NHK
「富士山登山鉄道構想」 山梨県が住民に初の説明会 山中湖村(2023年11月22日)
山梨県が検討を進める「富士山登山鉄道構想」をめぐり21日、地元の山中湖村で住民に向けた初めての説明会が開かれました。
富士山をめぐって、県は来訪者の管理や環境保全の対応策として、ふもとと5合目をLRT=次世代型路面電車で結ぶ「富士山登山鉄道構想」の検討を進めています。
この構想について県は21日、地元の山中湖村で初めて住民向けの説明会を開き、およそ180人が参加しました。
このなかで長崎知事は「登山鉄道には賛成や反対の議論があるが、富士山の現状をなんとかしないといけないこと、そして富士山を大切に守り次世代につなげなければいけないという価値観は県と地元で共有している」と述べました。
そのうえで、県が検討を進めるLRTは輸送量や移動中の快適さなどの面で電気バスより優れているとか整備にかかる費用は県や民間企業、それに国で分担できる、といったことなどを説明しました。
説明会に参加した地元の男性は「説明はわかりやすかったし、県がどういうことをしたいのかはっきりわかったが、考えることはいろいろある。登山鉄道に対する賛成や反対はこれから決めていきたい」と話していました。
説明会は(2023年11月)23日、富士吉田市でも開催される予定です。
朝日新聞
富士山登山鉄道、山梨県が初の県民向け説明会 収支見通し示さず(2023年11月23日)
山梨県が富士山で実現をめざす登山鉄道構想の県民向け説明会が21日夜、山中湖村からスタートした。長崎幸太郎知事が説明し、構想の意義や必要性を訴えた。収支見通しや整備費の詳細は示されず、県はこれらについて来年3月までに中間報告する方針だ。
説明会は村公民館で午後7時から約1時間半あり、村民ら約180人が集まった。長崎知事は約40分にわたって説明し、特に登山鉄道を必要とする理由について時間を割いた。
富士山5合目の来訪者がコロナ前の2019年に506万人に達し、世界文化遺産登録前の12年(231万人)の2倍以上に増えていることを紹介。オーバーツーリズム(観光公害)が深刻化しているとして、来訪者数の管理や、自動車の排ガス規制などの課題を示した。
そのうえで長崎知事は「富士スバルライン上に線路を敷き、基本的に車は通さないことで来訪者のコントロールにつなげたい」などと述べた。
構想に反対している富士吉田市が現実的と考えている電気バス(EVバス)の導入については、座席数の少なさをデータで指摘。「すし詰め状態でつり革につかまって立って上れというのは、ちょっと大変」と話し、快適性の面からも鉄道の優位性を主張した。一方で「反対論も賛成論もあること自体が素晴らしい。みんなで真剣に議論を始めようという段階にある」と語った。
構想に反対している富士吉田市が現実的と考えている電気バス(EVバス)の導入については、座席数の少なさをデータで指摘。「すし詰め状態でつり革につかまって立って上れというのは、ちょっと大変」と話し、快適性の面からも鉄道の優位性を主張した。一方で「反対論も賛成論もあること自体が素晴らしい。みんなで真剣に議論を始めようという段階にある」と語った。
登山鉄道の整備費について長崎知事は説明の中で「1400億円」と触れたが、整備費の算出根拠や収支見通しは明らかにしなかった。県は21年2月にまとめた構想に「往復運賃1万円で約300万人」との試算も記したが、説明会で長崎知事は触れず、資料にも示さなかった。
県富士山登山鉄道推進グループは取材に対し、整備費や収支見通しについて「専門家と詳細の検討を進めている」と説明し、今年度中に公表するという。
運賃については「構想の数字が一人歩きして誤解を招いた部分があったので、説明会では出さなかった」としている。ネットニュースのコメント欄で「高すぎる」「金持ちしか上らせないのか」などの批判があふれ、県にも否定的な意見が寄せられたことを考慮したという。
次回の説明会は23日に富士吉田市で開かれる。(池田拓哉)
UTYテレビ山梨
富士山登山鉄道構想 知事自ら出席しての地元住民への説明会始まる 山梨県(2023年11月22日)
山梨県が検討を進める富士山登山鉄道構想の住民説明会が山中湖村で始まり、長崎知事自ら構想の意義を訴え理解を求めました。
県の住民説明会は、北麓の市町村を対象に行われ、初日の21日、山中湖村の会場にはおよそ170人が参加しました。
長崎知事は富士山を訪れる人数のコントロールや環境負荷の軽減などをユネスコの諮問機関から求められていることにふれ、富士山登山鉄道構想の必要性を強調しました。
山梨県 長崎幸太郎知事:「100年先の将来から見たときに、これやってよかったと思えるものを今作っていきたい。どうかご理解を、そしてご参画を、参加をしていただきたい」
高村正一郎村長はじめ、参加者からは構想に賛同する声が出され、明確な反対意見はありませんでした。
23日は富士吉田市で説明会が開かれ、長崎知事と、構想に反対する堀内茂市長双方が出席する意向を示しています。
山梨県が富士山登山鉄道構想について地域住民に初めて説明会を開催しました。