびつな国の形といえないか。一族支配というと、中近東の産油国や北朝鮮が思い浮かぶ。Bが真実なら、Aは確実にまやかしだ。アメリカ人よ、目を覚ませ!
 
 2日前だったか、クリントンとケリーがスプリングティーンの曲をバックに演壇に立ち、10万人の歓呼に応える場面が映し出されていた。思わず「いける」と手を叩いたが、ケリーは所詮、クリントンのエピゴーネンと思い知らされた。今回ケリーが勝てば、計12年間のクリントン政権となる。4年後にヒラリーが継ぐのもありえぬ話ではない。

 ブッシュ王朝とクリントン王朝。
 80年代後半から90年代半ば、49ersとカウボーイズがNFLを支配し、「ツインピークス」と呼ばれたが、政治の世界でも同じことが起きているのかと妙に納得してしまった。 

   
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

放送禁止歌

2004-10-26 07:55:29 | 音楽
 「月曜組曲」を楽しみにしていた。山本潤子が赤い鳥時代の「竹田の子守唄」を熱唱すると、番組表に記されていたからである。日本シリーズ第7戦の延長で休止になったが、来週放映されることを願う。 
 「竹田の子守唄」は日本のフォーク、いや歌謡曲史上に残る名曲だが、長い間、放送禁止歌に指定されていた。この曲が放送禁止に至った経緯を、短いスペースで説明するのは無理がある。関心のある方は、森達也著「放送禁止歌」を読んでもらいたい。差別をめぐる歴史的構造、表現の自由といった問題が提起されており、日本という国の来し方、現状を考えるヒントになると思う。
 抵抗と自由を旗印にした60年代フォークは、現在の音楽シーンを支える分厚いコアだが、岡林信康など模倣者を生み出した歌手は忘れ去られ、その名の多くは放送禁止リストに連なるばかりだ。何という歴史の皮肉……。
 この国では、お上に従わないと生きていけないということなのか。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いつのまにか俺は

2004-10-24 19:29:16 | 戯れ言
 苦い思いが込み上げてくる。
 デルタブルースを買い目に加えるつもりだったのに、10㌔増を知って消したから?
 いや、もう少し重い話だ。台風と地震が深甚な被害を引き起こし、貴い人命が多く失われた。こんな時、競馬に興じていいのだろうか。自身に対する根深い不信感である。
 暗い気分で百円ショップに。店内に女性歌手のカバーで「いつのまにか少女は」が流れていた。歌詞が思い出とともに、浸透圧が高くなった心に染み込んでいく。
 高校生の頃だった。好きな子が自分より大人びて見え、別世界に消えてしまうような気がした。そんな折に聞いたのがこの曲で、自らが抱えるもどかしさ、焦燥感とピッタリ重なった。情感を迸らせていた他の曲と異なり、陽水が観察者として距離を置いた感じも新鮮だった。
 「いつのまにか俺は」……。
 あれから三十余年、俺は何を失い、何を得たのだろうと自問する。
 あすはグリーンデイとマニック・ストリート・プリーチャーズの新譜を買う。陽水のCDも付け加えようか迷っていると、もう一人の自分が囁いた。「困っている人がいる。おまえに出来ることをせよ」と。
 コンビニも義援金を募り始めた。たまには良心に従うのもいいだろう。陽水は諦め、記憶の中に閉じ込めておくことにする。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

頑張れ、コスモバルク

2004-10-23 05:48:21 | 競馬
 これまで馬に愛着を感じたことはない。女性キャスターが「わたしのことを覚えてくれていたみたいです」なんて牧場で涙ぐんでいるのを見ると、“F○○K”と叫びたくなる。
 馬は情緒と無縁のアホウである。子供の頃、「豚の方が馬よりお利口さんなんやで」と親類の農家の叔父さんに聞かされた。「脳の容積」などを調べると全くその通りである。「トンマ」「バカ」を漢字にすると、「頓馬」「馬鹿」ではないか。古の知恵は得難いものだ。 
 こんな俺が、なぜ「頑張れ、コスモバルク」なのか。
 「競馬予想TV」の水上さんによると、バルクの父ザグレブは、英国で「ウサギ追い馬」の種付けをしているらしい。石もて日本を追われた馬の仔が、社台=サンデー王朝に挑むという図式。何とか3冠目でスッキリした答えを見たい。
 ◎コスモなら○は⑤ホオキバ。鞍上の横山典は大舞台に強い騎手。金曜前売りでは何とバルクより上の2番人気。大金をぶち込んだプロがいるのではと邪推してしまう。
 あとは、最近凶事に襲われた関係者の馬たち。アクシデントで凱旋門賞惨敗のタップ陣営が送り出す①オペラシチーが▲。カメハメハ引退で痛手が大きい松田国厩舎の⑯ブラックコンドルが△……。秋華賞に続き、恥の上塗りってことになるだろうな。
 俺が好きなのは菊花賞や春の天皇賞。もし人生がスプリント競走なら、負けはとっくに決まっている。自らをステイヤーと決め付けているからこそ、五十近くになっても希望を捨てずにいられるってもんだ。
 マルローいわく「希望は人がかかる最後の病」。蓋し名言である。
 
 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボストン、笑う

2004-10-21 14:04:25 | スポーツ
 レッドソックスが3連敗後の4連勝。歴史的瞬間を目撃出来て感慨深い。「くたばれ、ヤンキース」を成し遂げ、街は大騒ぎになるだろう。
 ボストンは人口60万人、郊外を合わせても300万人の生活圏。でも、プロスポーツの世界ではNYと引けを取っていない。NBAセルティックスはリーグ一の名門。NFLではペイトリオッツが王国を築きつつある。レッドソックスだけがサンドバッグ状態にあったわけだ。
 今回の勝利で「バンビーノの呪い」とともに、ボストン市民のNYに対する過剰な対抗心が解けるのか興味深いが、それは絶対にありえないな。
 バルセロナ対レアルマドリードであれ、ヤンキース対レッドソックスであれ、現地では憎しみの発露のような試合でも、日本人は余裕をもって楽しんでいる。その分、失っているものも多いのだろうけど。  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水谷豊

2004-10-20 03:10:03 | 映画、ドラマ
 ここ数年、「相棒」にはまっている。水曜日が待ち遠しいぐらいだ。
 俺が最も映画やテレビを見た頃、水谷豊は一連の作品で屈曲した若者を好演していた。だから、「相棒」を最初に見た時、違和感を覚えた。「傷だらけの天使」で刻印された「水谷豊=弟分、不良青年」というイメージに縛られていたからである。
 今では熱血刑事をフォローする兄貴分の警部補だ。「男たちの旅路」では、鶴田浩二演じる中年男に反抗しながら、次第に心を通わせる青年役だったが、あのドラマで鶴田が漂わせた成熟や哀愁を、水谷は自然体で表現していると思う。
 出来るな、この人と感心しつつ、わが身を顧みると胸がチクチク痛くなる。「見た目は大人、心は子供」。この現実から、自分が抜け出せそうにないからである。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歯医者にカエル

2004-10-18 14:26:31 | 戯れ言
 昼過ぎ、歯医者に。
 
肝心なのは呼吸法。口で息をすると水を呑み込んでしまう。ようやく腹式呼吸のリズムをつかむと、妄想、夢想の類が蠢き始める。コスモバルクは勝てるだろうか……なんていうのは高尚な方で、口に出すのも憚れる内容ばかりだ。
 蝕まれているのは歯ばかりではない。精神の方がはるかに不健全で、治療の要ありだ。 
 
汚れた心を洗うようにBGMが流れている。せせらぎに鳥の声、風のそよぎまで織り込まれた環境音楽で、ガーガー、グルグルと左右からカエルの声まで聞こえてくる。妙にリアルと思ったら、先生と助手の女性のお腹が鳴る音であった。
 
歯医者を出ると、俺の腹でもカエルが唸り始める。「固まるまで30分ほど食事は我慢してください」という先生の言葉を思い出し、本屋で時間を潰す。予定外の散財をして蕎麦屋の暖簾をくぐった。
 
平和な午後。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋華賞

2004-10-16 11:37:17 | 競馬
 ディック・フランシスの「配当」に、3レースに1回は当たる予想プログラムを作った男が出てきた。20年以上たった今でも、夢物語であるが……。
 
ギャンブルほど方法論、関わり方に個性が出るものはない。豪放磊落に見える人がガチガチの本命党で、影が薄い人が大胆な勝負師であることもザラだ。「競馬予想TV」の面々のように理詰めに競馬を追求するより、出目論で買った方が儲かることが多いから手に負えない。
 
ちなみに俺の方法論は、ニューサイエンス風にいえば「不確定性原理」。血統、調教、能力、騎手、展開、天候などのうち、いずれかを軸にすれば答えらしきものは出るが、重視しなかった要素は不明確なバリアーのまま残ってしまう。ある程度は理屈をこねても限界があり、中穴と大穴の中間ぐらいに賭けるということか。
 
さて、予想。人間の若い女は得意ではないが、このレースは時々当てる。バレエブラン、ヤマニンシュクル、ダンスインザムードの3頭を軸に買う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする