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今年の正月、久しぶりに帰省した孫が、妻の盛った仏飯を運びながら「これだけで足りるの」と聞く。両親と祖父母の遺影分にしてはその量が少ないことは子どもでも容易に分かる。
「白いご飯は仏様に感謝の気持ちを伝えるもので、亡くなった人が食べるのではない」そんな話をした。理解の様子は分からないが帰省の間は毎日お手伝いした。
別に教えたことはないが、小さなころから帰省すると、仏壇の前で息子夫婦の間に座って手を合わせることを習慣にしている。珠数を買いおいたときは繰返し仏壇の前に座っていた。
それから数年が過ぎた。仏飯を見て「足りるの」という孫が自然に発した思いやりの言葉、こんな優しい気持ちの孫に育ったことに感謝し線香を供えた、そんなことを思い出しながら、あす帰省する孫を待っている。
こんどはどんなビックリを持って帰るのか、楽しみにしている。
(写真:新幹線でどんなビックリが帰ってくるのだろうか)