日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

のんびりと歩く

2013年11月05日 | 地域


 川沿いの散歩も風が吹くと肌寒さを感じるようになったこの頃。中洲に茂るススキは風の吹くままにその穂を休むことなくなびかせている。咲き遅れたのか、いや強さがずば抜けているのか数少なくなったコスモが晩秋の陽を受けているが、なんとなく哀れを感じさせる。

 柿が収穫されなくなってずいぶんな年月が過ぎた。生りは聞いていた通りの豊作だが収穫された様子はない。富有柿がなまったのか子どものころには「ふゆがき」と呼んでいた甘みが強く少し扁平で大振りな柿が生りっぱなし。

 「歯が悪うなって柿が食べんようになりました」医院待合室での会話を思い出した。こんなことも少子化などと合わせ収穫減の原因のひとつかと思いながら見上げる。このままではもったいないと思いながらも黙って持ち帰るわけにはいかない。熟して土に還るか鳥の餌になるか、富有柿の先の定めはわからない。

 柔らかい秋の陽が川面の波に反射して光る。その光と冬鳥が戯れている。この川で冬を越すのか、先日は数羽だったが数十羽に増えた。中洲の茂みは深く、外敵から身を守る隠れ場所としては恰好の環境だと知っているようだ。

 下りのディゼルカーがローカル線の鉄橋を渡る。小春日和に遠慮するかのようにカターンカターンと単調な音を静かに響かせて。のどかな川沿い、歩いているのは私だけ。
コメント (2)
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