先日、ちょっと手伝いをしたら「お昼にしてください」と弁当を貰った。持ち帰り蓋を開けると、主食は日の丸弁当だが、おかずは昔のそれからは想像できない豪勢な内容だった。昔の日の丸弁当を忍ばせているのは小さく刻んで添えられたタクアンだった。中高時代は給食なしで弁当持参だった。夏場は必ず丸のままの梅が乗せてあった。
梅は特に夏場のご飯の腐食を防ぐため、と教わっていた。しかし、ちょっと貧乏くさい感じの弁当に思えた。だが今の科学は、米と梅の化学的関係から、健康には非常によい組み合わせという。今、コンビニでムスビを買うとき、一つは必ず梅入りを買うのは、昔の名残が無意識のうちに出るのかもしれない。
終戦の前日、麻里布駅(現岩国駅)周辺はB29の世界初といわれる絨毯爆撃を受け500名余の死者を出すなど大きな被害を受けた。その追悼式が昨日行われた。午前11時15分のその時間に合わせ黙祷。今日は正午からの全国戦没者追悼式に合わせ今年5回目の黙祷をした。追悼式では尊い300万余の亡くなった人らへの哀悼の気持ちを表す。
日の丸弁当、本当は国旗のように白い米の飯に赤い梅が乗った弁当を指すのだろ。しかし、戦地で粗食に耐える兵士を思い戦中は銃後の守りとして、梅干し1個だけの弁当だったという。古老から「日の丸弁当には戦中を生きた者はそれぞれの思い出がある」と聞いたことがある。戦争のない世界になるよう声を出さなければいけない。
(今日の575) 食後の茶弁当箱の蓋で飲む