昨年の秋の終わりころ、氏神様の椎尾八幡宮石垣に橋脚のない五連の錦帯橋と岩国城が描かれた。誰の作品だろう、どんな風にして描いたのだろう、そんな思いで眺めていた。見る回数が膨らむと少し興味が薄らいで通るたびに気をつけてみることが薄くなった。そして少し色合いも薄くなってきたかな、と感じていた。
今年になって気づいた。錦帯橋の描かれた石垣の奥側の高さのある石垣に巨大な黒龍が描かれた。鳥居に噛みつきそうな大きさは目測で数メートルはありそうだ。。繊細で立体的で今にも動き出しそう。もしかしてバンクシーの作ではと立ち止まる。いや、彼の作品は風刺画、この龍は社会への何かの怒りかなどと思いながら黒龍をFBにアップした。ありがたいことに情報がいくつか寄せられた。
その1.石垣を清掃するとき汚れを残して描かれた傑作。その2.作者はボランティア。その3.龍は、錦帯橋の次に何を描こうかと思案の時、臥龍橋通りの突き当りだから「龍」にしたらと言われ決まった。その4.描く道具は絵筆や刷毛ならぬ汚れ落としの高圧洗浄機で描き上げた。
情報を頂いた方有難うございます。関東在住の当地出身者から、訪岩できるようになったら是非見に行きたい、実物を見てみたい、などの応答があった。それにしても高圧洗浄機で凹凸のある石垣の汚れを落としながら汚れを残した部分を作品にする、それは高い足場の上で、凄い腕の持ち主と思う。水中に棲む龍は時に天に昇って風雲を起こすという。さて何をしたいのだろうか。