日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

喜寿の出遇い 1

2024年04月20日 | 回想

 母校でもある近くの小学校の入学式から10日、上級生にサポートされるように登校していく1年生、黄色の交通安全ランドセルカバーが光って見える。時にはお父さんやお母さん、おじいちゃんと登校も見かける。みんな楽しそうな登校に見える。自分の1年の登校風景は全く記憶に残っていない。

 私の小学校入学は終戦直後の昭和22(1947)年。赤紙の召集令状が届いたときのために、父が手縫いで準備したというランドセルを背負っての入学だった。そんなランドセルに入れた教科書などはわずかとおもうが、その中の国語の教科書の最初のページを今もはっきり記憶している。自分でも不思議でならない。

 見開きの最初のページにはレンゲの花の輪飾りのような周りで子どもが遊んでいる。そこに書かれていたのは、今だから詩だとわかる短い文章だった。
   みんないいこ 
 おはなをかざる みんないいこ
 なかよしこよし みんないいこ
 きれいなことば みんないいこ

 入学までに自分の名前は書けるように、覚えた字は「カタカナ」だった。それが「ひらかな」に変わり親は心配したそうだが、記憶の中には苦労が浮かんでこない。その懐かしい教科書に出会った。ガラスケースに収められたその教科書は77年の歳月で茶色に変わり、何カ所もテープで補修されていた。

 (今日の575) 記憶する頁に出会い言葉なく 
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