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藤沢周平『秘太刀馬の骨』

2011年09月19日 14時39分48秒 | 文学
藤沢周平の『秘太刀馬の骨』(文春文庫)を読んだ。
たぶん、雑誌の連載だったのだろうが、連作短編の形式で、
「お前が馬の骨を伝授されたのか?」
「いや違う」
「じゃあ試合をして試させてもらう」
「いやだ」
「お前の秘密をばらされてもいいのか」
「では勝負だ」
という会話が毎回かわされる。
なんで木刀で闘うことで馬の骨を伝授された人間かどうか判断できると思うのかがわからない。
よく考えたらバカバカしい話なのだけれどとても愉しめた。
しかし、推理小説が苦手でいつもそうなのだが、最後の最後で謎が解かれ始めるととたんに興味がなくなって、どうでもよくなってしまった。
「馬の骨」がどういう動きをする、どういう技なのか、結局よくはわからない。それはまあどうでもよいことなのだろう。

同じような話なのに飽きさせないのは、省略する部分と描く部分が毎回変わるからだろう。藤沢周平の描写の省略の仕方は特徴があると思った。似たような書き方を読んだことがない。
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