おかえり、『はやぶさ』をオアゾで拝見

2010-08-20 00:00:09 | 市民A
『はやぶさ』が各地で公開されることになり、夏休みの東京駅のそばにあるオアゾの一階で約1週間、展示される。事前情報だと、朝7時から一人一枚の整理券を配り、その整理券に書かれている時間に再度出直さないと展示会場に入れないことになっていた。

とても、そんなシステムには付き合えないなあ、と思っていたが、どうもそれほどではないようだという情報もあり、お昼前に行くと・・



待ち時間はゼロ分だった。インスツルメントモジュールと電子制御の基盤が公開されていた。インスツルメントモジュールの中には、イトカワの地面の一部の砂ぼこりを運んできたカプセルが組み込まれているのだが、カプセルの部分の金属のケースだけが黒ずんでいるので(会場内は撮影禁止になので、以前、公開された画像で言うと、中央の球型の頭が見えている部分)、JAXAの解説の方に聞きたかったのだが、解説員の方は変な男につかまっていて、新プロジェクトの『あかつき』が金星の気象観測を行うことについて、「何の役に立つんだ、無駄だ」とか訳のわからない因縁に対応中だったので、質問の機会を逃してしまった。まったく蓮舫議員の夫かなにかなのだろうか。

ところで、この展示会場はオアゾ一階のOO広場なのだが、このすぐ上の中二階にあるのが、JAXAの展示場。例の蓮舫議員から、「無駄!」と決めつけられて、もうすぐ廃止になるらしい。



しかし、実物を見ると、結構展示品はプアに見えなくもない。使用済みの実験用ロケットと宇宙服は本物だが、あとはパネルのような解説と宇宙食の販売。このビルの中ではいかにも見劣りする。だいいち、中二階である。

ムダと判断されたのが、「展示がプア過ぎる」のか「高額過ぎる」のか「宇宙事業そのものがムダ」と判断されたのかちょっとわからないが、確かに家賃をボラれているとか、企画力がないのか、そういうものと合わせての複合的な失敗なのか、なんとも言えない。

ただ、今回の成功についても、日本の得意技術である『素材力』『総合企画力』といったことが底辺にあるから、少ないおカネでわずか10センチほどのカプセルに砂ぼこりを回収できたりできるわけだ。

「一番じゃなきゃダメなのか」というのは、発言した本人の意図とは離れ、日本人一人一人に価値観の選択を迫っているコトバとなったのだが、一番じゃなくてもいいのだけど、3番が2番に格上げになるのはいいとしても、2番が3番や5番になるのはまずい、ということなのではないだろうか。

本来、国の科学力というのは、広い意味での『教育』に依るのだろうが、いわゆるボトムアップ型とトップランナー型があるのだろう。俗な言葉でいえば、秀才と天才の組み合わせ。

ところが、今や、長年にわたる「ゆとり教育」により、生徒も先生も学業に身が入らず、このボトムアップ型に期待することが困難になっている。それなら、トップランナー型のプロジェクトで天才を磨いた方がいいのではないか、ということも言えるのだろう。

もっとも突き詰めれば、乏しい予算を「高齢者の生活費」に回すのか「若者の教育」に回すのかというような究極の二択に帰結するのかもしれない。困ったことに、当たり前の結論にならないのは、高齢者の方が人口が多いから。選挙では「目先の福祉」が最大の争点となったりする。今後、年金制度に税金をつぎ込むような設計に変わった場合、税金による上乗せ部分を手にする代償として、選挙権を取り上げるといった荒っぽい政策が必要なのかもしれない。

ロケット代費用のほんの一部の肩代わりとして、宇宙食を少し買い集めてみた。数十年後に、巨大隕石が地球に激突しそうな場合、宇宙に逃げ出す時のための非常食として保管するつもりだ。




『いちごアイス』と『チョコレートケーキ』と『大学いも』の三種。たぶん、『大学いも』は、そのまんまと思う。甘さを抑えた『芋けんぴ』の方が宇宙空間でのダイエットにはいいかもしれない。