日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

墨の濃淡で

2015年06月24日 | 生活・ニュース


 市内の水墨画グループが近くのふれあい会館で作品展を開かれているのを知り散歩の途中立ち寄り拝見した。作品は錦帯橋や六角亭、生物に風景、動物など20作品ほどが展示されている。眺めながら遠い昔を思い出した。

 「描いてみたい」そう思ったのは小学校3年か4年ころの下校の途中、道の端で紙を広げ墨と筆で動物を描いているのをしゃがんで見た時だった。見本もないのに描き終えた絵は今にも走り出しそうな姿に驚いた。その日は水彩絵の具を使って初めて絵を描く授業があった日だったので印象に残っている。密かに真似事をしてみたが絵にはならなかった。

 水墨画は「墨」だけで描かれた絵画、墨は線だけでなく点や面でも表現される。そこには墨の濃淡やぼかし、かすれなど墨をさまざまな表現で使いこなされている。墨の濃淡だけの遠近や立体感の表現は写真とは趣の違う落ち着きを感じる。

 「墨を磨り始めるといい匂いがする。その心地よい香りは鼻から脳にダイレクトに伝わり、気持ちを落ち着たり晴れやかにしたり、楽しい記憶を呼び起こす働きをうながす」。これは東京で書道教室を主宰する知人のブログに載っている「墨」につての一部分です。水墨画に油絵絵や水彩画、写真などにはない和を思うのは墨の力だろうか。そんなことを思いながら静かなときを過ごした。
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