鯉、といえば広島カープに連なる。毎年GWころまでは「今年は」と期待を抱かせるが、まあ、そのあとは愚痴になるから控えておこう。開幕に向けて自主トレを始めた選手もいる。当市には二軍の練習場があり、地元では老若男女が大声援を送っている。そろそろAクラスへ足を踏み入れて欲しい。
カープの選手は始動を始めたが、ここお堀の鯉は寒いと姿を見せない。始めは何か事が起こってどこかへ移されたのか、と思い訊ねたら、そんな事はないという。なら、どこへ消えたのか。薄く濁った堀の水は底まで見せない。寒いのでどこかでじっとしているのだろう。
鯉の姿が見えないので浮かんだのは文部省唱歌「池の鯉」。今は歌われることはないのだろが、声には出さないが口にでた。
出て来い 出て来い 池の鯉
底(そこ)の松藻(まつも)のしげった中で
手のなる音(おと)を聞いたら来い 聞いたら来い
出て来い 出て来い 池の鯉
岸(きし)の柳(やなぎ)のしだれた陰(かげ)へ、
投げた焼麩(やきふ)が見えたら来い 見えたら来い
茶店の軒先に麩を詰めた餌袋が積まれている。「一袋100円」の値札が風にくるくると舞っている。それは「商売にならない」と焦っているようで面白い。
陽射しを暖かく感じた次の日、お堀の中には鯉の姿が見える。同じ様子を2、3回繰り返すと「鯉は冷たさを堀のどこかで凌いでいるのか」という確信に似たものが生まれる。本当はどうしているのだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます