日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

野イチゴの花

2008年04月14日 | 回想


訪れた地で道沿いの竹林、いや竹藪と呼ぶほうがふさわしいかも知れないが、カメラを持って「竹の子は見えないかな」と歩いていた。熱心に見すぎたのか「まだ出てはおりません」と甲高いご婦人の声で振り返った。

「いくら捜されてもありません」と二言目。さては竹の子泥棒と間違えられたらしい。「いや、盗るんじゃなくて撮るんです」と洒落たが分かってもらえなかった。

竹やぶの向こうに日当たりの良い畑がある。畑の法面の雑草はみな青々と勢いがある。その中に白い花の群生見えた。近づくと野イチゴの花が日に向かって揺れている。

たまご形でふちがギザギザで深い緑色の葉を背にし茎の先に咲いた5弁の白い花が清楚に見えた。泥棒に間違えられたすぐ後だったからか。

野イチゴの実は赤く丸い粒々が盛上がったようで、その形は店頭に並ぶ温室育ちのそれに比べ野生的と思う。子どものころはこれがおやつにもなった。

駆け回る山や畑のどこに野イチゴがあるか順送りで知っている。子どものルールがあり1度に食べあさる事はしなかった。小さな子どもには木の葉包んで持ち返り食べさせた。

機会があったら赤い実のころに来てそれを撮っておこう、そう思いながら甘い野性の味を思い出した。

(写真:日を一杯に浴びる野イチゴの花)
コメント (3)
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