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直径数ミリほどの細い竹が銃身。銃身より少し短めに加工した自転車のリームで銃身に詰めた弾を突き出す。弾は金色の杉の木の実。子どものころには杉鉄砲と呼び、弾の飛距離を競ったり戦争ごっこをした。
弾は口に含みすべりを良くする。噛み潰したときその渋さと生臭さに顔をしかめながらも日の暮れるまで遊んだ。
国産樹木の中で寿命・高さとも優れており、何よりも1直線に伸びる姿は気高く生命力の強さのようなものを感じる。神木のように神社周辺には多く見かけるのは不思議ではない。
報道によると今年もスギ花粉の飛散が始まった。雄花の散らす花粉は春の案内役のひとつだが、最近は嫌われる。昨年の夏場の高温の影響で飛散量は多いという。対策グッズや予防方法など見たり聞いたりしない日はない。
杉鉄砲で遊ぶころは終戦直後。山は裸、飛散する花粉量が少なく症状が出なかったのか、花粉症で遊びをやめた仲間がいたのかは思い出せない。いや、花粉症という言葉もなかっただけに、症状に悩む人に出会うと気の毒に思う。
スギ花粉がひと塊となって風に流される下で杉鉄砲を持って遊んだ、今ころの子どもたちにも味あわせてあげたい、そんな郷愁を感じる。
(写真:この杉も周りに習ってまもなく花粉の飛散を始めるか)