
外気温は6度か7度くらい、山裾の道を歩いていた。そこは雑木、「雑木いう木は無い」と怒られそうだが、そう背丈の高くない木が茂っている。ふと見ると、1本だけ白い被り物をしているよう木が見える。近寄ってみると雪が葉にくっついている。木の名前は知らないが、緑濃いい葉が茂っている。
薄日が差しているが、雪を着けた木はちょうど周りの木の陰になっている。それにしても、このあたりで雪が降ったのは数日前、その雪が残っている、何か信じがたいが人工的にできることではなく、仮にそうであっても車の往来は激しいが、気づいて車を止めて見る人はいないだろう。私のように歩いていないと絶対に気づけない。
私はケーキ類はほとんど口にしないが、葉と雪の組み合わせは、緑色の器にのせられた白いケーキーのように思えた。口にはしなかったが手で触ると、正直なものですぐに融けて流れ落ちた。誰かに見てもらえるまで辛抱して融けないでいたのだろう、そう思うと自然の気ままな仕草に感心する。
雪もこんなならかわいいものだ。しかし、何十年ぶりという今冬の寒さによる豪雪、足を踏み入れたことはなく映像で知る光景は、雪よ少し遠慮しろよと言いたい。スキーヤーは喜ぶが、場外で楽しむスキーヤーの事故、スキーヤーの自覚だよりでは止まりそうにない。救助隊の報道を見ながら、これは何とかならないかと気をもむ。
(今日の575) 戯れの雪のケーキにそっと触れ