初めて訪ねた山合の広場に駐車区画が設けてありほっとし、そのまま進入し駐車した。車外に出ようとドアを開けるとき目の前の高い石垣に気づいた。
山の麓を切り開いて作られた広場らしく、その石垣が広場と山の境になっている。高さは数㍍はある。組まれた石は大小不揃い、形は様々だけど石質は同じに見える。山を切り開くとき発生した石を利用したと思った。
今ならたんなる土砂として何処かに埋められ、無機質なコンクリーの壁で仕上げただろう。誰の知恵を生かして石垣が出来たのか知る由もないが潤いを感じる。こんな手間の掛かる工事を望むのは、効率ありきの今では無理なことと分かっているが言ってみたい。
石垣と言えば城に思い当たる。いくつか見た城は何れも巨大な石が美しい曲線で積上げら美術か芸術かと思わせるが、目の前の石垣には大それたものはないが素朴さがあり暖かい。
いつ頃築かれたのか知らないが苔の緑は長い歳月を偲ばせる。
広場で続けられているゲートボール、スティックで玉を打つ乾いた音が桜の花びらとともに拡がっている。
(写真:苔の緑が美しい石垣)