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写真は’78’79年モデルのユニットです。
エンジンが低回転でどうも安定しないので、ポイント点火に取り替えてしまいます。
ご覧のように、最初のトランジスタ点火は遠心ガバナーを使っていますね。
ガバナー自体はポイントのと同じものですが、カムの替りにトリガーローターが付いていますから、このままでは使えませんのでガバナーもユニットで交換します。
ガバナーも外すと、オイルがたまっています。
ポイント式では特にオイル漏れは厳禁です。ポイントの面にオイルが付着すると機能停止になってしまいます。
新しいデジカメを使い慣れていないので写真が悪く見づらくてゴメンなさい。
ポイント点火にする場合はコイルを5Ωのものに交換します。
純正のコイルカバーは非常にはずしにくいので、ワタシはブラケットごと外してしまいます。
取り外したオイルシールです。ゴムがパキッと割れるほど硬くなっていました。
オイルシールのゴムはもちろん耐油、耐熱ですが、まれにこうなってしまったモノをみる事がありますね。
オイルシールの交換は本来はカムカバーを外してやる仕事ですが、オイルシールがセットされる部分やカムを傷つけなければ、このようにやってやれない仕事ではありません。
オイルシールをセットするときは、外すときと同じに気を使って作業する必要があります。
入るところが置くのほうなので、写真のようなちょっと長いパイプ状のSSTがあると便利です。
ガバナーのキットです。
写真のものはごくスタンダードのですが、ステンレスで出来ている物やウエイトの支持部にベアリングを使ったものもあります。
カムにグリスアップするために外したりした場合に再度組み付けるときは、矢印のカムの
切り欠きとピンを合せる必要があります。
ガバナーのカムが嵌る軸の部分とカムのウエイトが嵌る部分に、グリースを塗布しておきます。
使用するグリースの種類はシリコングリースです。
左が純正品、右はワタシが良く使うブルーストリークです。
ブルーストリークは配線端子をネジ止めするのに対し、純正品は配線端子をスプリングで押しているだけなので接触不良がたまにあります。こうしたものは少しでも信頼性のあるものを選ぶべきでしょうね。
接点のアップ写真ですが、ワタシがチョイスする理由として純正のと同じ中空構造になっています。
中空ポイントは接点部が均一になり、比較的に長時間の使用ができます。
ムカシのクルマにポイントを使っていたときも高性能を謳ってでてきたものだと記憶しています。30年以上まえの事ですが。
ベースプレートにポイントとコンデンサー、配線をセットした写真です。
コイルへの配線はマフラーの付近を通りますので、耐熱性のビーメックス線を使い黒いガラス繊維の遮熱チューブをかぶせてあります。
ガバナーをカムシャフトに取り付けたら、ガバナーの
カムがスムースに動くか確認します。
動かなくてもエンジンは掛かりますが、進角しないので調子は悪いと思います。
ポイントを取り付けたら、
ポイントカムの一番高いところに位置を合せてポイントギャップを調整します。
この場合カムの山の幅が広いほうが確実です。
ワタシは0.4mmに調整します。一般的にIGプラグのギャップの半分ですね。
ココデ他の人がやらないでワタシだけやることは、2つのカム山の両方が同じギャップになるかを確認します。
たまに違うものがあり、そうなると前後のシリンダーのタイミングがずれてしまいますが、そうすることによりポイントカムの精度をある程度確認でき、1つの不安材料を除くことができます。
構造的にギャップの調整をするとタイミングまで変わってしまい、ギャップを広くすると早くなり、狭くすると遅くなります。
ですから、
タイミングを調整するまえにギャップを調整するのです。
タイミングライトを使って調整する場合もありますが、ハーレーの場合にはタイミングマークが非常に見づらいのでココでは使わない方法を紹介します。
ギャップの調整をし終わったカム山が尖ったほうか、平らなほうかを良くみて判断し、
ポイントヒールが乗った山のほうのシリンダーの上死点を出します。尖った山は前のシリンダーで平らな山は後ろのシリンダーです。
上死点を出す方法はIGプラグをはずし、ピストンに
挟まれないように気をつけて細長いドライバー等でピストンの上下を探ります。もちろん2次災害には充分注意してくださいよ。
左側のタイミングホールを開けて見ると小さい丸のマークです。このマークがすぐに見つかれば危険を冒してピストンを突付くことはないのですが、タイミングホールとマークは小さいので慣れないと分りずらいですね。ただしピストンの上死点は圧縮上死点と排気上死点があるので気をつけてください。
上死点がでたら、ベースプレートを動かしてタイミングを調整します。
検電ランプを使うと便利ですが、ポイントアームにはコイルから12Vの電気がきていますので、写真のようにポイントが開いているとランプは点灯しています。
ベースプレートを動かすとポイントが閉じて、コイルから来ている電気はアースされるので検電ランプは
消えてしまいます。
このランプが点くか消えるかのところがポイントの開くタイミングですから、ここでベースプレートを
固定します。
ここでの方法は大雑把ですが、ピストンは上死点を出しておいたのでイグニッションタイミングは精度はそれほどではないにしても、ほとんど上死点に近いところで出ているはずです。
キックでもセルモーターでも他にトラブルが無い限り始動は問題ないので、あとの仕上げのタイミング調整は走行しながらのことになります。
ワタシはちょっと早めにトップギアにして、アクセルをやはり普通より早めに開けノッキングの起り方で判断します。
つまり上記の感じでセットしますと通常の走り方ではノッキングが起きないはずで、ノッキングが起きる寸前の早めのタイミングがベストで、ガバナーが正常であればアイドリングも低く回るし、加速も良いタイミングを出せますね。
*ついでの知識
エンジンを止めるとほとんどの場合ポイントが閉じた状態になりますので、スイッチを入れっぱなしにしておくとバッテリーが上がってしまうか、コイルが焼けてしまうので気をつけたほうが良いでしょう。
古いハーレーを整備などする場合は目的の場所以外の部品も痛んでいることが多いので、周辺の部品も揃えておくと安心して手をつけることができます。