湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

社会的企業の落とし穴について/7/15上映懇談会・境界域の就労支援

2010-04-12 11:16:39 | 引きこもり
2010/04/07 記
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従来の組織体の活動は、年間計画に基づいて行われる。だから臨機応変な対応とか、他団体との期間途中持ち込まれた連携が、「番外対応」になってしまう。会費を年間企画費用に配分し、企画実行後、決算を通して年間活動を完結させるというやり方だ。

しかし市民活動、昔風に言うと「草の根活動」は、「この指とまれ」型というか、呼びかけに共感した者が行動し、お互いの影響しあう関係によって世界を広げていくという、いわば集散を前提にしたネットワーキングが生命と思っている。現代の活動は、企業活動の手法を取り入れて、より大きな課題に対して解決力を持つ方向に流れが向いている。しかし、このネットワーキングのアメーバ体のような生命を見失っていく契約者集団活動のような、内と外を持つくくりに社会活動が流れることには、私は基本的には反対の立場である。

一例をあげれば、公開企画で他団体と知り合ったとしよう。その団体が企画している行動にその後、参加を呼びかけられたとしよう。しかしそのことは偶発的であって、年間計画外だから来年度ということになると、それは時期を逸してしまうだろう。この連携活動とか、時局に対応する場面とかいうことに対し、従来の組織活動は、「番外対応」の中に「連携」とか「臨時対応」というような場面を抱え込んできた。しかし、ネットワーキングそのものを活動の原則に取り込んだ活動というものはできないのだろうか。

会費をその都度の実費分担とし、年間計画は節目としての自己確認の合流共同企画の場と考えるならば、登録会員制のような硬い組織体である必要が無い。たしかに古い自然発生的な社会活動は、社会活動自体の負の遺産(磨耗風化経験)によって、解決力を身につけることが要求されていることと、社会のニーズの多様化によって、「この指」に、即座に止まらなくなっているのが実情だ。

企業経営体は、その経営体自身の利益を求め、例えば株式会社なら株主に利益を配当として配っていく。しかし社会活動の場合、その活動は声を上げた方の背後に、同様の問題を抱えた方が拡がっており、その活動の拓いた成果は、その背後の方にも、解決という実りが分配されていく。つまり活動は公共性を帯びる。このことは社会的企業の中にも、収益の分配は次の活動資金にプールされていくと指摘されており、登録会員や株主の収益として「内側」に分配されていくのではない。

社会活動に企業活動の手法を取り入れることは、あくまでも解決力の獲得・持続性という社会的信用の獲得のために用いられるが、これが「活動の社会性」というと、論点が曖昧になってしまう。

商店の活性化を街の活性化と同義に語られたり、商品販売が消費者の便利や要望に応えることと言い換えられたりすれば、商業活動はすべて社会活動になってしまう。常に企業活動は社会とつながっており、この論理を持って、社会活動の企業的展開を語ってしまうと、結局、経営活動一般も公共ビジネスと同義語となって、特定利益者の収益活動が目的化すれば、社会活動の根っこの部分を殺してしまうことになる。微妙な違いのように見えるが、利益分配の切り口から見れば、その違いが見えてくる。

地域起業を行う場合も、この契約者集団の事業活動の形の殻をかぶり続けなければならないのだろうか。そのことによって自然発生的な賛否集散の流れを生命に転じる活動はできないだろうか。公共ビジネスが、結局、行政のアウトソーシングの請負いに化けてしまう愚は、避けなければならないだろう。

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「輝く未来へ Step up」の上映講演会は、境界域に癖球を投げているようなものだ。作品自体は都の障がい者就労支援の成果報告集なのだが、うまく行っている例を集めた結果、高機能の方の就労の様子が集まった。その知的・精神障がいの事例をたどることを通じて次のことを行いたいと考えている。

★軽度発達障がいや鬱、および家庭崩壊やいじめ、再チャレンジなどの様々な条件によって就労困難な状況に陥っている方は、ハローワークの一般就労部門の紹介により、紹介状をもらい企業面談をするが採用に至らなかったり、採用後も職場人間関係や仕事に、うまく、はまれなかったりして苦労している。この層は、手帳を保有する障がい者の就労活動とも切り離されて、堂々巡りしているうちに引きこもってしまう例も多い。この層は障がい者就労と接する境界域の就労活動として掘り下げる必要がある。今回の会の対象は、この境界域を彷徨う当事者とその親御さんを対象にしている。

★逆に障がい者支援活動の側からは、福祉的就労からはみだし、障がい特性のフォローを十分に受けられないために、個々人の就労スタイルを確立できないでいる高機能の方とその親御さんに、その具体的な企業の就労事例を観てもらうことによって、選択肢イメージを広げてもらいたい。DVDが取り上げている事例は東京都内の企業30社の紹介だが、その半数近くがチェーン店のため、神奈川県内の事業所も採用枠と就労状態の推測がつくという効果がある。

★今回は「企業就労」、特に特例子会社の就労が取り上げられるが、この企画自身、就労支援の連続企画の流れに位置づけられたもので、本来の大きな狙いは、社会参画的な「地域起業」、手帳の有無等によって別個に作られて来た活動の、協業的な横断起業デザインを行うことにある。今回の企業就労を探る方向の支援活動は、地域のインクルーシブな就労環境となる横断的支援セイフティネットの支援環境を生み出していく一助とする。企業就労チャレンジ・企業開拓も地域起業も、その方の要望を支える形で支援する支援者ネットワーク形成である。

★若松町たい焼きショップ活動の元には、就労参加の要望が頻繁にもたらされているという。障がい者就労の継続就労支援A型の事業所は少ない。最賃保証されている事業所は障がい者就労畑では破格である。特殊な事情があるゆえ成り立ったとはいえ、そこに求職者が集中するほどに就労ニーズは高い。一方、地域潜在化する一般就労境界域の就労困難者も、近未来、生活保護財政が破綻するほどに危険水準を上げており、潜在ニーズは高い。このニーズに応える地域ネットワーク活動を育てていく必要がある。そういうガバナンス型の目的志向活動が必要であり、今、それぞれの領域(例えば、障がい者就労・軽度発達障がい者就労・引きこもり者就労・路上生活者就労…等)を地域協働型就労という地域デザインが始められなくてはならない。その機運を高めていく活動が必要。今回はその意味で、あまり縁の無かった活動が出会い、協力の芽が生まれる点に注目したい。これは今後の当事者・支援者交流へと成長させていきたい。

この点で今回の企画は、準備段階、広報と勧誘の共同作業も大事にしたい。今、茅ヶ崎市内には様々なセンター志向の動きがある。しかしその動きも、障がい者就労領域からの支援が主であり、境界域の方の活動からの活動は、依然療育の立場からの支援という横断志向の弱い活動に留まっている。この拡散した力を結びつける活動が必要なのだ。

まずは、7月15日、上映懇談会を成功させたいと願っている。

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明日8日、湘南あすなろ会の見学会を行う。母のストレスのガス抜きのために、今日一日、母を東京の通院帰りに手足を伸ばしてこいと、実は裏のあるサービスを提案した。母の帰宅23時前まで、在宅編集&添削。

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桜がきれいだ。しかし今年は、余暇が楽しくない。こと成ってこそ、ゆとりに喜びが伴うもの。宙吊りの余暇は、いただけない。


夜間傾聴:□□君(仮名)
     橋本2君(仮名)
     大森海岸君(仮名・フォトフレーム話)


2010/04/08 記
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母は22時ごろ帰ってきた。この年になると、遅い時間までつき合ってくれる友達がいなくなるという。皆、介護と無縁ではなくなる。諦め顔で服を着替えている。話していいものかどうか躊躇(ちゅうちょ)していた。父の事件のことである。

デイサービスから父の帰宅後、どうしたものか父のベッドの上の蛍光灯の一本が点かなくなった。父がそれを直そうとして、ベッドの上で立ち上がろうとして失敗、ベッド柵を乗り越えて床に落ちた。

父は顎(あご)を打って、入れ歯を吹き飛ばし、顎先に小さなアザを作った。入れ歯が外れやすかったので、口腔内に怪我をせず、返ってよかったのだ。父はベッド柵に残った足の踝(くるぶし)をひねったが、もともと麻痺した側の足なので、私が助けに入ったときには、ベッド柵の間に挟まれるように踝が残っていたが、はずすとき、痛みの反射があったものの、その後の立ち上がり補助のときは、すでに足が床についていた。ときどき足を守る行動を取るので痛いのかも知れないが、声をかけても応答が無い。失敗を指摘されるのが嫌なのだ。その後の排泄補助もいつもと変わらないので、治療せず、様子見を続けるに留めた。とにかく頑丈である。打ち身もあるだろうが、寝惚けた父の打った胸部や四肢をさわっても、何の反応も無いのだ。糖尿病のせいもあろうが、翌朝、痛みが出なければ大丈夫だろうと判断したのだった。

こんな状態だったので、あえて母には話さなかった。ところが母は、父の部屋から折れたボールペンを引き上げてきた。腕力で折ろうとしてもなかなか折れるものではない。母は床に落ちたボールペンと、切れた蛍光灯を指摘する父の言葉から事件を察知してしまった。これでは家を空けることが出来ないと怒りを露わにした。

蛍光灯は、残りも古くなっているので、全部交換するからと応答して墓穴を掘ってしまった。母は見学会の話などかけらも覚えていない。父が気にしているから、明日買って交換してくれといいだしたのだった。蛍光灯のために、見学会を欠席するわけにはいかない。

この大型の蛍光灯はコンビニには置いていない。この時間だとジャスコも食品売り場以外は閉じている。結局、翌朝蛍光灯を買いに出て、取り付けてから見学会に出ることになった。紙一重、見学会集合が午前中だったら、衝突しているところだった。常にこのような綱渡りなのだ。4本のうちの1本の故障なので、父が蛍光灯交換を翌日まで待ってくれればいいことなのだが、一度気にしだしたら昼夜構わず立ち上がってしまう。失敗経験が生かされない異常。

これから父の朝食を出して、買い物に出る。これ以上、何事も起きないで欲しいと願うばかりだ。

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午後から、あすなろ会の見学会がある。天候もまずまず。茅ヶ崎駅前集合後、新橋乗換えで上野に出て、日比谷線で三ノ輪に出て、コラボネットのKさんと合流、企業組合「あうん」にお邪魔する。

夜間傾聴:橋本2君(仮名)



(校正2回目済み)


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