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この記事で、「国土交通省・有識者会議 2023年12月7日の報告書」について記録しましたが、朝日新聞も報じた長崎幸太郎知事の2023年12月20日の記者会見でのご発言の内容を記録しておきます。
知事記者会見(令和5年12月20日水曜日)
リニア中央新幹線に係る開業時期についての受け止めと先行開業についての考え
 記者質問・・JR東海が開業時期について国に変更届を出しました。ご存知の通り、2027年から2027年以降ということに変更されたと思いますが、改めて知事のお言葉でこの受け止めと、あと先日の会見で、全線開通を前提というふうにしながら、一部先行開業も歓迎したいというようなご発言があったと思いますが、先行開業についての知事のお考えを改めて頂戴してよろしいでしょうか。
【記者質問にある「先日の会見で、」は 知事臨時記者会見(令和5年12月13日水曜日)で『リニア中央新幹線に係る今後の対応について』の発言】
【今回の長崎知事ご発言は長文ですから部分引用致します、読み易いように長文記事は改行します】

 2番目のご質問の先行開業についてですが、繰り返しになりますけれども、リニアはとにかく品川から山梨県を通過して、もちろん山梨県駅で止まっていただきますが、名古屋そして大阪まで全線開通することで初めて効果が最大化されると、これは全く変わらない認識でありましてそれが大前提です。
 ただ、南アルプストンネルは大変長大な、巨大な工事になって、相当程度の日数もかかるのかなとも思います。
 とすれば、仮に甲府から品川までの間が先に完成が見通せるような場合であれば、トンネルができるまでの間は、品川から甲府の間を行ったり来たりというのもない話ではないんじゃないかなと。
 むしろ我々山梨県としては、JRがそういう経営判断ができるような、そんな環境を整えていくのに何が必要なのか、それも考えながらそれに向けての現実的な対応というものを考えていきたいと思っています。
 

【追録】2023年12月21日〔朝日新聞〕
リニア「品川と甲府の往復もあり」 山梨知事、部分開業を歓迎の意向
 山梨県の長崎幸太郎知事は20日の記者会見で、リニア中央新幹線について「東京・品川と甲府の間の往復もありだ」と述べ、全線開通を前提としながらも、部分開業を歓迎する考えを示した。
 リニア計画をめぐっては、静岡工区の南アルプストンネルの掘削工事に着手の見込みが立たないことなどから、JR東海が14日、東京・品川―名古屋間の工事完了時期について「2027年」から「27年以降」に変更する申請をした。これを受けて静岡県の川勝平太知事は「開通できる状態のところから開通をしていくべきだ」と、持論の部分開業を改めて主張する談話を発表している。
 こうした動きについて長崎知事は「リニアは全線開通することで効果が発揮されるという認識は変わらない」としながらも「南アルプストンネル工事は相当日数がかかる。甲府から東京・品川までの完成が見通せる場合は、トンネルができるまでの間は品川から甲府の間を行ったり来たりもない話ではない。山梨県としてはJRがそういう判断ができる環境を整えるためには何が必要か考えたい」と述べた。(米沢信義)

2023.12.23 リニア開業遅れ受け、山梨で高まる部分開通の待望論 実験駅を観光利用の声も〔産経新聞〕
 山梨県内で、リニア中央新幹線の部分利用の待望論が高まってきた。
長崎幸太郎知事は「全線開通が大前提だが(品川・甲府間の)部分開通は歓迎」と表明したほか、甲府商工会議所は甲府市に建設予定の山梨県駅をリニア実験線駅として観光に役立てる先行利用を要望している。
静岡工区の着工が遅れを理由に、JR東海が、リニア中央新幹線の品川-名古屋間の工事完了時期をこれまでの「令和9年」から「令和9年以降」に変更するなど大幅な開業遅れが確実視されてきたことが背景にある。

■すでに3年遅れ、さらに…
 リニア工事をめぐっては、静岡県の川勝平太知事が、南アルプスのトンネル工事で大井川の流量が減るとして工事着工を認めておらず、同工区の着工のめどは立っていない。JR東海は明確にしていないが、すでに開業に向け、現時点で少なくとも3年の遅れがあるとされ、静岡工区着工が遅れれば、さらにそれだけ開業が先延ばしされる。
【非掲載の部分あり】
 それに対し、山梨県内でのリニア関連工事は9年の開業を前提に進めてきた。
今年に入ってからは「利根川公園部高架橋」(富士川町)が完成したほか「第一南巨摩トンネル」(同)が貫通。
さらに、南アルプス市と中央市を結ぶ「釜無川橋りょう」などの、多くの大型構造物が姿を現し、山梨県民や関係者はリニア開通に向けた動きを目の当たりにしている。
 開業が9年以降へと変更され、大幅な遅れがほぼ確実になるなかで、川勝知事は、南アルプス以東の山梨県駅までを、先行的に部分開業させるべきとの主張を繰り返している。

山梨県の長崎知事は工事完了時期変更発表後の20日の定例会見で、「リニアは全線開通で初めて効果が最大化されることが大前提」としながら「南アルプストンネルは長大、巨大な工事となって相当程度の日数もかかる。とすれば品川から甲府の間を行ったり来たりというのもない話じゃない。JR東海がそういう経営判断できるように環境を整える現実的な対応を考えたい」と、これまで部分開通について公式的な発言を避けてきた中で、一歩踏み込んで発言した。

■山梨県駅を早期完成させ、観光客呼び込む
 一方で、甲府商工会議所は、山梨県駅を早期に完成させ、現在のリニア実験線の一部として活用することを県やJR東海に要望している。
【非掲載の部分あり】
 現在の実験線は都留市の山梨実験センターだけで乗降。そのため実験センターで乗り込み、時速500キロを体験した後、また実験センターに戻ってリニアから降りるという状況だ。これに対し、実験センターと山梨県駅の両方で乗降できれば、甲府地域への観光客流入につなげることができるという読みだ。

 商工会議所の越石寛専務理事は、「品川-山梨県駅の先行開業が第一の希望だが、そうでなくても山梨県駅が実験線の駅となることで、観光コースに十分なり得る」とし、さらに「世界最高速の時速500キロの体験は訪日外国人観光客にも人気を博すことは間違いなく、実験線自体が新たな観光資源になる」と、太鼓判を押す。
 国家的なプロジェクトであるリニア新幹線だが、川勝知事が静岡工区の工事着工を認めないことで、計画が進まない状況だ。その影響は山梨だけでなく、沿線の各地域でもマイナスの影響となっていることは確実。

今月7日に国土交通省の有識者会議が、JR東海による一連の対策を適切と評価する報告書を取りまとめるなど、進展がみられており、この報告書で、「(未着工となっている)静岡工区の着工が前進することを期待する」(長崎氏)というのが、関係者の共通した思いだ。

国土交通省・有識者会議 2023年12月7日の報告書
 記事の最後に書かれていますが、『今月7日に国土交通省の有識者会議が、JR東海による一連の対策を適切と評価する報告書を取りまとめるなど・・・』 がポイントと思えます。

「リニア中央新幹線静岡工区に関する報告書(令和5年報告) ~環境保全に関する検討~」のとりまとめ及び斉藤国土交通大臣と丹羽東海旅客鉄道株式会社社長の面会について 令和5年12月7日

リニア中央新幹線静岡工区に関する報告書(令和5年報告) ~環境保全に関する検討~ リニア中央新幹線静岡工区 有識者会議 令和5年12月(PDF形式)

リニア中央新幹線静岡工区に関する報告書(令和5年報告) ~環境保全に関する検討~ 概要 国土交通省(PDF形式)
この記事の最後に書かれています・・・
 ・JR東海は、環境保全措置やモニタリング等の対策に全力で取り組むと共に、地域の関係者との双方向のコミュニケーションを十分に図ることが重要であり、南アルプスの環境保全の様々な取組みに積極的に貢献することが期待される。

リニア中央新幹線南アルプス・トンネル工事の問題解決、その最終段階と思いますが、有識者会議の結論について、静岡県庁、市町村の対応が気になります。年明けに確認したいと思います。
【追録】2023年12月21日 共同通信
JR東海、取水抑制で基本合意 東電と、リニア静岡工区の対策
 JR東海は21日、リニア中央新幹線静岡工区の湧水流出対策で、上流の田代ダム(静岡市)の取水抑制案の実施について、ダムを管理する東京電力側と同日付で基本合意したと発表した。
 JR東海の丹羽俊介社長が名古屋市内で開いた定例記者会見で明らかにした。取水を抑制する方法や補償の考え方について合意したという。


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