「『乗り鉄』『撮り鉄』 色々あれど 我が鉄道の旅は、『呑み鉄』なり」で始まるNHK-BSのTV番組に「呑み鉄本線日本旅」がある。時には利用した区間や鉄路もあり、いつの間にか見るようになった。飲むと呑む、どう違うのか、「酒をじっくりと味わいながらのむ」場合には「呑む」を使う方がじっくり来る、とある。当番組にはピッタリだ。
番組は途中下車し沿線の醸造所を訪ね酒作りの現場を見学、こちらがメインになる「試飲」をする。試飲は、どこの醸造でもわずかな酒を口に含み味わい、ひと呼吸してその酒の味や風味など短い言葉で言い表す。試飲する酒によって表現が違う。五感の揃ったよほどの酒利きとしか思えない。肴の珍味でも同じだ。店も旅人の「六角精児」を知っており、応対はいい。
前回は「久」しいは久留米駅、「大」は大分駅を表す九州横断の「久大線」全線が紹介された(再放送)。今回も焼酎、ワイン、日本酒、地ビール、どぶろくなどこれまでにない酒量の試飲だった。観光でなく出張での旅程で2度利用した特急ゆふいんの森も登場し昔を思い出した。
試飲だけでなく廃線になった駅舎やその廃線跡、任務を終えた設備など残っている鉄道遺構、古い車両の展示場なども紹介する。廃線跡を眺める旅人の姿に、鉄道が本当に好きなんだと感じる。また、昔を知る人の話も興味がある。私は日本酒をほとんど飲まないが沿線の風景と試飲の表現が面白くて見続けている。こんな旅はしてみたいものだ。
(今日の575) 試飲後のひと言を待つ醸造所