東京ブックフェアで見つけた「あるカード」

2010-07-12 00:00:36 | 市民A
週末の日曜に、有明のビッグサイトで開かれた国際ブックフェアに、恒例ながら顔を出す。実は、いつも「デジタル・パブリッシング」と並列開催になっているので、iPADを初めとするデジタルブックの情報を集めてこようと、事前勉強をしていた。

ところが、・・

今年に限り、デジタル・パブリッシングは土曜で閉幕。(事前に再確認しておけばわかるのだが、それをしないのは、人類の弱点の一つである)

事前勉強は、そのうち活用するしかないが、そのために期日前投票をするとか、色々とやっていたのは、何だったの・・とか。

で、ギリシア神話関係の本を探していたが、見当たらなかった。宗教関係の本は多いのだが、ギリシア神話は日本人には、かなり遠い世界なのだろうか。欧米の劇作には、ギリシア悲劇や喜劇を下敷きにしたものも多いはずなので、脚本を書く人なんかはシェークスピアだけじゃなく、古代ギリシアも調べるべきだろう。



購入したのは。三点だけ。

 ニッポン鉄道遺産(斉木実・米屋浩二)
 東京下町 浅草 とっておき (東京生活編集部)
 駅弁革命(小林祐一・小林裕子)

「駅弁革命」にちょっとした期待。「東京の駅弁」にかけた料理人・横山勉の挑戦、というのが副題だ。


ここからが、メインテーマ。

会場の中に、二つの「カルタ屋さん」が出展していた。

一つは、「奥野カルタ店」。知る人ぞ知る老舗で、確か東京の九段の方にある。そして二つ目が京都の「大石天狗堂」。これに任天堂を加えると三本柱になるが、任天堂はまったく異なる宇宙の果てに行ってしまった。



この大石天狗堂のブースには、普通のかるた(例えばイロハかるた)の他に、「花かるた」というカードが各種展示販売されていた。中には桐箱入りまである。

でも、「花かるた」というのは、実は、花札のことである。

朝青龍の引退で、自動的に大横綱になった白鵬関も、このカードが大好きということだが、要するにこのカードの目的は、ほとんどが「賭博行為」だろう。こんなところで市民権を主張してもいいのだろうか。と、ちょっと思う。

それに桐箱入りの高級品ともなれば、まさに高額をこの札に賭けるというような気合が篭もるのだろう。

そして、展示品の中の最高価格品は、かなり大ぶりの花札であった。その商品名は、なんと、・・・

「総理花かるた」。



総理といっても色々あるんじゃないかと思われるだろうが、まさに、このネーミングは「総理大臣ご愛用」に由来している。

それも、日本の初代総理大臣の伊藤博文である。

元々、女好きで料亭好きで、愛人や愛妾を多数抱えていた遊び好きの伊藤博文が花札に何を賭けていたか、大方推測できるのだが、あまり若くして総理大臣になると、碌なものじゃないと、後人が思ったのかどうか、伊藤の総理就任時の年齢44歳は、それ以後60人の誰よりも若いし、今後、彼より若く総理大臣になれる人物が現れるか、かなり疑問だ。蓮舫女子が現在42才。小泉進次郎氏が29歳。

伊藤博文と同様の悪趣味好みが、日本版高島易断の始祖である高島嘉右衛門で、重要な国事を決定する際に、伊藤はよく高島に易を立ててもらっていたそうだ。


ところで、最高級の花札といっても、「総理花かるた・桐箱入り」は、税込で7,350円である。コストパフォーマンスを無視すれば、これくらいの金額が払えないわけではないのだが、私は伊藤とは異なり、賭けるべき愛妾もなければ、財宝も持っていない。それに、ルールもほとんど忘れてしまったのであるから、やはり相撲界の方々に任せるしかないのだろう。