日々のことを徒然に

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猿の腰掛

2017年12月02日 | 自然 季節

 「立派な猿の腰掛じゃ」の声に振り向くと確かに大きい。子どものころ、近くのお屋敷の庭に大きなサルスベリの木が数本あった。その表皮はつるつる、「猿もすべるから」つけられた名前で「猿滑りの木」と教えられたと思う。さらに、木登り上手の猿も、この木に上る時は途中で休むために腰掛が出来た、昔の人は話を面白く子どもに言い聞かせた、と思いついたのはいつ頃だろう。

 猿の腰掛、広辞苑では「担子菌類サルノコシカケ科に属する木質のきのこ。樹幹に半円形又またはいぼ状で棚状に生え、厚くて硬い。上面は褐色、同心円状の紋を具え、下面は白色。木材を腐朽させる害菌」とある。猿が腰掛けて休むから猿の腰掛という、子どもころ聞いた話とは違いすぎるが、昔の人の話し上手なことを今になって思い返す。

 木材を腐らせる害菌なのに漢方では、毒性がないことから副作用を伴わない上薬として重宝されるという。服用したことは勿論、見たこともないが、特定の病気を治すというのではなく体を正常にする効果があり病に罹らない体質にするという。西洋医学でも漢方を併用する病院もあるという。近くの薬局でも漢方相談が出来る。


 「さるすべり」を「百日紅」と書くことを知ったのはいつだろうか。真夏の青空を背景にしてピンクと白の花を咲かせる。およそ100日間咲かせることから名づけられたという由来は分かりやすい。この花が勢いを無くすると秋が近くなる。植物は愚直なまで四季の移ろいを守っている。
コメント (2)
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