将棋大会出場など

2005-08-18 21:43:10 | しょうぎ
81074800.jpg横浜から2時間かけて、千葉県船橋市で行われた「所司七段昇段記念大会」に出場。私の師匠で、まだ43歳なのに、将棋界ではベテラン扱いになってしまう。実力だけの世界なので、なかなか大変だ。最近は有望な弟子の養成に力を入れ、20歳の渡辺明新竜王を輩出。新竜王は大会のゲストにも来ていた。そういう、師匠・弟子関係というのも、親子の関係のようにうまくいく時もあれば、仲たがいすることもある。最近は、この世界でも、理事選挙とか派閥抗争が過激になりつつあり、棋士も将棋の研究ばかりしているわけにはいかない。

さて、わざわざ、出かけて、戦績はといえば、2勝2敗。2敗失格なので、なんとか第4戦まで持ちこたえた、というべきか。収穫は扇子1本。

言い訳ではないが、なにしろ、この大会には、プロの卵である奨励会の受験生が練習代わりに大量に出場する。そして、そういう強い小学生と対戦するのはなかなかしんどい。明らかにマナーが存在しない。例えば、序盤で有利になるともう勝ったような態度を示され、すぐによそみを始める(携帯でメールされたことはたぶんないが)。実際は、私は終盤派なので、最後で逆転して勝つことが多い。「必殺こども殺し」だ。だいたい、同じAクラスに出場しているのだから、同じような実力なのだ。序盤が弱いということは終盤が強いということを意味することが解っていないわけだ。

とは言え、最近はなかなか、調子も上がらず、大会にそなえるため、前日、ネット将棋で練習する。7連勝。さらに、詰将棋のバイブル「月刊詰将棋パラダイス」を行きの電車の中で解く(実際はほとんど解けない)。さらに強迫観念にかられ、アミノ酸サブリメントを1本飲んだ上、効果が持続するように、少しずつ補給を続ける。さらに酸化チタンネックレス(ファイテン)を二本巻きにする。そこまでだ。禁止薬物はやらない。

しかし、将棋は疲れる。4局目はもうヘロヘロといったところ。たまに、頭脳を使うとこれだ・・続けて二日後には、国際将棋大会が開かれるのだが、これは欠席にしよう。チェスや中国将棋(シャンチー)、韓国将棋(チャンギ)、タイ将棋(マックルック)の大会なのだが、これらの総てを指せる人間は少ないので、行くと結構重宝なサンドバッグになるのだが、こちらは本当に脳の芯まで疲れてしまう。ほとんどの参加者は単一競技に出場するのだが、私だけがマルチプレーヤーになるのだが、一局ずつルールが異なるものを真剣に読むというのは脳への負担が高い。(パソコンのマルチウィンドウのようにはいかない)

将棋の話ついでに、現在進行形で行われている「瀬川晶司氏のプロ入り6番勝負」の第二局が終了。対プロ6番勝負は1勝1敗になった。が、この企画はどうしても納得がいかない。プロ入りを認めた本音は、プロがボロボロ負けて(瀬川氏の19勝7敗)格好悪いから、アマではなくプロにしてしまえ、というのなのだからプロにならなければ困るのだ。それに6番勝負というのも聞いたことがない。勝負は5とか7とか奇数のはずだ。3勝で合格というのは、確率的に勝率50%と仮定すると、65.6%になる(と計算してみた)。むしろ、毎年、奨励会経由の4名枠の他、オープン参加の大会でプロ枠1名とか作ったほうがいいのだと思う(いずれにしてもプロ入りの枠としては極めて少ない数だ)。

そして、この瀬川氏だが、現在35歳。羽生氏や森内名人と同世代なのだ。26歳の時に、奨励会の年齢制限で退会。現在、NEC(か、その出資会社かは曖昧)に勤務しているが、なぜプロを目指し始めたのかはよくわからないが、人生、おカネより重要なものがあるのも事実だからだろう。プロにならない方が生涯賃金は高いだろうと思うのだが。もしかして、NECの有利子負債が1兆円もあることに気づいたのが、脱出の動機ではないとは思うが。

そして、この6番勝負、毎月1局のペースで長々と続くことになる。11月末までなのだが、ネット配信されている。なにしろ、会社を辞めるNECのbiglobeが中継するわけだ。何か変ではあるが、すべての関係者が合理的と考えた結果なのだろう。新理事長の米長氏はネット好きで、Yahoo!将棋に谷川元名人を登場させたのに続き、米長-堀江会談でLivedoorにもプロ棋士を登場させることになったそうだ。

そのあたりはLivedoor社長日記8月1日号に記載されているが、その中で将棋の「定跡」のことを「定石」と書いてあった。「定石」では囲碁になってしまうのだが、ということは、彼は定跡書を読んだことがないということなのだろう、と推理できる。定跡書を読んだことがない人間が初段以上になることは考えられないから、彼はたぶん初心者なのだろうと次の見当がつくのである。そして、今、思うとフジテレビTOB事件の途中で、「詰んでいる王様を穴熊に囲っている」との発言の真意をめぐって、専門棋士が解説したりしたのは、まったく見当違いだったのだろうとも推測できるし、そうなると、彼のその他の発言も同様のレベルではないのだろうかとの疑いが頭の中を一瞬よぎるが、すぐ忘れることにする。


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