ダブログ宣言!

ひとりでするのがブログなら、
ふたりでするのがダブログ。

☆チャン・イーモウ監督「単騎、千里を走る。」

2008年01月19日 01時30分53秒 | 映画
単騎、千里を走る。今朝、会社に行く途中で杖をついた老婆が、
「そこのひと」
と市原悦子のような声で話しかけてきて、なんですか、と答えると、
「これからは高倉健をしっかりと見なさい」
と言い残しその場からふっと消えたので(ここまで嘘)、何かあると思い高倉健を見ることにした。
高倉健の映画はこれまで「南極物語」「ブラック・レイン」「あ・うん」「鉄道員(ぽっぽや)」を見たことがあるはずだが、そのほとんどは記憶に残っておらず、一番最後に見た「鉄道員(ぽっぽや)」は新聞販売所に映画観賞券をもらってまったく期待せずに出かけたはずだ。
高倉健がかっこいいと思った。
それ以外は全く記憶に残っていない。

チャン・イーモウ監督の「単騎、千里を走る。」を見た。
最初、こりゃだめかもしれんな、とがっかりしかけるがどんどん引き込まれる。
当たり前のことだが中国は日本でもアメリカでもないんだということを実感した。物語の作りがぜんぜんちがう。
これまで見た映画のなかではアッバス・キアロスタミ監督(イラン)の「桜桃の味」や「友だちのうちはどこ?」に雰囲気が似ている。
しかしキアロスタミ映画では理不尽に思えた子供への厳しさだったが、中国の子供への厳しさは理解しやすい。
司馬遼太郎の講演の本では中国の儒教のことがよく出てくるのだが、儒教のいやな面もチャン・イーモウには冷静に見れているのだなと思った。
涙を思いっきり見せることや、排泄行為を見せること(注・こどもです)、その臭さを共有すること、などが人間と人間の距離が縮まるためには有効なんだな。
そんなことはもう、ラテンアメリカ文学にしか存在しないのかと思っていたが中国映画にも存在していた。
すごい映画だと思う。

それとやっぱり高倉健はすごい。
ひとりでも中国のパワーに決して負けてない。きちんと高倉健をやっていた。

コメント    この記事についてブログを書く
« ☆海音寺潮五郎「悪人列伝 古... | トップ | ☆チャン・イーモウ監督「HERO... »

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事