ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

イグニッションモジュール③

2006年10月30日 | 点火系

人気blogランキングへ 今日も気持ち良い秋晴れです。

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ワタシが検証できるサンプルは、今の所この1台だけですが、コメントでは北海道から同じ症状のご報告をいただきました。

お気の毒な883ユーザーのこういった困った状況を打破するのには、多くの例をお寄せ頂く必要があります。ご自分のだけでなく知っていらっしゃったら是非情報をお寄せください。

外気温20℃でオーバーヒート? 

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思い当たる節があり、タンク内の油温を測ってみました。

外気温約20℃でオイルは約98℃、油温はエンジン内でも測る場所によっては異なり、タンクでの温度は条件によってはエンジン内より10~20℃低いと考えなくてはなりません。

つまり、この涼しい季節にオーバーヒートです。普通では有り得ません。

これでは30℃の環境ではとてもツーリングに行けません。20km走るごとに冷やすのですか?いや、20℃でも同じですね。

ツーリングは真冬まで待たなくてはなりません。

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イグニッションモジュールはシートを外すとスグ見えます。

赤矢印はコネクターでトテモ固く嵌っています。黄矢印は固定しているスクリューです。

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いよいよIGモジュールを社外品に交換して、排気ガスのCO濃度を測ってみると、ナント写真の如く6.8%!

モジュールがストックの時に確認したときは3%前後でしたから、これは全く予想外です。

IGタイミングが排ガス濃度に影響するのは承知していましたけれど、どちらかというとHCに影響が大きいと思っていましたので、これ程とは驚きました。

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CO濃度は保安基準では4.5%以下となっていますので、写真のくらいの濃度に調整しておきました。

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その状態で走行を重ね、オイルの温度を測ってみるとナント10℃も違います

そして、あの不具合の症状は全く出なくなりました

その後2回ほど、モジュールをストックに戻したり、社外品にしたりで同じ走行パターンでテストを繰り返し検証したところ、

  • 純正モジュールでは油温が100℃弱になり、その温度に到達すると必ず不具合症状は発生。
  • 社外モジュールに交換すると、その時点で不具合症状は解消して、油温も90℃弱に安定する。
  • パワー感は双方でも明確な違いはない。
  • 社外モジュールでは進角特性も変更できるが、(ストックエンジンでは?)変更してもサホドの違いはない。

*ワタシの入手できる情報は限られており、検証といっても大したことが出来るわけでないので、本当の原因は推測するしかありませんけれど、次回はもっと深くまで抉ってみましょう。乞うご期待!

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イグニッションモジュール

2006年10月27日 | 点火系

人気blogランキングへ 夕べから降り続いた雨は止みましたが、寒いですね。

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最新モデルに興味があまりなく、このブログにも登場しないのは、2年前にハーレーダビッドソン正規販売網のLTRショップを脱退(クビかなあ?)したからなのか、自分自身でも良く分かりませんが、(ア、TC96とXR1200にはチョビット個人的に興味はあります。)お客さんから相談があってはソウも言っていられません。

写真はアメリカ製の社外イグニッションモジュールです。旧知の某ショップが力を入れて各方面に追求していますので、ビジネス的に考えると独自に追求すると面白そうですが、手っ取り早くその某ショップから購入いたしました。

調子が悪いのは?

弊社において新車は’04モデルまで販売していましたが、モデル毎なのか車両毎なのか未だ持って不明ですけれど、アイドリングが低くなるとエンストしやすい性癖があり、酷いものになると角を曲がる時にエンストしてしまい、転倒につながることもありましたが、その当時はマップデータを更新してあげると改善いたしました。

マップデータの書き換えにはデジタルテクニシャンというソフトウエアが必要で、ハーレーダビッドソンの正規販売網には必ず備えてありますが、弊社にはソフトをインストール済みのノートパソコンもありますけれど、リンクを断たれて無用の長物と化しています。百数十万円の無駄な出費でした。

話を元に戻すと相談された車両は'06モデルであり、購入したディラーではサジを投げられ、困り果てた様子でした。なんでも20kmくらい走行するとエンストしやすく、ときには再始動が困難になるということです。

複雑な事情

あまり最新モデルの悪口を申すと、立場上穿ったことを勘ぐられるので、あえてこのブログにも書きませんでしたが、よく考えてみると複雑な事情です。

つまり、現在のハーレーダビッドソンの新車登録は手続き上は平行輸入と同じもので、10台に1台の割合でそのモデル毎に排ガス試験を行わなくてはなりません。

逆輸入ではない国産車では形式指定といって、排ガス規制と騒音規制も少し厳しい平均値の数値をクリアして、メーカーの完成検査の書類により検査無しで登録ができます。

平行輸入は政府も奨励しているだけあって、現車確認の必要がありますが、規制値も緩やかになっています。形式指定車なら証明されてるデータを更新しても問題はないかと思います。

つまり、排ガス規制をクリアするためのマップデータで排ガス試験をクリアして、試験機関の証明により登録するわけですから、そのマップデータが走行に適してないからといって排ガス試験後に書き換えてしまうと、”偽装”ということになってしまいます。偽装を回避するには、データを更新した際に排ガス試験をもう一度やる必要があるのではないでしょうか?

「そうじゃない。走行に適さないのではなく、調子が悪いのだよ」と主張しても同じことです。

アチコチの偽装は社会問題にも発展したのはご存知の通りですが、社会に露呈するとコテンパンにやられてしまいます。

未確認でありますが、マップデータが現在は書き換えられないのが事実であるとすると、こうした背景が考えられます。

つまり、メーカー系販売店で如何様にもできないのが、サジを投げられた原因でしょうか?

それでは、大枚を叩いて購入したハーレーダビッドソンが調子が悪く、ロクに楽しめないのはどうしたら良いでしょうか?

排ガス関係の現在の継続車検でのチェックでは、触媒の確認とアイドリングでの一酸化炭素と炭化水素の濃度です。濃度は一酸化炭素(CO)が4.5%と炭化水素(HC)が2000ppmとなっています。

つまり、モード試験の排ガス試験は多大な費用と時間が掛かりますから、継続車検では不可能だということです。

ここにグレーゾーンが存在してしまい、アイドリングでの規制値をクリアすれば、モード試験でしか判明しないマップデータは追求できないことになります。

しかし、以上の状況を鑑みても現状の走行性能に欠陥があるのを、永久に我慢しなくてはならないのでしょうか?

不正改造防止法が施行されてから2年半が経ち、サスガにメーカーのアクセサリーカタログに記載されている公道走行に適さないマフラーには、その旨が明記されるようになり、触媒取り外しと言う行為はダイブすくなくなったようですが、国土交通省は更に締め付けを厳しくするようなのはプレスリリースを以前にも紹介した通りです。

空冷エンジンが生き残れそうだというのは朗報でありましたけれど、その代償に何かを失ってしまうのは現在のところ致し方ないことですが、幸いIGタイミングマップデータは前述のようにグレーゾーンですから、地球環境保護の観点ではNGでありますけれど、法的には問題ないと考えると、メーカー系列ではできないデータの書き換えを個人レベルで行うしかないのでしょう。

近々にこのモジュールを装着して走行テストを行う予定ですので、気になる方はお楽しみに!

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プラグコードにご用心

2006年08月23日 | 点火系

人気blogランキングへ  お陰さまで一安心。引き続き宜しくお願いします。

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エンジンの調子が悪いのでアチコチ点検をしていたら、プラグコードの端子が・・・・。

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クローズアップすると、端子はスッカリ腐食してコードと固定する部分は無くなっていました。これでは点火がウマクいかず調子が悪いはずです。

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バイクはハーレーではなくニンジャでした。

これはFフォークが太くなった’90年のA7ですから、車齢は実に16年。古いハーレーから見たら大したことはありませんけど。

カウルは15年ほど前に制作したモトスポーツオリジナル。ノーマルカウルの先っぽを尖らせただけなのに、自賛するわけではありませんが、今見てもカッコいい。結構たくさん売れました。

この写真では分かりずらいですけど、ラウンドラジエターをこの手のバイクにつけたのは最初でした。150馬力級でもオーバーヒート知らずでカッコウも良く、10万円くらいと高価でしたが、某パーツメーカーにパクられるまでコレも結構たくさん売れましたね。

この車両はドラッグレース、ロードレースにプロモーションと大活躍して、現在は大切にしてくれるオーナーの元にあります。

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コイルの端子もご覧のように・・・・。

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コイルはこのようにタンクの下にあるので、そう何時も走るたびに手入れをするわけには参りませんが、車齢を重ねてくると特にゴム類のシール性が悪くなるので、雨中走行の後などはメンテしないと今回のようなトラブルの発生が考えられます。年に一度の浸透潤滑剤のスプレーでも防止できるでしょう。

4気筒のバイクでたまに見受けられるトラブルは、自分でプラグ交換などしてエンジンの調子が極端に悪くなる例で、プラグキャップの差し違えがありますね。

写真に見えるコイルに2・3と書いてありますが、ほとんどの4気筒エンジンでは1・4と2・3が同じ位相で上死点・下死点になりますから、間違えないように気をつけて下さい。

今回のトラブルの原因を考えると、コイルがタンクの下にあり雨が直接かかる心配がなく、それだけに油断してメンテを怠り、普段ボディカバーを被ったままでいるため長年の湿気による腐食だったのでしょう。

プラグの2次電流は電圧が高く電流が少ないため、多少の抵抗では影響を受けないので、端子が外れてしまうほど腐食が進むまで症状が出なかったのでしょう。

ココでの教訓は、長く乗っていて調子が悪くなくても、見えないところで接点の腐食や酸化が進んでいることが充分考えられますから、コネクターの端子なども点検しておくと思わぬトラブルも回避できるのではないでしょうか。

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ポイント点火

2006年01月16日 | 点火系

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ポイント点火の回路を図にしてみました。

原理をおさらいすると、ポイントが閉じていると電気はコイルの1次線(ピンク)を通ってアースされています。
ポイントが開いた瞬間に逆起電力が働き、1次線に数百ボルトの電流が発生します。
発生した1次電圧を巻線比に従った2次電圧(15000ボルトくらい)の電流がハイテンションコードに導かれてプラグに火を飛ばします。
こうして考えてみると、2次電流は1次電流に影響を受け、1次電流はポイントを通過するので接点の状態に影響を受ける事が分ります。
カムはエンジン回転数の半分のスピードですが、カム山は2つありますのでクランク1回転に1回作動します。

今まで快調に動いていたハーレーが突然不調になったり始動しなくなったりすると、パニックに襲われ、どうしたら分らなくなったりするものですが、構造を良く憶えれば対処方法も出てくるかもしれません。
このように簡単ですから、大きく分けると・・・・・。

①バッテリーから電気がきているか。
意外と見落とすのがこのパターンです。
プラグを外して、空キックで火を飛ばしてOKだと思うと、そうでもなかったりしますね。
テストで大気圧で火が飛ぶといっても実際の燃焼室の中は8kg/c㎡という高圧ですから、火が弱くなってしまいます。
赤い火ではなく、青白い火が望ましいのです。
バッテリーが弱っていてもコイルの発生する高圧電流は弱くなってしまいます。

②ポイント、コンデンサーの不良。
ポイント面が焼損したり、ギャップが適切でないとコイルの発生電圧に影響します。
コンデンサーはポイントの断続時の火花を吸収して、ポイントの焼損を防ぎ、火花によるコイルに発生する逆起電力の低下を防ぎます。

③コイルとポイントの間のリード線
ハーレーではこのリード線がマフラーの付近を通りますので、注意する必要があります。

④コイルの不良
コイルに不良にも、内部の断線と高圧回路のリークが考えられます。

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10月23日投稿の記事にポイントの調整を掲載してありますが、分かりにくいところを補足いたします。
写真はポイントカムです。一見山が4つあるように見えますが、矢印の示すのがカム山です
幅が広いところと、その反対側の尖った山ですね。ポイントギャップを調整するには1番広がったところですから、幅が広い山にポイントヒール(カムと接している部分)が乗ったときに調整するほうが間違いありません。

*何故、山の形状が違うのか?
尖った山がフロントシリンダー側であると書きましたが、ハーレーは45度ずれた不等間隔に燃焼行程がある2気筒ですので、ポイントを開くタイミングも当然不等間隔です。
カム山が2つとも同じ形状であると、ポイントが閉じている時間が異なってしまいますので、これを同一にするためにカムの形状が異なっています。
それでは何故ポイントが閉じている時間を同一にする必要があるかというと・・・・。
アイドリングではたいした問題ではありませんが、例えば5000rpmでは1秒間に83回転もします。
逆にいうと1回転の所要時間は12/1000秒という短い時間で、ポイントが閉じている時間は更にその3分の2くらいの短い時間になってしまいます。
電気の流れる速度は光と同じですけれど、コイルの1次線に電気を充分に蓄えるのには(短いのですけれど)時間が掛かってしまうのです。前述のようにプラグに飛ぶスパークの大きさは1次電流に影響を受けるので、2つのプラグに飛ぶスパークの大きさを揃えるために、1次電流を流す時間を同一にする必要があるということです。
余談
ポイントが閉じているカムの角度をドエル角と言います。

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ポイントを固定しているのは1本のネジですが、ご覧のように長穴になっていてギャップ調整できるようになっています。

交換作業自体は2本のネジでポイントとコンデンサーを取り替えるだけですから簡単です。
ギャップが変化するとタイミングも変化してしまいますので、まずギャップを調整してから、タイミングの調整に取り掛からなければなりません。
接点面に油分がついていると、1次電流が流れにくかったり、焼損することもありますので、充分に脱脂する必要があります。

ついでにコイルの抵抗値の基準値です。
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2次線は写真のように11kΩ前後です。

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1次線はポイント式の場合は5Ω前後、トランジスター式は3オームが一般的です。

コイルの故障は抵抗値が基準値であっても高圧電流がリークしていることもあるので、正常であるとは判断できない場合がありますから、実際にエンジンを運転して判断しなければならない事があります。

ユーザー自身のメンテナンスは時には多大な困難を伴いますが、それだけに、快調になったときの達成感は大きいと思います。このブログがどれだけ参考になるか分りませんが、「手取り足取り」より基本的な事を知っておいたほうが「後々イイのじゃないかな?」という思いであります。


ポイントの取り付け、調整

2005年10月23日 | 点火系
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写真は’78’79年モデルのユニットです。
エンジンが低回転でどうも安定しないので、ポイント点火に取り替えてしまいます。
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ご覧のように、最初のトランジスタ点火は遠心ガバナーを使っていますね。
ガバナー自体はポイントのと同じものですが、カムの替りにトリガーローターが付いていますから、このままでは使えませんのでガバナーもユニットで交換します。
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ガバナーも外すと、オイルがたまっています。
ポイント式では特にオイル漏れは厳禁です。ポイントの面にオイルが付着すると機能停止になってしまいます。
新しいデジカメを使い慣れていないので写真が悪く見づらくてゴメンなさい。

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ポイント点火にする場合はコイルを5Ωのものに交換します。
純正のコイルカバーは非常にはずしにくいので、ワタシはブラケットごと外してしまいます。


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取り外したオイルシールです。ゴムがパキッと割れるほど硬くなっていました。
オイルシールのゴムはもちろん耐油、耐熱ですが、まれにこうなってしまったモノをみる事がありますね。
オイルシールの交換は本来はカムカバーを外してやる仕事ですが、オイルシールがセットされる部分やカムを傷つけなければ、このようにやってやれない仕事ではありません。
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オイルシールをセットするときは、外すときと同じに気を使って作業する必要があります。
入るところが置くのほうなので、写真のようなちょっと長いパイプ状のSSTがあると便利です。
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ガバナーのキットです。
写真のものはごくスタンダードのですが、ステンレスで出来ている物やウエイトの支持部にベアリングを使ったものもあります。
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カムにグリスアップするために外したりした場合に再度組み付けるときは、矢印のカムの切り欠きとピンを合せる必要があります。
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ガバナーのカムが嵌る軸の部分とカムのウエイトが嵌る部分に、グリースを塗布しておきます。
使用するグリースの種類はシリコングリースです。
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左が純正品、右はワタシが良く使うブルーストリークです。
ブルーストリークは配線端子をネジ止めするのに対し、純正品は配線端子をスプリングで押しているだけなので接触不良がたまにあります。こうしたものは少しでも信頼性のあるものを選ぶべきでしょうね。
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接点のアップ写真ですが、ワタシがチョイスする理由として純正のと同じ中空構造になっています。
中空ポイントは接点部が均一になり、比較的に長時間の使用ができます。
ムカシのクルマにポイントを使っていたときも高性能を謳ってでてきたものだと記憶しています。30年以上まえの事ですが。
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ベースプレートにポイントとコンデンサー、配線をセットした写真です。
コイルへの配線はマフラーの付近を通りますので、耐熱性のビーメックス線を使い黒いガラス繊維の遮熱チューブをかぶせてあります。
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ガバナーをカムシャフトに取り付けたら、ガバナーのカムがスムースに動くか確認します。
動かなくてもエンジンは掛かりますが、進角しないので調子は悪いと思います。
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ポイントを取り付けたら、ポイントカムの一番高いところに位置を合せてポイントギャップを調整します。
この場合カムの山の幅が広いほうが確実です。
ワタシは0.4mmに調整します。一般的にIGプラグのギャップの半分ですね。
ココデ他の人がやらないでワタシだけやることは、2つのカム山の両方が同じギャップになるかを確認します。
たまに違うものがあり、そうなると前後のシリンダーのタイミングがずれてしまいますが、そうすることによりポイントカムの精度をある程度確認でき、1つの不安材料を除くことができます。


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構造的にギャップの調整をするとタイミングまで変わってしまい、ギャップを広くすると早くなり、狭くすると遅くなります。
ですから、タイミングを調整するまえにギャップを調整するのです
タイミングライトを使って調整する場合もありますが、ハーレーの場合にはタイミングマークが非常に見づらいのでココでは使わない方法を紹介します。
ギャップの調整をし終わったカム山が尖ったほうか、平らなほうかを良くみて判断し、ポイントヒールが乗った山のほうのシリンダーの上死点を出します。尖った山は前のシリンダーで平らな山は後ろのシリンダーです。
上死点を出す方法はIGプラグをはずし、ピストンに挟まれないように気をつけて細長いドライバー等でピストンの上下を探ります。もちろん2次災害には充分注意してくださいよ。
左側のタイミングホールを開けて見ると小さい丸のマークです。このマークがすぐに見つかれば危険を冒してピストンを突付くことはないのですが、タイミングホールとマークは小さいので慣れないと分りずらいですね。ただしピストンの上死点は圧縮上死点と排気上死点があるので気をつけてください。
上死点がでたら、ベースプレートを動かしてタイミングを調整します。
検電ランプを使うと便利ですが、ポイントアームにはコイルから12Vの電気がきていますので、写真のようにポイントが開いているとランプは点灯しています。
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ベースプレートを動かすとポイントが閉じて、コイルから来ている電気はアースされるので検電ランプは消えてしまいます
このランプが点くか消えるかのところがポイントの開くタイミングですから、ここでベースプレートを固定します。
ここでの方法は大雑把ですが、ピストンは上死点を出しておいたのでイグニッションタイミングは精度はそれほどではないにしても、ほとんど上死点に近いところで出ているはずです。
キックでもセルモーターでも他にトラブルが無い限り始動は問題ないので、あとの仕上げのタイミング調整は走行しながらのことになります。
ワタシはちょっと早めにトップギアにして、アクセルをやはり普通より早めに開けノッキングの起り方で判断します。
つまり上記の感じでセットしますと通常の走り方ではノッキングが起きないはずで、ノッキングが起きる寸前の早めのタイミングがベストで、ガバナーが正常であればアイドリングも低く回るし、加速も良いタイミングを出せますね。

*ついでの知識
エンジンを止めるとほとんどの場合ポイントが閉じた状態になりますので、スイッチを入れっぱなしにしておくとバッテリーが上がってしまうか、コイルが焼けてしまうので気をつけたほうが良いでしょう。

古いハーレーを整備などする場合は目的の場所以外の部品も痛んでいることが多いので、周辺の部品も揃えておくと安心して手をつけることができます。