知事記者会見(令和元_2019年7月25日 木曜日)
リニア中央新幹線の騒音対策について
記者
リニア中央新幹線の騒音規制で、400メートル以内は70デシベルということになると、JRの環境影響書だとフードを被せなければいけなくなってしまう。一方で、山梨の景観を見てもらう楽しみもあると思うが、騒音対策とどう両立させていくお考えでしょうか。
知事
何が一番重要であるかというと、住民の皆様の健康問題です。騒音は健康問題に関わる事で、日常生活の不便にも繋がってくるので、地域の声が一番重要なポイントであると思っています。
観光の話もあるかとは思うが、地域住民の皆様がフードを求めるのであれば、JRに対して求めていきたい。
また、火山問題に色々取り組んでいるが、万が一大規模噴火が起こって降灰があった時に、道路に何センチか積もると車は動けない、鉄道も同様です。飛行機もヘリコプターも使えない。日本の東西が分断される可能性が十分にあります。その時に生きているのはリニアなのではないかと思っています。
国家的な安全保障を考えた時に、明かり区間でいいのかと。灰が蓄積しないようにフードの方が有効なのではないかという思いもありますので、色々なレベルで議論をして、世の中にとって一番いい結論を導いていけたらと思います。
フードの呼び方は 「防音フード」 では無く、「防音・防災フード」 がJR東海による公式名称です。その意味で知事のご説明は極めて明確です。本来、地域行政や住民が「リニアの見える化」を求めることはあり得ない事なのです。私はこの点をこれまで書き、これからも記録していくつもりです。
この日の知事記者会見では発表事項は記録されていません。定例記者会見は記者達の質問から始まったと考えられます。
『リニア中央新幹線の騒音規制で、400メートル以内は70デシベルということになると、・・・』 との質問の仕方は、リニアの騒音規制について山梨県として「400メートル以内は70デシベル」との決定がされて、この記者さんにはそれが伝えられている事を示しています。
知事がお話しになられた事案については、山梨県庁サイトでは 騒音・振動・悪臭対策(山梨県森林環境部大気水質保全課)から詳細な説明が得られると思います。
どなたもお気付きのように、リニア中央新幹線の高架軌道は騒音問題とは別に日照問題も発生します。フードでも防音壁でも、沿線の住宅地、農地などに関わる日照問題をどのように解決すべきかという問題は、騒音以上に対応困難な事案です。
整備新幹線でのルート決定方法の委細は知りませんが、新幹線が通って我が家が、畑が、日影になったという話を私は知りません。直線ルートのリニアだからこそ発生する問題が日影問題だと思っております。
◇2019.03.04 山梨県リニア中央新幹線関連事業のこれからは
◇2018.12.22 リニアの見える化は達成できないだろう
今回の記事は リニア中央新幹線の騒音対策について(山梨県知事記者会見) として上記のような関連する過去記事一覧も追記し、
リニア中央新幹線情報のブログにも掲載しました。