TV番組の「お宝鑑定」は人気話題共に高いという。数年前、隣の市での公開録画に応募した知人は、採用になるには「話題性も重要な要素のひとつ」と話していた。放送を見てどのお宝にも何がしかのドラマが織り込まれていて納得する。
漫画家:杉浦 茂の作品20編にオープンザプライスの声にのり「570万円の評価」が表示された。依頼人とその家族、司会者も含む会場全体から驚きの声が流れた。いや羨望のようにも聞こえた。たかが漫画、されど漫画のシーン。
最高値は少年児雷也(と思う)の1冊50万円。杉浦の作風は「奇妙奇天烈で奇々怪々」という。昭和7年に「のらくろ」の作者、田河水泡に入門し指導を受ける。他の作家に対して対抗心を見せることの多かった手塚治虫も杉浦茂に対しては「先生」と呼び「真似できない作風」と評した、という。
お宝鑑定の評価は、歴史的価値や実際の値打ちとは異なり「今、取引すれば」という評価となっていることを、鑑定士の説明から感じている。杉浦の漫画は市場に少なく外国人もほしがる人が多いそうだ。
先日開いた陶芸同好会の作品展で値が付いた。熱心に見られていたご婦人が「この雛人形はいくらですか」と問われた。ある会員が即売はしていない旨伝えながら「いくらならお求めになりますか」と問うた。
素人でも聞き知っている名前の窯で以前求めた時の値段から「3千円ならいただきます」と答えが返った。これが価格というものだろうか。そのご婦人と会員の会話はしばらく続いた。
550人の方に見て頂いた展示会終了近くのお話でした。将来「お宝鑑定」に登場する作品が生まれるかも、そんな他愛無い話をしながら楽しく片付けをはじめた。
(写真:思わぬ価格も付いた展示会)