▼自由学園明日館

1921(大正10)年、建築家フランク・ロイド・ライトが設計した自由学園明日館。



建物の向こうに見えるビル群は池袋西口のホテル。
こんな場所に国の重要文化財があるくっきりしたコントラストの夕暮れ。

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▼トラヤ帽子店

郷里静岡県清水からやって来た友人が
銀座トラヤ帽子店の前で嬉しそうにしているので
彼が帽子好きだったことを思い出した。



買う気満々で店内に入っていったけれど
帽子慣れした紳士が先客にいて時間がかかりそうなので諦めたという。
「今年の夏休みに東京へ遊びに来たらいいよ」
と銀座トラヤ帽子店浅草店(浅草新仲見世通り)に案内するのを口実に
甘い誘いをかけておいた。

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▼大正ババ食堂

大正女は強いと昭和女の母が言っていた。



神田のガード下に出現したユニークな名前の食堂。

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▼アトム

銀座から日本橋、神田、秋葉原を経由して駒込まで歩いて帰る道すがら見つけた
『アトム』という喫茶店らしくない名前の喫茶店だがマンガ喫茶ではない。

世界でただ一つの特許
薫り高い,低温加圧式!
エアドリップコーヒー

という看板にひかれて入ってみた。



「低温加圧式!エアドリップ」で淹れたものかはわからないけれど
美味しいと言える水準のコーヒーが出てきた。



それよりも昭和の時代の人間の寸法にあわせたとしか思えない
不思議な空間設計と使い込まれた調度と
店の一部と化した高齢のご夫婦がいる魅惑的な空間にびっくりした。

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【夜間沸騰中。】

【夜間沸騰中。】

東京駅八重洲南口は各地に向けて出発する長距離バス乗り場として雑踏しつつ沸騰しており、鉄道の東京駅よりはるかに旅愁漂う場所になっている。


21時10分発『清水ライナー』折戸車庫行きの前に停車していたのは、なんと東京発広島行きの長距離バスで、広島駅新幹線口に翌朝8時着だという。


5月27日、折戸車庫行き清水ライナーが、郷里静岡県清水からやって来た友人たちを乗せて、広島行きバスに続いて発車していく後ろ姿。
子どもの頃はよく泣いて追いかけて笑われたものだった。


「昨日は、お疲れ様でした。
写真を整理していたら、石原さんが、バスのお見送りをしている動画があり、車内に流れる音楽が、別れの悲しさを倍増させていました(笑)」
(見送った友人から届いたメールより)

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▼完売御礼次回は…

東大近くの果実店店頭にて。

子どもの頃アメリカのアニメでよく見た
椰子の実(Coconut)にストローをさして直接飲むという
何とも贅沢な飲み方を真似するのが夢だった。
この果実店ではそうやって客に飲ませるらしい。



「完売御礼」と書かれており、
羨ましいので次回は挑戦してみたいと思い
写真でメモしてきたので拡大したら
「次回は」の続きはとうに過ぎた5月23日の日付でいっそう悔しい。

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▼かざり窓の器

本郷通りに面した菓子店のかざり窓にある小さな器。

菓子見本が並ぶかざり窓の隅にたった一つ大切そうに置かれてあるので
きっとお気に入りの器なんだろうなと思う。



ふらりと玄関を開けて店内に入り
義父母への土産に小さな落雁でも買いながら
「かざり窓の器、素敵ですね」
とお店の方に話しかけてみたら、そこに紡がれる小さな物語がありそうな気がするけれど
そうしてみたくてもなかなか踏み出せないものであり、かざり窓の前には
そういう立ち止まった人の言葉にならないつぶやきが落ちているような気がする。

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▼赤飯とごま塩

友人のプログの豆ご飯を見ていたら
急にお赤飯が食べたくなり台東区谷中銀座で買ってきた。



「ごま塩はかけますか」
「はい」
ごま塩をわざわざパックを開けてかけてくれるのにびっくり。

年寄りは入れ歯の裏側にゴマが挟まると痛いから嫌だと言い
食べないで捨ててしまっているのを見かけので
ごま塩を無駄にしない年寄りの多い町ならではの工夫かもしれない。

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▼水の国の小さな事故

大量の雨が降って一ヶ月分の降雨量だったなどというニュースを聞くと
雨上がりとはいえ町全体がすっぽり水の国になったように思える午後の買い物散歩。



大雨に濡れて一気に紫陽花が色づいたような気がし
梅雨入りがもう近いのを実感する。



ホテイアオイのある水鉢にメダカが泳いでいるので
そばに寄ってのぞき込もうとしたらパニックになって縁に逃げ
雨水ですり切り状態の水面からこぼれて一匹地面に落ちたので
急いで拾って戻しておいた。

水の国状態ならではのメダカの身投げに遭遇して魚命救助をしてしまい
今朝起きたら枕元に、米粒に字を書いたように小さな感謝状が届いていた。

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【炭と氷】

【炭と氷】

小学生時代を過ごした東京下町では通学路に何軒も炭屋があり、ガスも水道も引かれていなかった郷里静岡県清水の祖父母の家はともかく、東京下町ではガスがあっても暖房や煮炊きに、炭団(たどん)・豆炭(まめたん)・練炭(練炭)を使う家が多く、炭屋は昭和三十年代の町に欠かせない商店だった。

写真は静岡市葵区安東1丁目の米店。

町に欠かせないといっても暖房が不要な夏場は、売り上げの落ち込みをカバーするように、大きな冷蔵庫に入れた氷を売っている炭屋が多く、なぜ炭屋が氷を売るのかがわからなくて不思議に思う幼時があった。

そのせいでもないけれど今でも不思議な兼業商店を見るとわくわくして嬉しい。

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【洗濯と天気】

【洗濯と天気】

ほとんど寝たきりになった母に付き添った夏は毎日洗濯ばかりしていた。
洗濯ばかりしていると天気のことがとても気になる。


朝、空を見上げて天候を予想し、今日は洗濯をするかどうかを決めなくてはならないわけで、毎朝やっているとそれはそれで楽しい。
2004年9月4日は雨の朝だった。

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【洗濯渡し】

【洗濯渡し】

 

(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2008 年 5 月 24 日の日記再掲

母が病を得て静岡県立総合病院に入院と決まり、渡された入院時に必要な持ち物のリストに懐中電灯があった。

清水駅前銀座の電気屋で小さな懐中電灯を買い求め、他に欲しい物がないかと聞いたら小さな国語辞典が欲しいというので清水銀座の多賀書店で買ってやった……という話は今まで何度も日記に書いている。それでもまた何度でも同じ事を書いてしまうのは、それが親子に限らず人と人とが出逢い別れていく過程で、必ず通過しなくてはならない大切な儀礼の始まりだった気がするからかも知れない。

世話をしてきた者と世話をされてきた者が入れ替わるのは切ない。強い者がいつの間にか弱くなってしまったことを確かめていくのは痛ましい。そして、これからは世話をする側に回って強くならなければならないと覚悟を決めるには身の震えるような決心がいる。若い介護者は辛かろう。

■2004年9月4日、静岡県清水の実家物干し場にて

病室で寝付かれない時は国語辞典をめくっていると知らないことがたくさん載っていて楽しいと小さくなった母は言っていた。たとえ病気でなくても、未明に目が覚めて寝付かれない時など、所在無く辞書を繰ってみるのは楽しい。

広辞苑に【洗濯渡し】という言葉があった。

寝つかれない時は、わかりきっている平易な言葉をひいて丹念に読んでいると眠くなる。今朝も【洗濯挟み】を引いて「洗濯物を干す時に、風に飛ばされたり落ちたりしないように、挟んでとめる器具。」という簡潔な定義をあくびしながら読んだばかりなので、おそらく「洗濯物を干すために張り渡した竿や紐。」程度の意味だろうと思ったらとんだ見当違いだった。

東北地方では【洗濯渡し】「せんだくわたし」と読み「嫁が衣類一切の世話を姑から任されること。」とあり、民俗学が扱う「しゃもじ渡し」などの家政管理権(主婦権)委譲を表す言葉なのだった。

会社を定年退職して所在ない思いをしている男性も辛そうだけれど、気の遠くなるように多様な家庭生活の雑事を取り仕切ってきた女性が、その役目を他人に委ねる瞬間というのにもまた哀切の念と胸の痛みがあるのではないかと思う。

ましてや、病いに倒れて身の回りのささいなことすら次々にできなくなっていくのは辛いに違いなく、ひとつひとつ息子に管理権を委ねつつ衰えて行った親の姿を、辞書をめくりながら思い出す。

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▼カレー南蛮百連発:019



カレー南蛮は古い蕎麦屋ほど昔ながらの作り方が崩れていなくて美味しいことが多い。

岩槻街道(日光御成道)と旧中山道旧中山道が分岐する場所に
創業宝暦年間(1751~64)と言われる古い酒屋があって『高崎屋』という。



その近所にあってこれまた古そうな蕎麦屋があったので
こういう古そうな店はどんなカレー南蛮を出すのだろうと入ってみた。

…と前回書いた蕎麦屋には何とカレー南蛮が4種類ある。



前回(No.18)食べたのが『鳥カレー南蛮』。
その他に『豚カレー南蛮』『エビカレー南蛮』『野菜カレー南蛮』があり
これは『エビカレー南蛮』。

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▼カレー南蛮百連発:018



カレー南蛮は古い蕎麦屋ほど昔ながらの作り方が崩れていなくて美味しいことが多い。

岩槻街道(日光御成道)と旧中山道旧中山道が分岐する場所に
創業宝暦年間(1751~64)と言われる古い酒屋があって『高崎屋』という。



その近所にあってこれまた古そうな蕎麦屋があったので
こういう古そうな店はどんなカレー南蛮を出すのだろうと入ってみた。



郷里静岡県清水の蕎麦屋が出すカレー南蛮は
店が古いというより町が時代の流れからちょっと外れてきたせいか
昔ながらの作り方のカレー南蛮が残されており
鰹とカレーと肉の絶妙なミスマッチがとても美味しい(と僕は思う)のだけれど
かなり郷里のカレー南蛮に近くて美味しい。

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▼ふたりのウエットスーツ

静岡県清水、久能街道沿いの民家にて。

この家には少なくとも二人の海好きがいて
ピンクのウエットスーツを着るのは女性でオレンジは男性で
仲の良い若夫婦かな……などと想像してみる。



ピンクだから女性用と決めつけてかかると
最近は男性でもピンクを着るかも知れないので計測を誤るのだけれど
オレンジ色は妙な凸部が目に入るのでどうしても男性用に思えてしまう。

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