検索からこの記事を訪問される方が多いことに最近のアクセスログから気が付いたので更新しました。
この問題のポイントは注文していないのに届いた「ネガティブオプション・送り付け商法」であって、注文(契約)した商品・サービスに関する「クーリングオフ」の問題ではありません。
◇ 名古屋市消費生活センターの 「カニ、鮭など 生鮮食料品の電話勧誘販売や送り付け商法にご注意ください」、及び 「送り付け商法(ネガティブ・オプション):こんな手口に気をつけて」 が分かりやすく参考になります。
◇ 名古屋市消費生活センターに 「特定商取引法の指定商品・権利・役務」
◇ 訪問販売・通販の消費者保護 生鮮食品もクーリングオフの対象に(東京新聞 2010年1月31日) 2009年12月に施行された法改正について解説記事です。
◇ この関係の所管は消費者庁-「消費者が商品・サービスを安心して取引できる市場環境を整備します」
・・・でもね、私は「2009.11.01 迷惑メールと消費者庁、そして民主党のICT政策」を書いています(^o^)
【以上更新 : 2010年12月4日】
実に曖昧な情報が流れているので記事に書くことにします。
2008年5月17日の読売新聞山梨版では、『カニは生鮮品のため、電話勧誘による売買でもクーリングオフができない。県民生活センターは「不審な商品が届いた場合、安易に受け取らないようにしてほしい」と呼びかけている。』という文章で終わっていたので、山梨県庁サイトで「カニは好きか?」電話勧誘にご用心!(リリース日:2008年5月16日 更新日:2010年3月18日)を確認したら、
○頼んでもいないのに、勝手に送りつけてくる商品は、代金を支払う必要はありません。受け取りを拒否してください。 家族あてに不審な商品が送られてきた場合には、受け取りを保留して、よく確認しましょう。
○電話勧誘であっても、カニはクーリング・オフが適用されません。必要のない時は、ハッキリと断りましょう。【編注・この部分は法改正による更新前のページからの引用です】
更にリンク先の国民生活センター記事、「頼んでいないのに勝手にカニが送られてきた」(2008年5月2日:公表) これらの記事が曖昧なのです。
この問題は「特定商取引に関する法律」の第59条が判断の基準です。
(売買契約に基づかないで送付された商品)
第五十九条 販売業者は、売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者及び売買契約を締結した場合におけるその購入者(以下この項において「申込者等」という。)以外の者に対して売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合又は申込者等に対してその売買契約に係る商品以外の商品につき売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合において、その商品の送付があつた日から起算して十四日を経過する日(その日が、その商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して七日を経過する日後であるときは、その七日を経過する日)までに、その商品の送付を受けた者がその申込みにつき承諾をせず、かつ、販売業者がその商品の引取りをしないときは、その送付した商品の返還を請求することができない。
2 前項の規定は、その商品の送付を受けた者のために商行為となる売買契約の申込みについては、適用しない。
一読してすぐ頭に入るものではありませんから(^_^;) 対策の要点は以下のようになります。
◆ 商品が送られてきた日から14日間を経過すれば自由に処分できます。
◆ 商品の引き取りを販売業者に請求したときは、その日から7日間を経過すれば自由に処分できます。
◆ 代金引換で届いた時は、受取るのが注文した本人でない限り、宛先人に必ず確認してから受取ること。その場で確認できない時は配達人に持ち帰って貰って、後日の配達にすること。
◆ 代金引換などで注文した時は、商品名や会社名など確認できる情報を必ずメモして家族が見えるところに残して外出すること。
◆ 電話勧誘には100%拒否すること。その時にはまず「この電話番号はどこで知りましたか?」と問いかけて、相手の返事をメモすること。
他にも色々ありますが、警察庁のネガティブ・オプション(送り付け商法)などをご参照ください。
ちなみに、特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案について、第169回通常国会で審議中、私はインターネット通信販売との関係でこれらの勉強も続けねばならない身の上です、一番苦手な法律問題なのに・・・(^_^;)
「クーリングオフ」というのは全く異なる制度です。送りつけ商法に対応するのは上記の通り簡単です。インターネットを活用していろいろ検索してみてください。検索語は上記に書いたような単語です。「ネガティブ・オプション」の規程は生鮮食品には適用されないという条項を私は確認していません。もし「カニ」は法律の隙間を狙ったのだということなら、それは行政と国会の責任です(^o^)
ネット記事ではカニの送り付け商法が狙う電話番号は、過去に通常の通信販売などでカニを購入した顧客名簿の流出が考えられるとの話も書かれていました。通信販売サイトを構築する者として考えさせられる問題です。
誰かネガティブ・オプションで最新鋭のパソコンを送り付けてこないかなぁ、私はそれを販売する業者ではないから59条2項には該当しない、2週間経ったらハードディスクを再設定、全てをインストールし直してから自分で使う(^o^)
http://www.pref.yamanashi.jp/kenminskt-c/index.html
山梨県県民生活センターのホームページで
http://www.pref.yamanashi.jp/kenminskt-c/kani.html
「カニの電話勧誘にご注意ください!」
には相変わらず「クーリングオフ」の文言が入っています。
http://www.pref.yamanashi.jp/kenminskt-c/42324302270.html
消費者啓発パンフレットに掲載されている、高齢者をねらう悪質商法にご用心!(PDF:574KB)でも、「クーリングオフ」で対応できる悪質商法と一緒に「ネガティブオプション」が書かれています。
うっかりにせよ騙されたにせよ、「自分の意志で契約してしまったもの」に対する対応と、「送り付け商法」が異なることを、まず明確に示してから、夫々に対する対処方法を説明することが必要です。
山梨県県民生活センターはWebページの書き方を修正すべきでしょう。