2011/10/22 記
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神奈川災害ボランティアネットワーク主催のボランティアバス、今回はG便という岩手遠野・県金太郎ハウス行きのバスを使って岩手入りした。宮城行と違い今回は経験者のみの岩手便ということで、バスはがらがら。たった13名が特大バスを占領した。朝6時、遠野市の風の丘PA着。ここから数分で金太郎ハウスに着く。
私は企画立ちあげ屋として、セットメニューの環境整備と仮設喫茶応援とは、別行動を取った。横浜の本部の方々の判断でバスに乗ることができたのだが、結局私のようなフリーランサーは、自家用車や長距離の夜行バス2泊で動かざるを得ないのかと思う。県の支援はその場合届かない。
大船渡には、路線バスで朝8時台に到着。サンリアSC横の路地の朝市を覘いたがやっていなかった。知人宅に連絡を取った。私は前の訪問で行政関係者や複数の市議、地元教員や商店主の方々と知り合いになっていた。この時間に会っていただけたのは市議の**さんだった。
恐縮してしまったのだが、大船渡の主要な目的地までの運転手をしてくださった。初めタクシー乗り継ぎを覚悟していただけに、嬉しかった。東海大学金目キャンパスの方々と交流があるとのこと。湘南メディアネットワークの会員の方で、子ども放送局をされている。セレスタン・フレネがフランスのフリースクールを立ち上げたとき、彼は子どもに新聞を作らせる教育を行なった。私は教育の髄は再構成にあると思っている。その意味で面白い試みだと思うが、ツール体験の奇異さに振り回されないようにリードしていく必要がある。
世間は狭いものと思う。**さんの車で初めに飛び込んだのが、丸森にある元開業美容師さんの協働のお店「絆」を訪問した。前回交流した++さんがお休みとの事で、話が空転するのが目に見えているので、ご挨拶のみしてきた。この活動でも支援活動は矛盾を抱える。
それはこの活動が、被災した元開業美容師さんの自立復活支援に焦点が置かれているが、美容師(理容師)資格の無い私たち非被災地支援者は、仮設を中心とした被災者に美容(理容)サービスを届ける間接支援に焦点がある。このずれは、実際には「まちうけ店舗」型の活動と、「仮設巡回」型の活動との差異になっている。丸森は大船渡から陸前高田に向かう途中の「丸森景勝地」というところにあり、人家は離れている。高齢者が徒歩で来るのは無理で、健康な大人でも碁石海岸線や大船渡一関線の本数のない路線バスに乗らなくてはならない。美容師さんは7名。協働出資者であるが、日々の来客は7月時点で3~10名で、7名の美容師さんの生計も立たない。最近美容師さんたちの支援ネットワークの支援の会が盛大に行なわれた。盛岡にある本部が給与を出す形で、美容師さんたちは生計を立てている。釜石店に引き続き、宮城にも気仙沼だろうか本格的に資本投入した店舗が広がりつつある。
被災者が避難所生活をしていたころ、無料奉仕の形や、ワンコインなどの形で非営業的なカットサービスが避難所巡回する形で行なわれていた。そのころのサービス提供者の方とは気仙地方訪問前に電話連絡が取れ、お話を伺ったが、その方は年齢を理由に仮設の移転の済んだ現在、巡回してサービスを提供する意志は無いとのことだった。
ただそのお話の中で、よその美容師さんたちが来ても、本来は法的には活動できないのだそうだ。営業免許のエリアがあるのだろう。加えて、被災者へのサービス提供は、地元に任せてもらわないと、地元復興の開業自立の妨げと地元同業者からの抗議があったという。つまり地元業者が仮設に出向いて有料サービスを行うという形になるという。その結果が「待ち受け店舗」型支援となっていた。
サービスを被災者に届ける側としては、カットのみでいいと思うのだが、仮設を訪問してもらうことはできないものかと、考え続けた。ひとつは「絆」さんとは別に地元美容師さんと連携すること。これは実際、巡回している方がいらっしゃるので、可能だが出会うことがいまのところできていない。もうひとつは「絆」さんに訪問サービスを平行しておこなっていただくように掛け合うこと。この後者の交渉が盛岡の本部となされていた。ここで「カット券発行」という話が浮かんできている。実際、店舗待ち受け型では、見た限り失礼だが未だ閑古鳥が鳴いている状況に見える。地元開業者の仮設店舗が次第に、仮設地域に出来ている時期に、このサービスを届けるメリットを何処で出すかということになるが、大きな点では、生活必需サービスであるが、失業保険や生活保護でここしばらくは、仮設生活者の多くが窮乏生活に入っている。だから「無料」「割引」カット券を提供していくことには意味がある。
この「カット券」を一気に全体の仮設にというのではなく、仮設地域の的を絞ったり、独居などの弱者向けに提供する形でデザインし、その購入運動を立ち上げて行くという道をさぐるべきだ。私たちに地元美容師さんを束ねる力は無い。ならば、いずれ矛盾が顕在化する協働のお店ではなく、美容受注パッケージとして「カット券」のアイデアを膨らませるべきだろう。
このことについて、**さんは私をある仮設住宅の自治会長さんの御宅に案内してくれた。「命の旗】の件とともに美容サービスの話を聞いてみた。近くに美容院が復活しているので、不自由ではないという。やはりそうかとも思う。すべての仮設が不自由ではないとは断言できないが、対象を独居などの弱者に絞る必要があるのだ。ならば「カット券」は美容師さんの理解者が登場すれば、その方と組むべきだし、現段階は「絆」さんへの提案を深めていくべきだろう。
今回の訪問した仮設は急坂の頂点にあって、足の不自由な高齢の方は外出が無理だ。こういう場面でこそ、訪問サービスが生きてくるのだ。
次回、仮設にお邪魔してのレポートにつづく。
(つづく)
夜間傾聴:橋本2君(仮名)朝
(校正1回目済み)
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神奈川災害ボランティアネットワーク主催のボランティアバス、今回はG便という岩手遠野・県金太郎ハウス行きのバスを使って岩手入りした。宮城行と違い今回は経験者のみの岩手便ということで、バスはがらがら。たった13名が特大バスを占領した。朝6時、遠野市の風の丘PA着。ここから数分で金太郎ハウスに着く。
私は企画立ちあげ屋として、セットメニューの環境整備と仮設喫茶応援とは、別行動を取った。横浜の本部の方々の判断でバスに乗ることができたのだが、結局私のようなフリーランサーは、自家用車や長距離の夜行バス2泊で動かざるを得ないのかと思う。県の支援はその場合届かない。
大船渡には、路線バスで朝8時台に到着。サンリアSC横の路地の朝市を覘いたがやっていなかった。知人宅に連絡を取った。私は前の訪問で行政関係者や複数の市議、地元教員や商店主の方々と知り合いになっていた。この時間に会っていただけたのは市議の**さんだった。
恐縮してしまったのだが、大船渡の主要な目的地までの運転手をしてくださった。初めタクシー乗り継ぎを覚悟していただけに、嬉しかった。東海大学金目キャンパスの方々と交流があるとのこと。湘南メディアネットワークの会員の方で、子ども放送局をされている。セレスタン・フレネがフランスのフリースクールを立ち上げたとき、彼は子どもに新聞を作らせる教育を行なった。私は教育の髄は再構成にあると思っている。その意味で面白い試みだと思うが、ツール体験の奇異さに振り回されないようにリードしていく必要がある。
世間は狭いものと思う。**さんの車で初めに飛び込んだのが、丸森にある元開業美容師さんの協働のお店「絆」を訪問した。前回交流した++さんがお休みとの事で、話が空転するのが目に見えているので、ご挨拶のみしてきた。この活動でも支援活動は矛盾を抱える。
それはこの活動が、被災した元開業美容師さんの自立復活支援に焦点が置かれているが、美容師(理容師)資格の無い私たち非被災地支援者は、仮設を中心とした被災者に美容(理容)サービスを届ける間接支援に焦点がある。このずれは、実際には「まちうけ店舗」型の活動と、「仮設巡回」型の活動との差異になっている。丸森は大船渡から陸前高田に向かう途中の「丸森景勝地」というところにあり、人家は離れている。高齢者が徒歩で来るのは無理で、健康な大人でも碁石海岸線や大船渡一関線の本数のない路線バスに乗らなくてはならない。美容師さんは7名。協働出資者であるが、日々の来客は7月時点で3~10名で、7名の美容師さんの生計も立たない。最近美容師さんたちの支援ネットワークの支援の会が盛大に行なわれた。盛岡にある本部が給与を出す形で、美容師さんたちは生計を立てている。釜石店に引き続き、宮城にも気仙沼だろうか本格的に資本投入した店舗が広がりつつある。
被災者が避難所生活をしていたころ、無料奉仕の形や、ワンコインなどの形で非営業的なカットサービスが避難所巡回する形で行なわれていた。そのころのサービス提供者の方とは気仙地方訪問前に電話連絡が取れ、お話を伺ったが、その方は年齢を理由に仮設の移転の済んだ現在、巡回してサービスを提供する意志は無いとのことだった。
ただそのお話の中で、よその美容師さんたちが来ても、本来は法的には活動できないのだそうだ。営業免許のエリアがあるのだろう。加えて、被災者へのサービス提供は、地元に任せてもらわないと、地元復興の開業自立の妨げと地元同業者からの抗議があったという。つまり地元業者が仮設に出向いて有料サービスを行うという形になるという。その結果が「待ち受け店舗」型支援となっていた。
サービスを被災者に届ける側としては、カットのみでいいと思うのだが、仮設を訪問してもらうことはできないものかと、考え続けた。ひとつは「絆」さんとは別に地元美容師さんと連携すること。これは実際、巡回している方がいらっしゃるので、可能だが出会うことがいまのところできていない。もうひとつは「絆」さんに訪問サービスを平行しておこなっていただくように掛け合うこと。この後者の交渉が盛岡の本部となされていた。ここで「カット券発行」という話が浮かんできている。実際、店舗待ち受け型では、見た限り失礼だが未だ閑古鳥が鳴いている状況に見える。地元開業者の仮設店舗が次第に、仮設地域に出来ている時期に、このサービスを届けるメリットを何処で出すかということになるが、大きな点では、生活必需サービスであるが、失業保険や生活保護でここしばらくは、仮設生活者の多くが窮乏生活に入っている。だから「無料」「割引」カット券を提供していくことには意味がある。
この「カット券」を一気に全体の仮設にというのではなく、仮設地域の的を絞ったり、独居などの弱者向けに提供する形でデザインし、その購入運動を立ち上げて行くという道をさぐるべきだ。私たちに地元美容師さんを束ねる力は無い。ならば、いずれ矛盾が顕在化する協働のお店ではなく、美容受注パッケージとして「カット券」のアイデアを膨らませるべきだろう。
このことについて、**さんは私をある仮設住宅の自治会長さんの御宅に案内してくれた。「命の旗】の件とともに美容サービスの話を聞いてみた。近くに美容院が復活しているので、不自由ではないという。やはりそうかとも思う。すべての仮設が不自由ではないとは断言できないが、対象を独居などの弱者に絞る必要があるのだ。ならば「カット券」は美容師さんの理解者が登場すれば、その方と組むべきだし、現段階は「絆」さんへの提案を深めていくべきだろう。
今回の訪問した仮設は急坂の頂点にあって、足の不自由な高齢の方は外出が無理だ。こういう場面でこそ、訪問サービスが生きてくるのだ。
次回、仮設にお邪魔してのレポートにつづく。
(つづく)
夜間傾聴:橋本2君(仮名)朝
(校正1回目済み)