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清水真木『ニーチェ入門』

2018年03月05日 23時44分11秒 | 文学
清水真木『ニーチェ入門』(ちくま学芸文庫)を読んだ。
健康な時は運動などをして肉体を傷つけることが出来て、病気の時は肉体を傷つけないようにする。
永劫回帰(「等しきものの永劫回帰」)というのは、同じことが繰り返されるというペシミスティックな思想に耐えることが出来るかどうかを試すためのもので、それに耐えられる人はものすごく健康な「超人」であるということになる。
というような話が、とても言っていることが独特でこれまで読んだことのない話だった。
とてもおもしろくて、一気に読むことが出来た。

もっともおもしろかったのは「プロローグ」で、ニーチェの言っていることが何の役に立つのかよくわからないという感じを素直に書いていた。
僕も同じように思うので、ニーチェの思想を理解できることを期待したのだが、この本を読んでもそんなに「分かった」という気にはなれなかった。
ニーチェの思想は、テレビや本など公の場で言ってはいけないような話が含まれているので、実は本を読んでも理解できないのではないかという気もする。ほんとうは信頼できる先生と一対一くらいの関係で、静かな場所で、決して怒られないという安心感のなかで勉強するものなのではないかと思う。
こんなことを有名な哲学者が言うはずがないというような思い込みを捨てなければニーチェは理解できないのだと思う。

ニーチェの妹エリーザベトは、印象に残る。
宮沢賢治の弟の宮沢清六のことを思い出した。
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