▼ iPhone のケースと電池

Juice Pack Air for iPhone 4 というバッテリー内蔵ケースを iPhone に取り付けてみた。1500mAh のリチウムポリマー電池内蔵でなかなか良くできており、iPhone との一体感があるよう丁寧に作り込まれている。




フレームは白を選んでみた。


滑りやすい仕上げの iPhone をいつか落としそうな気がするのでケースでもつけようと思い、どうせつけるならと予備バッテリー付きを選んでみた。iPhone に装着したらそれ以降外す必要もなく、すべての操作に支障がないし、USB ケーブルで iPhone もバッテリーパックも充電でき、iTunes との同期もできてしまう。

バッテリーパックから iPhone への給電はスイッチでオンオフできるけれど、オンにした状態でもまずバッテリーパックの電池が優先して使われるようになっている点も良く考えられている。



裏面も丁寧につくられている。


使い始めてみて思いがけない効能は、電流量の問題か iPhone への充電がうまくいかなかった外部電池パックも、Juice Pack Air for iPhone 4 を介してだと本体充電にも使えたこと。これで電池切れの心配もなく iPhone だけ持って出張に出かけられる。

 
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▼カレー南蛮百連発:036


義母がお世話になっている大宮の特養訪問が始まってほぼ一年。大宮という街はラーメン屋とうどん屋が多い一方で蕎麦屋が少ない街という印象が強い。




埼玉県さいたま市大宮区東町の「伊勢新」。



東口から乗るバスの路線沿いに気になる蕎麦屋がポツンとある。ポツンとあるということは一瞬車窓をよぎるだけなので、往路に最寄りのバス停を覚えておき、帰りに途中下車して寄ってみようと思っていた。最寄りバス停は東町(あずまちょう)一丁目ということになる。




伊勢新のカレー南蛮。



伊勢新のカレー南蛮は豚肉だった。カレー南蛮というのはそう当たり外れのない食べ物なので「美味しい!」と思わず言いたくなる店のはとびきり美味しいし、「まずい!」と言いたくなる店のはとびきりまずい。この店のは「とびきり」ではないけれど美味しかった。鰹だしが豚肉の脂っこさとカレーの香味に負けていなくて好もしい。おつゆも残さず完食。

 
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▼佐々木崑とロッコール

高校時代は写真部だったので夢中になって写真雑誌を読んだ。何人か好きな写真家がいたうちの一人が佐々木崑さんで、アサヒカメラに「小さい生命」と題した昆虫写真を連載していた。後に知った事だが、この人には報道写真家、木村伊兵衛の弟子、ユージン・スミスの暗室助手という驚くべき経歴もあった。




パキラの芽(マクロロッコール 50mm F3.5)。


カメラ雑誌には記事までカメラメーカーの広告という側面もあり、使用している機材のクレジットを見るのが楽しみで「そうか、あのカメラとレンズはこんな写り方をするのか」と興味深く眺めたものだ。佐々木さんは神戸の人だったせいか地元ミノルタのカメラを使っており、とても好もしい描写をしていた。



イタリアManfrotto社の折りたたみカメラ台(マクロロッコール 50mm F3.5)。


ミノルタカメラ用の交換レンズはロッコールといい、高校入学時に買って貰い、初めて手にしてから永年使い続け、その一貫した感想は「鮮鋭なのに描写が硬くない」というものだった。デジタルの時代になり、ミノルタはカメラ事業から撤退してしまったけれど、その描写を時々懐かしく思い出すことがある。



構造は面白いが実用的に使ったことがない(マクロロッコール 50mm F3.5)。


デジタル一眼レフはフォーサーズシステムの OLYMPUS を使っている。マウントアダプターを介して各社レンズが使用できるので、佐々木崑さんも使用していたロッコールのマクロ 50mm F3.5 を使っている。開放ではちょっと甘いかなと思うけれど、1段絞るとやはり鮮鋭でいて柔らかい。

 
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▼ジュースと花見

土曜日好例の特養訪問。4月6日水曜日にはまだ蕾が多かった桜が見事に花ひらいていた。大宮は盆栽の街なので住民の植物に対する意識水準が高いのか、あちこちに花が植えられ、荒れもせず手入れが行き届いていてこころ和む。大宮駅東口からバスに乗り、花々を見ながら老人ホームに通う気分は悪くない。




【写真左】JR大宮駅。【写真右】特養近くの桜並木。


水曜日は不二家ネクター350g缶を一気に飲み干した義母なので、今日は果汁100%のマンゴー入りミックス果汁を買って行ったが、しっかり飲み干したものの「おいしい」という言葉を聞けなかった。糖類、酸味料、香料を添加して薄めた、酒ならアルコール添加本醸造程度が気軽で旨いのかもしれない。



特養近くの桜並木にて。
 
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▼見かけと体調

4月6日水曜日、大宮の特養訪問日。義母の様子を言葉にしようとするとうまくまとまらない。「足の力が衰えて歩行困難」と書いてみると、確かに歩行困難なのだけれど、介護中に「もう足おろしていいよ」と言われる程度に筋力はあるし、昼間は歩行困難だけれど、夜間は立ち上がっての徘徊もあるらしい。




特養内の自販機で買った不二家ネクター。


車いすに座らせると、虚ろな表情でまともな反応がなさそうに見えるのだけれど、声かけすると驚くほどしっかりした返事が返って来たりする。大好きなチョコレートを食べさせたら「おいしい!」と言うし、不二家ネクターを飲ませたら「おいしい!」とすべて飲み干し、カップを持つ手もしっかりしている。



特養前に植えられた桜。今年がこの場所で初めての開花だという。


「年寄りの状態は見かけではわからない」と書いてみるとそれも違っている。他人の心身状態は所詮見かけで判断するしかないのだけれど、黙って見ているのと、こちらから働きかけて反応を見るのとでは、大きな違いがある。人間誰に対してでもそうだとは思うけれど、ボケた老人ではとくに顕著なのだろう。



特養近くの公園で咲いていたヒメコブシ。


特養内の日当たりの良い窓辺で、窓の外を見ていたら突然キチョウが視界を横切り「あっ黄色いチョウチョ!」と言ったら「あ」と義母も気づいて目で追っていた。「3階のビルを越えてずいぶん高く飛んだね」というと「そうやねえ」と答える。微熱が続き虚ろな顔をした義母だが、関係の中では体調がよい。

 
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【ジュズダマ】

【ジュズダマ】
 
 
鞄の中から小物入れをとりだしたら、小さな粒状のものがバラバラと路上にこぼれ、何だろうと拾い上げてみたらジュズダマの実だった。昨年の秋、郷里静岡県清水に編集会議出席を兼ねて帰省し、墓参りに向かう途中の塩田川河川敷で拾ったのだが、幼い頃からあの辺にはジュズダマがたくさん自生していた。





静岡県清水、塩田川の堤で拾ったジュズダマ。


水辺に生育する大型のイネ科植物ジュズダマは栽培種であるハトムギの原種に当たるそうで、かなり古い時代に印度から渡ってきたという。ジュズダマに懐かしさを感じるのは、幼い頃に祖母か母が中に糸を通して数珠とも首飾りともつかないものを作ってくれたからで、知っている草花遊びの中では最も古い。

小学校6年間を過ごした北区王子4丁目。Googleマップで検索すると懐かしい路地まではっきり見えるが、古びた木賃アパート群はもうない。細い路地裏に毎年ジュズダマが生え、得意げに遊び方を教えたものだが、どうして水辺でもないのにジュズダマが生えたかというと、共同の流し場があったのだ。

東北線からの貨物引き込み線があるその界隈は、夏になると大量に糸トンボが発生して、学校帰りによく捕まえた。ジュズダマもそうで、川も池もない住宅地になんでそんなものが現れたかと今思えば不思議だが、宅地化以前は水田や小川のある湿った場所だったのかもしれなくて、土を掘るとすぐに水が出た。

ジュズダマ遊びを覚えた一面の水田地帯ももうない。開発によって自然が壊されていく高度成長期に育ったが、不思議なことに生きものたちは突然消えるのではなく、どこか知らない場所、わからない理由でしぶとく生き残り、まだ残っていたと子どもたちを喜ばせ、やがて消え入るように静かに忘れ去られる。

 
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▼姿勢

特養入所後の義母の変化で一番気がかりだったのは、頭が前傾して下ばかり見ていることで、しおれたポピーのような姿を見るにつけ怪我を疑ったりした。このところ顔が上がってまっすぐ前を向いており、先日などは反っくり返って座っているので「おかあさん何を威張ってるんですか」と聞いて笑われた。





4月2日、不二家Lookチョコレートを食べる義母。味の違いくらいはわかるらしい。



義母は人付き合いが苦手で引っ込み思案な人だった。おそらく病院から老人ホームという関係づくりケアの場に移り、他人との関わりを避けて引きこもりたくて、うつむくことで引きこもったのだろう。場に慣れたともとれるけれど、うつむきたい意識も薄れるほどに呆けることで顔が上がったのかもしれない。




4月2日、園内で車椅子散歩。



背中に竹製の物差しを突っ込んだように姿勢がよくなった義母は、反っくり返ってしっかり前を見据えるように堂々としており、ちょっとサッカーの中田英寿を思い出させ、老人サッカーチームの司令塔に見える。




4月2日、日当たりの良い窓辺にて。
 
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