宮本輝『錦繍』(新潮文庫)読了。
期待して読んだがモーツァルトについてもあまり登場せず期待はずれ。
「モーツァルト」という名前のモーツァルトの曲しか流さない喫茶店が登場し、火事で燃え、そのあと再建するのだが、肝心のモーツァルトについてはいまひとつ語られない。生きていることと、死んでいることとは、もしかしたら同じことかもしれない、というのがモーツァルトを聴いて登場人物の一人が感じること(そしてこの小説でもっとも重要な台詞となる)なのだが、どこか『ノルウェイの森』で聞いたような、あまり印象に残らない言葉だった。書かれた時代に読んでいればもっと印象も違うのかもしれない。
松本清張や遠藤周作などを読んでも感じる、古臭さと、決して自分にとってなにか重要なことは言われないだろうという安心感があった。
地の文が標準語で会話文が関西弁というのも、なんだかあわなかった。関西弁である必要はあるんだろうか。普段は標準語なのに、何かの機会に親近感を出すために急に関西弁になる女優、みたいな感じがした。
期待して読んだがモーツァルトについてもあまり登場せず期待はずれ。
「モーツァルト」という名前のモーツァルトの曲しか流さない喫茶店が登場し、火事で燃え、そのあと再建するのだが、肝心のモーツァルトについてはいまひとつ語られない。生きていることと、死んでいることとは、もしかしたら同じことかもしれない、というのがモーツァルトを聴いて登場人物の一人が感じること(そしてこの小説でもっとも重要な台詞となる)なのだが、どこか『ノルウェイの森』で聞いたような、あまり印象に残らない言葉だった。書かれた時代に読んでいればもっと印象も違うのかもしれない。
松本清張や遠藤周作などを読んでも感じる、古臭さと、決して自分にとってなにか重要なことは言われないだろうという安心感があった。
地の文が標準語で会話文が関西弁というのも、なんだかあわなかった。関西弁である必要はあるんだろうか。普段は標準語なのに、何かの機会に親近感を出すために急に関西弁になる女優、みたいな感じがした。