前稿で熱く語ったアドミラブルは、能力の一端は見せたものの③着に敗れ、ダービー制覇はならなかった。超スローペースでは、さすがに大外枠は厳しかったといえる。レイデオロを勝利に導いたルメールの腹を括った好騎乗には、「あっぱれ」と言うしかない。幸いアドミラブル以外にも、夏を越して成長しそうなPOG指名馬は数頭いる。実りの秋が楽しみだ。
〝ロックの都〟マンチェスターで爆破事件が起き、22人が犠牲になった。アリアナ・グランデはティーンエージャーに人気の歌手&俳優で、家族に引率されて会場に足を運んだ子供たちも多かったという。追悼集会で自然発生的に起こったのが、オアシスの「ドント・ルックバック・イン・アンガー」の大合唱だった。作者でもあるノエル・ギャラガー、モリッシーらマンチェスターに縁のあるロッカーたちがコメントを発信している。
自爆犯は憎んでも憎み切れないが、俯瞰で眺めると別の構図が見えてくる。湾岸戦争でクラスター爆弾を用い、自国の兵士まで傷つけたアメリカは、ファルージャ空爆で化学兵器(≒核兵器)を投下する、人間の形をとどめない遺体が山積みになり、DNAを破壊された多くの赤ん坊は生後間もなく亡くなった。ガザ無差別空爆観賞会に集ったエルサレム市民は、着弾するたびハイタッチして乾杯した。その様子を報じたキャスターは翌日、CNNをクビになる。
憎悪の連鎖の背景は武器の蔓延だ。常任理事国が武器輸出大国なのだから、国連が唱える平和など信用出来ない。水面下でイスラエルとの武器共同開発を進めるなど、日本も死の商人の列に加わろうとしている。NGOの会見(23日)で、日本の金融4社がクラスター爆弾を製造する米中韓企業に投融資していることが明らかになった。憲法9条は既に蝕まれている。
ようやく本題……。新宿武蔵野館で先週末、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(16年、ケネス・ロナーガン監督・脚本)を見た。重厚なホームドラマで、アカデミー賞(脚本賞、主演男優賞)に輝くなど、世界の映画祭を席巻した。公開後間もないので、ストーリーの紹介は最低限に、感想を以下に記したい。
ボストンで便利屋を生業にしている主人公リー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)は兄ジョー(カイル・チャンドラー)の訃報を受け、故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに向かう。5000人ほどの海辺の小さな街で、景勝地として知られている。登場人物の心象風景が鈍色の空、蒼い海、舞うカモメに託され、寂寥感がスクリーンから零れてくる。予習抜きで見たので英マンチェスターが舞台と思い込んでいたが、10分ほどして勘違いに気付いた。
親子の葛藤、夫婦の亀裂を抱える普遍的な家族が描かれて」いる。物語が進むうち、「そういえば、わが一族にも……」と心の中で呟いた方も多いはずだ。それでも見る者を引き寄せるのは、上記した卓越した風景描写であり、カットバックで時系を紡ぐ脚本の妙だ。さらに、オスカーに値するケイシー・アフレックの演技が、主人公の心の陰影を表現している。
リーは問題児で、ジョーは人格者と賢兄愚弟の典型だが、二人は強い絆で結ばれていた。だからこそジョーは生前、息子パトリック(ルーカス・ヘッジス)の後見人にリーを指名していたのだ。哀しい記憶ゆえ故郷に帰れないジョー、当地で青春を謳歌しているパトリック……。叔父と甥は実によく似ている。突然キレて暴力的になること、そして女性が向こうから寄ってくることだ。
ラストシーンはピリオドではない。エンドマークの先も、家族の物語は続いていく。例えば3年後、リーとパトリックはどう繋がっているのだろう。本作では海と船が、兄と弟、叔父と甥の関係を象徴していた。観賞後、俺はなぜか「ドント・ルックバック・イン・アンガー」を口ずさんでいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_please.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock1.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/eto_uma.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/body_deject.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/etc_fire.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ang.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/s2_sum_beach.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ship.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heartbreake.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/win_mountain.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_4.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dolphin.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/up.gif)
〝ロックの都〟マンチェスターで爆破事件が起き、22人が犠牲になった。アリアナ・グランデはティーンエージャーに人気の歌手&俳優で、家族に引率されて会場に足を運んだ子供たちも多かったという。追悼集会で自然発生的に起こったのが、オアシスの「ドント・ルックバック・イン・アンガー」の大合唱だった。作者でもあるノエル・ギャラガー、モリッシーらマンチェスターに縁のあるロッカーたちがコメントを発信している。
自爆犯は憎んでも憎み切れないが、俯瞰で眺めると別の構図が見えてくる。湾岸戦争でクラスター爆弾を用い、自国の兵士まで傷つけたアメリカは、ファルージャ空爆で化学兵器(≒核兵器)を投下する、人間の形をとどめない遺体が山積みになり、DNAを破壊された多くの赤ん坊は生後間もなく亡くなった。ガザ無差別空爆観賞会に集ったエルサレム市民は、着弾するたびハイタッチして乾杯した。その様子を報じたキャスターは翌日、CNNをクビになる。
憎悪の連鎖の背景は武器の蔓延だ。常任理事国が武器輸出大国なのだから、国連が唱える平和など信用出来ない。水面下でイスラエルとの武器共同開発を進めるなど、日本も死の商人の列に加わろうとしている。NGOの会見(23日)で、日本の金融4社がクラスター爆弾を製造する米中韓企業に投融資していることが明らかになった。憲法9条は既に蝕まれている。
ようやく本題……。新宿武蔵野館で先週末、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(16年、ケネス・ロナーガン監督・脚本)を見た。重厚なホームドラマで、アカデミー賞(脚本賞、主演男優賞)に輝くなど、世界の映画祭を席巻した。公開後間もないので、ストーリーの紹介は最低限に、感想を以下に記したい。
ボストンで便利屋を生業にしている主人公リー・チャンドラー(ケイシー・アフレック)は兄ジョー(カイル・チャンドラー)の訃報を受け、故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに向かう。5000人ほどの海辺の小さな街で、景勝地として知られている。登場人物の心象風景が鈍色の空、蒼い海、舞うカモメに託され、寂寥感がスクリーンから零れてくる。予習抜きで見たので英マンチェスターが舞台と思い込んでいたが、10分ほどして勘違いに気付いた。
親子の葛藤、夫婦の亀裂を抱える普遍的な家族が描かれて」いる。物語が進むうち、「そういえば、わが一族にも……」と心の中で呟いた方も多いはずだ。それでも見る者を引き寄せるのは、上記した卓越した風景描写であり、カットバックで時系を紡ぐ脚本の妙だ。さらに、オスカーに値するケイシー・アフレックの演技が、主人公の心の陰影を表現している。
リーは問題児で、ジョーは人格者と賢兄愚弟の典型だが、二人は強い絆で結ばれていた。だからこそジョーは生前、息子パトリック(ルーカス・ヘッジス)の後見人にリーを指名していたのだ。哀しい記憶ゆえ故郷に帰れないジョー、当地で青春を謳歌しているパトリック……。叔父と甥は実によく似ている。突然キレて暴力的になること、そして女性が向こうから寄ってくることだ。
ラストシーンはピリオドではない。エンドマークの先も、家族の物語は続いていく。例えば3年後、リーとパトリックはどう繋がっているのだろう。本作では海と船が、兄と弟、叔父と甥の関係を象徴していた。観賞後、俺はなぜか「ドント・ルックバック・イン・アンガー」を口ずさんでいた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_please.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock1.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/eto_uma.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/body_deject.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/etc_fire.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ang.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/s2_sum_beach.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ship.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heartbreake.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/win_mountain.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_4.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/dolphin.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/up.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hawaii_rainbow.gif)