日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

軒の下

2021年03月20日 | 町かど

 その家の前を通るとき「今日の花は何かな、どんな飾り物かな」、そんなん楽しみを届けてくれる家がある。昔は大きな店だったが、仕舞われて今風の家に建て替わった。しかし、かつての名残か玄関横の軒下に大きな瓶が複数個置かれ花が生けられている。1年を通しての変わらない心遣いに、花に疎い身ながら関心を持って見て通る。郵便受けは竹かご、配達への感謝を示す文が貼ってある。

 軒下に畳1畳を長い方に沿って半分にした細長い出窓があつらえてある。通りに面した側は1枚物のガラス、奥は障子でさえぎられている。この出窓の中央に生け花がひと鉢おかれている。何流かは分からないが、その生け方は私流にいえば凛とした生け方に思える。日の当たるその出窓、秋の終わりころから花のそばで猫が寝ている。温かいのだろう、気持ち良さそうな寝姿が欠かせなくなっている。

 玄関横の出窓のガラス窓を木製の挌子で覆った家、その挌子にゑびす祭のビラが毎年貼られていた。これぞ城下町と思える光景に何度かシャッターを押した。故あってだろう、最近気づいたのだが、形はよく似ているがアルミ製の格子に変わっていた。遠目には差はないが近づくと何か趣が変わる。私の思い込みだろうか。

 幅3尺ほどの飾り窓の家は人形が飾られる。最近までは雛飾り、といって数十体のいろんな雛とひな祭りに関連する飾りが段差をつけて飾られる。この次は端午の節句にちなんだ飾りになるだろう。どの人形も歴史を滲ませた感じのするひと品に見える。散歩でこうした軒下の飾りを楽しめる我が街に感謝し誇りにおもう。
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