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宮崎駿『風の帰る場所』

2014年10月04日 02時00分34秒 | 文学
ここ二週間はほんとうにつらくてだるくて、朝起きて会社に行って帰ってご飯食べて寝るのだけで精一杯で、何もしていない。もちろん英語の勉強もしていない。テニスも行かなかった。
軽い鬱病だったのだと思う。
いまは楽になった。
やったことは花粉症の薬を呑むのをやめたことと、毎日早く寝たこと、本を読まなかったこと、ごろごろしてテレビを見たこと、パソコンを立ち上げなかったこと、くらい。
時間の経過がわりとなんでも解決するものなので、つらいときも日々のその時々のことだけ考えて耐えていればなんとかしのげる、ということはある。

パソコンを立ち上げていなかったので、読んだのに感想を書いていなかったのだが、宮崎駿への渋谷陽一のインタビュー集『風の帰る場所』(文春ジブリ文庫)を読んだ。
非常に面白かった。
『もののけ姫』を僕は劇場で一度見たきりで見ていないのだが、見てみなければいけないなと思う。
宮崎駿は、「○○ですね」と言われると、「いやそうじゃなくて……」と言ってしまうひとのようだ。たぶん宮崎駿に「あなたは○○ですねと言われると、いやそうじゃなくて、と言ってしまうひとですね」と言ったら、「いやそうじゃなくて……」と言うだろう。
手塚治虫や黒澤明への批判がありおもしろかった。
人間とはこういうものです、ではなく、こうであったらいい、というふうに描いてある、という話があり、素晴らしいことだと思った。よしもとばななが自分の描いているものは「ドラえもん」と同じで、実際のことを描いているわけじゃない、実際の人生には絶望している、というような発言を昔していたことがあったが、それを思い出した。また、内田樹が、憲法の話をしていて、憲法というのは実際にそうであることを書いてあるわけじゃなく、努力目標を書いているのだ、というようなことを(かなりいい加減な記憶)言っていたことがあり、それも思い出した。
いずれにせよ、人間というのは金に汚くて女の尻を追っかけろくでもない、というふうに思い続けていたらそのようになってしまうし、そうではないと思っていればそうではなくなるということがあると思うので、こうであったらいいを描くのは素晴らしいことと思う。
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