65歳まで4カ月半、老化を実感する日々だ。気力の衰えは甚だしく、いつも眠い。先週は総合病院で眼底検査を受けた。白内障、緑内障とも現状では措置の必要なしという診断だった。我が身同様、国の老化も進んでいる。いったん決めたら突き進む日本の〝病根〟は戦時中と変わらない。五輪を巡るこの間の経緯に暗澹たる気分を覚える。
前々稿で映画「三島由紀夫VS東大全共闘~50年目の真実」を紹介したが、想定外のバブルが起きた。昨年の今頃は〝ステイホームバブル〟のさなかで3カ月ほど高止まりしたが、この数日間、訪問者数が急上昇したのだ。ブログの内容はいつも通り平凡だが、三島の神通力に驚かされた。
緊急事態宣言下、BSやCSで映画を見る機会が増えた。先日は日本映画専門チャンネルで「現代任侠史」(1973年、石井輝男監督)を観賞する。同年、「仁義なき戦い」が封切られた東映は実録物に舵を切った。「現代任侠史」を最後の任侠映画と位置付ける声もあるが,橋本忍の脚本により、テンポ良く物語は進行する。
高倉健演じるのは松田組元幹部の島谷だ。訳あって堅気になり寿司屋の主人になっているが、今もかつての同業者に慕われている。戦死した父の形見の刀をアメリカで入手したという設定で、その件を取材したジャーナリストの克子(梶芽衣子)と結婚の約束をする。任侠映画に不可欠な悲恋の要素たっぷりで、今更ながら梶のシャープな表現力に圧倒された。
橋本の脚本には戦争について、人の生き死についての考察が込められている。義理と人情を守る者が利を追求する者に蹂躙され、怒りに震えた男がたった一人で斬り込んでいく……。予定調和の美学に浸ってしまった。安藤昇、小池朝雄らの目の演技をカメラが捉えていた。本作の起点はノミ屋の利権を巡る抗争で、作品中にもダービーのシーンが出てくる。総売り上げの2~3割がノミ屋を通して暴力団に流れていたとの台詞があったが半世紀後、壊滅状態という。
あした開催のダービーは良血馬が揃ったが、皐月賞圧勝の①エフフォーリアがダントツ人気だ。俺が応援する⑭タイトルホルダーの生産者は、先日亡くなった〝マイネル軍団の総帥〟岡田繁幸氏の弟・牧雄氏が代表を務める岡田スタッドだ。2160万円で取引されたタイトルホルダーはかなりお得だが、セリ当時、体が小さかったからだという。ちなみに姉メロディーレーンは340㌔台で中長距離を走り続けている。
タイトルホルダーはドゥラメンテ産駒で、父系にはノーザンテースト、トニービン、サンデーサイレンス、キングカメカメハのトップサイアーの血が流れている。母系も欧州の重厚な血脈だ。鞍上の田辺は37歳。実績は十分で初クラシックを手にしても不思議はない。皐月賞2着ながら人気薄で、馬連①⑭1点。3連単は両馬にグレートマジシャンら2、3頭絡めて買うことにする。
将棋の名人戦は渡辺明名人が斎藤慎太郎八段を4勝1敗で防衛を果たした。ひと区切りついた感はするが、棋界は熱い夏を迎える。6、7月は棋聖戦、王位戦が耳目を集めることになる。ともに藤井聡太2冠がタイトルを保持し、棋聖戦は渡辺が、王位戦は〝藤井キラー〟で知られる豊島将之竜王が挑戦する。
棋界を代表する2大実力者との熱闘を制したら、藤井時代が確立する。世間では大谷翔平が耳目を集めているが、藤井の天才ぶりを言い当てる言葉が見つからない。藤井の20連勝を阻止した深浦康市九段は、その後の解説で「藤井さんは地球の生まれとは思えない」と語っていた。〝将棋星人〟藤井の指し手に注目する夏になるだろう。
前々稿で映画「三島由紀夫VS東大全共闘~50年目の真実」を紹介したが、想定外のバブルが起きた。昨年の今頃は〝ステイホームバブル〟のさなかで3カ月ほど高止まりしたが、この数日間、訪問者数が急上昇したのだ。ブログの内容はいつも通り平凡だが、三島の神通力に驚かされた。
緊急事態宣言下、BSやCSで映画を見る機会が増えた。先日は日本映画専門チャンネルで「現代任侠史」(1973年、石井輝男監督)を観賞する。同年、「仁義なき戦い」が封切られた東映は実録物に舵を切った。「現代任侠史」を最後の任侠映画と位置付ける声もあるが,橋本忍の脚本により、テンポ良く物語は進行する。
高倉健演じるのは松田組元幹部の島谷だ。訳あって堅気になり寿司屋の主人になっているが、今もかつての同業者に慕われている。戦死した父の形見の刀をアメリカで入手したという設定で、その件を取材したジャーナリストの克子(梶芽衣子)と結婚の約束をする。任侠映画に不可欠な悲恋の要素たっぷりで、今更ながら梶のシャープな表現力に圧倒された。
橋本の脚本には戦争について、人の生き死についての考察が込められている。義理と人情を守る者が利を追求する者に蹂躙され、怒りに震えた男がたった一人で斬り込んでいく……。予定調和の美学に浸ってしまった。安藤昇、小池朝雄らの目の演技をカメラが捉えていた。本作の起点はノミ屋の利権を巡る抗争で、作品中にもダービーのシーンが出てくる。総売り上げの2~3割がノミ屋を通して暴力団に流れていたとの台詞があったが半世紀後、壊滅状態という。
あした開催のダービーは良血馬が揃ったが、皐月賞圧勝の①エフフォーリアがダントツ人気だ。俺が応援する⑭タイトルホルダーの生産者は、先日亡くなった〝マイネル軍団の総帥〟岡田繁幸氏の弟・牧雄氏が代表を務める岡田スタッドだ。2160万円で取引されたタイトルホルダーはかなりお得だが、セリ当時、体が小さかったからだという。ちなみに姉メロディーレーンは340㌔台で中長距離を走り続けている。
タイトルホルダーはドゥラメンテ産駒で、父系にはノーザンテースト、トニービン、サンデーサイレンス、キングカメカメハのトップサイアーの血が流れている。母系も欧州の重厚な血脈だ。鞍上の田辺は37歳。実績は十分で初クラシックを手にしても不思議はない。皐月賞2着ながら人気薄で、馬連①⑭1点。3連単は両馬にグレートマジシャンら2、3頭絡めて買うことにする。
将棋の名人戦は渡辺明名人が斎藤慎太郎八段を4勝1敗で防衛を果たした。ひと区切りついた感はするが、棋界は熱い夏を迎える。6、7月は棋聖戦、王位戦が耳目を集めることになる。ともに藤井聡太2冠がタイトルを保持し、棋聖戦は渡辺が、王位戦は〝藤井キラー〟で知られる豊島将之竜王が挑戦する。
棋界を代表する2大実力者との熱闘を制したら、藤井時代が確立する。世間では大谷翔平が耳目を集めているが、藤井の天才ぶりを言い当てる言葉が見つからない。藤井の20連勝を阻止した深浦康市九段は、その後の解説で「藤井さんは地球の生まれとは思えない」と語っていた。〝将棋星人〟藤井の指し手に注目する夏になるだろう。