⚫︎「だからなんなの33病院に行ったら白衣の職員の顔をじっと見て見よう1変な高校生養成講座開講」
しばらく連続ものを休んでいた。私の書くものが、高校生に興味ないし、偉そうに押し付けているという批判があって、へこんでいた。君ら4人分あがいてきた74歳爺いである。ぼーっと生きてんじゃないよといわれたら、拍手てしまう困った人である。センスがあうわけがない。迷惑だろうなあと思いつつ、奇妙な災害話、やっぱり書くことにした。
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君たちは、病院にかかったことがあるだろうか。医者、看護師、放射線技師、医療検査技師、薬剤師まだまだ医療事務員、理学療法士、作業療法士ふう、患者さんの医療相談の医療ソーシャルワーカーMSWまだ医療環境衛生関連と消防所属だが救急救命士とか抜けていて、わんさか医療関係者がいる。
がだ、どかーん。大災害が起きました。さて、彼ら、どうする、どうなる?
これ、場所と立場によってずいぶんちがうのです。また地震•火災のようにケガが中心の時と、コロナのように病気が中心の時とでも、ちがう。ただ共通なことは、職員、皆地元被災者でもあって、家族の危機に直面していることです。板挟み、災害の時はしんどいです。
話はげっそりするほど長くなるし、地域指定病院とか救急指定病院と、町のクリニックでは、全然様子が違います。関係者に怒られてもいいから、まずは様子を伝えます。防災の話ですよ、念のため。
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私は網膜色素変成症と糖尿病の患者なので、大学病院と地元クリニックに通っています。
外来で順を待っている時、脇を通る看護師さんや検査技師の人たちの顔や足取りをじっとみています。変な爺ぃと思うでしょうが、エロ爺ぃとは思われていないみたい、目つきが悪いから。
実は、災害が起きたら、彼ら戦争状態、この人、大丈夫かなあと考えているからだ。だめだこりゃというひとが結構いる。
職員さんは採用の時に労働協約を結びます。このとき、緊急時就労の項目があります。医療関係者は倫理上から危機に立ち向かう英雄であるというよりも、もともと、そのときもがんばる仕事なのです。
でもね、でもですね、彼らも被災者です。あのひと無理だなとおもうことも。現に陸前高田では津波で町がなくなりました。建物が残った自分が働く病院も機能不全に。石巻市では、被災者が殺到して院内戦争がおきました。
皆さんはクリニックと病院の違い、しってますか。クリニックは入院施設がないのです。医院もそう。いわゆる町医者さん関係者はどうなんでしょう。戦争してるの?
ばしばし話が跳ぶが、君はバスの運転手さん、どう見てる?頭の上に貼ってある運転手さんの名前を見ますか?佐藤さん、運転乱暴だよとか。この固有名詞お名前って、人の見え方をかえるんだよ。
医者とか看護師さんをみるとき、なんとか先生とか看護師の何とかさんとか、名前付きで見てると、そのひとの生活というかプライバシーがちょろちょろと、のぞきます。
ちょっと身近になったひとが、災害の時戦うんだよね。出来事の見え方が変にリアルになる。この見方を「おばちゃん的視点」て言うんだ。わかるよね。バトルだって、名前をつけてトビタ魔人が大谷マンにバットアタックくらっているのだって、何かヤダ程度にリアルだろう?
そういう人たち、訓練は受けているが、ほとんど実体験のないひとが技をふるいます。ストレッチャーがらがら、毛布抱えてこけたり大変。
ところが当人が一番苦労するのは、チームワークと状況判断。大騒ぎの中、孤独な間違うまいという技行使。自分の役目をやろうと夢中になっちゃう。すごいストレス。相手の被災傷病者、命かかっているしね。
ところが災害現場は、もっと雑然としていて、自分の隣の被災者が急に嘔吐したり、ひきつけたりしたら、薬剤師の君はどうします?自分の専門じゃないからと見ていますか。看護師さんを呼んでくれと人に頼みますか。危機の時の伝言ほど危険なものはありません。伝言ゲーム、混乱がひろがるばかりなのです。冷静な臨機応変さに、気付くひとは専門職でも少なく、ではどうするかまで、思いがめぐるひとはひとにぎりしかいません。この状況判断には、経験がいります。でも職種に限らず、医療現場に携わる者は、判断を問われます。長期戦に、なったら健康の自己管理や家族との板挟みがあるから、医療関係者は大変です。普段は個々人の⚫︎⚫︎さんげんきになったんだってという喜びも、災害時は被災者が集団やトリアージタグという腕に巻かれた番号であらわれますから、見返りの喜びもない。でも一段落したときの手堅い収穫もあります。災害の時の病院空間は最前線。でもねえ、傷病被災者と医療関係者だけのリングファイトというほど実際はすっきりしないのではと思うところもあります。患者家族のこと、入院患者のこと、医療外周支援者のことです。これはいずれ。
医療関係者に、なってみたいとおもいますか。私は大事な仕事だとしか言えませんが、命を救う清い仕事と思うなら、違うかなぁ?医療関係者の知り合いに首を傾げるばかり。ただタフです。
だから外来で、滑り止めしてあるナースシューズを見たり、しらっとした顔で通り過ぎる看護師さん、あ、ごつ、こりゃだめだなんてやってます。おばちゃん的視点です。けばいひともいますが、このひとたちが、被災時医療を支えます。じーっ。
何かお困りですかと年配看護師さんの声。ああこの人、集団管理に回るんだろうなと、じーっ。
看護師さん焦ってました。やってみ。災害、見え方リアルになるよ。
ぴーんとくるひともいる。私がぴーんときたのは、パンかじってたER(救急治療室)のすりきれたおっちゃんでした。おー、しぶい。
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話は長くなるので、ちょっと補完して、また書き込み休みます。
「おばちゃん的視点」は、身の回りにいる人が、被災に立ち向かいます。公共活動の舞台裏は、近所のおっさん、おばちゃんがやっていることです。その目って、役者の演じる役のような公的役割を笑い飛ばすリアルな災害をつかむ方法です。
災害はあちこちに最前線があります。大川小をだすまでもなく、学校も駅中もそうです。見慣れた街並みも、被災の想像力の眼差しで一皮剥けば最前線が浮かび上がります。
医療では、町医者さんとか、訪問ケアの世界もあります。へーということ結構あり、これは続編に書きます。高校生に託されているものもあるんですよ。
紙芝居は先輩から後輩へとひきついでほしい「縦糸」。今書いているトリビアっぽいシリーズは、大学や社会に、持ち帰ってほしい、つまみ食い歓迎の技と知のヒント、つまり「横糸」だ。そのつもりでかいています。
ぱたから体操も、横糸。気に入ったら技にしてください。
(校正1回目済み)