将棋職団戦&詰将棋

2006-09-04 00:00:51 | しょうぎ
アマチュア将棋界の団体戦で、最も権威ある(はずの)職団戦に出場。東京体育館というバレーボールの聖地を汚す。正式には職域団体対抗将棋大会。後援は朝日新聞。職域団体と称するため、フリーターは参加できない。もちろん個人事業者もダメ。1チーム5名必要。参加費は1チーム28,600円(一人当たり5,720円)と高い。昼食弁当納入とか参加賞納品とか指導将棋という別名で登場する退役棋士への扶持など、利害関係者がくっついているので単価ダウンが困難になっている。企業丸抱えチームでないと、個人負担額が大きく、参加チームが徐々に減っていくという悪循環が続いている。まあ、よくある話だ。

参加チーム数確保のため、OB社員でも参加OKということになったのだが、OB社員の定義があいまいなので、最近、参加資格問題でもめたというような話を聞く。何年以上とか何日以上務めると、OBということができるのか、とか曖昧模糊。

と、いうことで、某企業のOB社員ということで出場。要するにスーパーサブになっていて、出たり出なかったりだ。クラスは強いほうから、S、A、B、C、D、E、Fの7クラスで、今回は「Cクラス」。このチームのAクラスで指していたのだが、私が会社を辞めた後、チームは「C」まで落ちてしまい、ちょっと微妙な空気だ。

そして、早朝、指定の時間に会場に行くと、幹事さんから、「おおたさん、おはようごさいます。きょうは4人です」。

いきなり味方からパンチを食らう。要するに、1チーム5人ずつ対戦して、3勝した方がトーナメントで勝ち抜き、6か7つか連勝すると優勝する。反対に2連敗した上、チームの勝数が少ないと、Dクラスに陥落する。一人休むということは、指す前に1敗している、ということ。4人で3勝1敗が必要になる。まあ、個人的には、勝つために指すというしかないので気にしない。ついでに、会費が一人分足りなくなるのは、どうするのだろうかと頭の中に戦闘機がかすめて行くが1秒後には忘れてしまう。すべて、余計なことを忘れることにする。何しろ、いつも早朝は調子がでないで、うっかり負けそうになる。さらに、きのうは150キロほど遠い場所でゴルフ。まだホールインワンの興奮が残っている(と、いうのは部分的にウソがある)。

7c55cb6e.jpgそして、第1戦の相手は、五輪候補地の職員の方のチーム。民間会社のチームが減っていくのでマル公チームの比率は増加している。五輪候補地では職員の互助会が3分裂しているのだが、そのうち一つ。

「オリンピックで残業続きになって、将棋どころではなくなりますねえ。」と盤外のジャブを出してみる。相手の性格を判断するのは重要な作戦の一つだ。もちろん逆上され、無敵の力を引き出してしまったこともあるからリスキーな作戦だ。

「おたくの株価も、最近沈滞気味ですね。」反撃が始まった。まあイライラさせた程度でやめておく。株価については同感だ。損益に関係ないが。

7c55cb6e.jpg実は、第一戦は楽勝ムードだったが、途中で失敗。銀は取ったが、桂と香の二枚を取られ、馬を引き付けられ、このまま行くと飛車も突入される。唯一の楽しみは5三金と4四馬の関係を突くことだが、とりあえず▲3三歩と揺さぶりをかけてみる。かまわず△2六歩、▲3二歩成、△2五飛。後手は慎重に指しているが、乱暴狼藉の一手が出る。▲3四飛!。以下、必死に守る相手に連続パンチを食らわせて戦意を奪ってしまう。以下16手で1勝。

しかし、見回すとチームは2勝しかできず、1回戦敗退。降級チーム決定戦に回る。一人少ないとはこういうことだ。仕事をしない総理大臣のいる国みたいだ。

7c55cb6e.jpg第2戦は民間企業と対戦。リストラ型再生で有名。最近読んだ「真剣士・小池重明」のように、盤の中央に銀や桂を繰り出し、まず圧迫してから、一転、駒得を始める。すると、相手が大反撃をして、こちらの王様を追い詰める。後手が△5九飛成と金を駒台に乗せたところでは、必勝と思っていただろうが、「第一回詰将棋解答選手権13位の実力」を甘く見ていた。秒読みが続いている中で、少し前からこの局面をイメージしていて、ギャラリーがうっすらと取り巻くのを待っていたのだが、・・

7c55cb6e.jpg▲5三角成!、△同金(△同銀は▲3一銀、△同金、▲3三銀)、▲同桂成、△同銀(△同玉は▲6一龍以下)、▲3一銀、△同金、▲3三銀、△5二玉、▲5一金、△6二玉、▲6一龍まで11手詰。一応、焦点への大駒捨・銀捨て・変化手順に新感覚詰(6一龍)・最後は底金送りと多彩な組み合わせである。駒余りと一部に手順前後はあるが実戦ではしかたない。

ところが、周りのギャラリーを見回すと表情が暗い。どうも私以外、全敗したようだ。団体戦とはこういうことだ。まともな首相候補がいない国はこうなる。


まあ、しょうがないし、昼から「ヤケ酒を飲む気にもなれない」し、「将棋道場に行く気にもならない」し、さらに「酒を飲みながら将棋を指す気にもなれない」のでトボトボ帰る。



7c55cb6e.jpgところで、詰将棋パラダイス誌に弊作が掲載されたので、紹介しておく。いつものように変な問題だ。解答はパラ誌解答締切後(約1ヶ月後)。ヒント1は、「一手詰ではない」。ヒント2は、「最後の手にも注意」。いつものように最後の1手と手数をコメントの方に(私からはコメント自粛)。

7c55cb6e.jpgそしてそれだけでは、1ヶ月間、ブログ詰将棋がお休みになってしまうので、簡単な詰将棋を出題。「詰め将棋」ではなく「詰み将棋」風の易しさだが、これを改造していくつかの問題を作ってみようという布石の1問。


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1 コメント

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Unknown (桂花)
2006-12-04 14:10:58
短大担当の石黒です。
本作への解答者短評一覧をお届けしたいのですが、メールアドレスを教えていただけないでしょうか?
私のアドレスは詰パラHPにありますので、そちらへお願いいたします。
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