◉1974年春

2019年1月31日(木)
◉1974年春

撮影して、現像して、暗室作業をしないまま、ずっと引き出しにしまいこまれていたモノクロネガフィルムを整理していたら、清水の高校を卒業して上京した春の写真が出てきた。

朝靄の明治神宮

朝の代ゼミ芸大受験科実習室

まったく忘れていた写真なので、45 年ぶりに掘り出したタイムカプセルのようなものだ。太平洋岸にある港町の写真を撮りまくっていた高校時代のそのまま延長にある写真なので私的に感慨深い。このあと長いこと写真を撮らなくなる。

(2019/01/31)

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◉仏の教えと砂時計

2019年1月31日(木)
◉仏の教えと砂時計

友人の日記で曹洞宗が発行している『禅の友』という月刊小冊子を知ったので定期購読している。死んだら郷里清水にある曹洞宗の墓に納骨されるので、旅のガイドとしてもちょうどいい。

昨秋から購読を始めたが、新年度から紙面が読みやすくなって好もしい。とくに最初にめくる表紙裏がその月のカレンダーになっているのがとてもいい。月末に届いてページを開くと、新たに始まる月の眺望がひらけている。

仏教には刹那滅という魅力的な時間の捉え方がある。仏教徒で良かったと思う。仕事場で珈琲を淹れたり、麺類を調製するために、小さな時間の計量カップが必要になる。確かペットボトル飲料のおまけについてきた砂時計が手元にあり、逆さにして砂を落とすと 1 分が軽量できる。

ちょうどいいので 1 から 4 の数字を書いたシールを、おもて上下からうら上下へとひっくり返す順に貼り、順にクルクルやれば 4 分が計れるようにした。妻に見せたら「あたまいい(まんざらバカじゃないね)」と笑っていた。ありがたいことである。

(2019/01/31)

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◉「春」

2019年1月31日(木)
◉「春」

妻が母親の介助に通いながらつくってきた、手回しロール式オルゴールをまとめた、趣味の音楽 CD づくりを手伝っている。

2019 年「春」版に収録する 22 曲を選び、録音済みデータを iTunes のプレイリストに登録し、通して聴きながら録音状態の悪いものは再録音した。とくに録音用に使っている純正律のオルゴールがガタついているのを修理したので雑音が大幅に減衰した。

ようやく納得のいくテスト版ができたので今日から仕事の合間に音楽 CD に焼き始める。ジャケットには亭主が日記に添えたイラストを使ってくれるそうで、ありがたいことである。今年は春夏秋冬、年四枚のペースで作るそうで、コツコツ楽譜を書き、ポツポツ穴を穿った紙ロールを、22 曲通して聴いてみると「ああ春だなぁ」と思う。

(2019/01/31)

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◉一本のフィルムから

2019年1月30日(水)
◉一本のフィルムから

当たり前の話だけれど自分が撮影した写真が好きだ。愛着がある。けれど一本のフィルムまるごとが、「いい写真だ、どうしてこの時の自分はこんな写真が撮れたのだろう」と思うようなものは滅多にない。1984年から86年ごろに撮影したと思われる一本の白黒ネガフィルムにそういうものがあった。

どういう気持ちで街を歩いたのか、後ろ姿ばかりを撮っている。そしてそのフィルムの最後の方に、偶然こちら向きであの吉本隆明が写り込んでいる。

彼は 1924 年生まれだったので、この時は 60 歳くらいだったはずだ。

(2019/01/30)

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◉シャネル vs スキャパレリ

2019年1月29日(火)
◉シャネル vs スキャパレリ

オスカー・ワイルドが「モードとは恥ずかしいものである。だからしょっちゅう変わるのだ」という意味のことを言っていたような気がするけれど確かではない。検索してみたけれど確かめられない。別の英国人皮肉屋が言ったのかもしれない。

昨夜は録画しておいた NHK『ドキュランドへ ようこそ!・選』「シャネル vs スキャパレリ」を観た。面白かった。ココ・シャネルは知っていたけれど、エルザ・スキャパレリは初めて知った。

「スポーティでシンプルなスーツで女性を解放したシャネルは、孤児院と修道院で育ち、お針子から成り上がった人物。片やスキャパレリは裕福な家庭に育ち、芸術家のダリやコクトーともコラボ。ショッキングピンクに代表される斬新な色使いと前衛的なデザインで一世を風靡(ふうび)した。ファッション界を大きく変えた、性格も生い立ちもまったく異なる2人の女性を、20世紀という時代の背景を交えて鮮やかに描く。」(NHK の解説より)

取り巻く人々という時代背景に、チャーチルやサルバドール・ダリやジャン・コクトーとともに、あのスカラムーシュのダリウス・ミヨーの名前が出てきてびっくりした。ピエール・カルダン、ユベール・ジバンシィはスキャパレリのもとから巣立った人。ああそうだったのか。

(2019/01/30)

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◉真夜中のカウボーイ

2019年1月28日(月)
◉真夜中のカウボーイ

2002 年に親たちの介護が始まってから夜の外出をしなくなった。携帯電話に、自宅や病院や施設から緊急呼び出しがいつかかってくるかわからないからだ。それでも意を決して、年に一度くらい外で飲もうと夫婦で話し、古い居酒屋を訪ね、しみじみ二人きりの忘年会をしたことがあった。

そういう夜の引きこもりを続けるうちに、自宅で音楽を聴きながら飲む習慣が楽しくなって、最近は外で飲むより家で飲むほうが楽しいとやせ我慢でなく言い合っている。

そんなわけでたまに夜の繁華街に出ると、荒野の限界集落から都会に着いたカウボーイのようでキョロキョロしてしまう。信号待ちをしながら摩天楼を見上げてキョロキョロしている自分に気づくと恥ずかしい。

初めての読書会に参加するため、貸し会議室に着いたら読書会は 18 時ではなく 19 時からだった。仕方ないので斜め向かいのジュンク堂書店で時間つぶしをした。生まれて初めて入る大型書店の物量に圧倒され、『現代思想』のバックナンバーが並んでいるのに目を通し、医学書院から出ている伊藤亜紗『どもる体』をパラパラ拾い読みして買おうか買うまいか逡巡し、結局ロディアの A7 ブロックメモを 2 冊買って外に出た。

初めての読書会は楽しかった。取り上げた永井均をもう一度精読してみる気になった。これはとても良い「気」の発見である。

(2019/01/29)


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◉わかるわからない

2019年1月28日(月)
◉わかるわからない

年に数回顔をあわせる年上の出版社社長に会ったので、一杯やりながら夢中になって最近読んだ本の話をした。哲学書の話ができる友人はなかなかいないと言ったら、だったら主催している読書会に参加してみないかと言う。月一度、池袋の会議室を借り、医者や編集者やライターや介護職員が集まって哲学書を読んでいるのだという。1 月は永井均『西田幾多郎 言語、貨幣、時計の成立の謎へ』を読むという。ちょうど興味のある人とテーマだったので今月から参加してみることにした。

読書会というものに参加したことがない。したことがないので良さがわからない。良さがわからないなりに、下準備として指定の本を通読した。そうしたら、みんなで一冊の本を読む形式の良さのひとつがわかった気がする。学者を生業にしている友人は、わかりにくい本はわからなくても一気に通読しろ、最後まで読めば途中でわからなかったことがわかるようになっていることもあるし、どういう箇所が著者の文脈のどの位置でわからなかったと特定できる。それが、再読してわかることへの手がかりになると言う。

1ヶ月の期限、締め切りがあるのでわからない箇所を残しながら一挙に通読したら、わからなさの見通しが良くなって気持ちがいい。わからないことを、ここがわからないと指し示せることも、わかることの一端ではあるだろう。わかるための努力がしやすい。努力する代わりに、わかる人に聞けるのも読書会であるかもしれない。今日の 18 時からなので楽しみに行ってみる。

(2019/01/28)


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◉「しる」

2019年1月27日(日)
◉「しる」

日本食ブームでラーメン好きの外国人が増えているという。

テレビ番組のインタビューでラーメンのどこが好きかと聞かれた外国人が、異口同音に「しる」という。妙な違和感を感じて笑ったら、妻もなんだかおかしいという。「スープ」ならおかしく感じないのは何故だろう。

多分「しる」だけ孤立して飛び出したので意味が短絡したのだろう。日本人にラーメンのどこが好きかと聞いたら「うまいスープ」と言うのはふつうだけれど、「うまい汁」と言ったら違和感を感じる。うまい汁は飲むものではなく、他人の努力を横から「吸う」ものだからだ。

「どんな汁が好きですか」と重ねて聞くのでトンコツとでも言うかと思ったら、「味噌バター」と答えるのでまた笑った。たしかにあれはうまい。

(2019/01/27)

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◉森保メモ

2019年1月26日(土)
◉森保メモ

高校時代に撮影したモノクロネガフィルムを見ると、ときどき三脚を立てて自撮りをしている。セルフタイマーでシャッターが切れるまでポーズを決めていたはずなのに、どの写真を見ても顔がマヌケている。とくに口もとに締まりがない。つくった表情なのにマヌケているということは、マヌケた自分に気づいていないわけで、精神に締まりがなかったのだろう。見るからに阿呆である。

今でもやはり他人から見ると締まりのない阿呆づらをしているのかもしれない。今日は朝 10 時からから 2 時間かけてマンションの防災訓練がある。説明を聞きながら相変わらずマヌケた顔をしている可能性があるので、ポケットにフリップタイプのブロックメモを入れておき、おもむろに取り出して何かしらメモることにした。

サッカーの森保監督もメモを取っているだけで「仕事のできる男」というムードを漂わせている。メモしているときは口もとに力が入っているようなので、彼もまた締まりのない顔にならないよう意識しているのかもしれない。何かをメモる姿は自他ともに「締めていこう」というサインになっている。

(2019/01/26)

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◉朝の評価

2019年1月25日(金)
◉朝の評価

毎朝の「たべものがかり」をしているので、目がさめるとまず「さて今朝はなにをつくってたべさせようか」と考える。

それにしても今朝は外が明るくなるまでよく寝たな…と思ったら、昨夜は遅くまでサッカーアジアカップ日本対ベトナム戦を見ていたのだった。

それを思い出したら、サッカー観戦をしながら手間のかかるモヤシの根切りをし、朝食の下ごしらえをしておいたことを思い出した。試合後の森保監督は、堂安、権田、吉田を称賛していたが、こちらでは、なんてチーム貢献度の高い酔っ払いだろうと自分で自分を称賛した。

(2019/01/25)

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◉『現代思想』を注文する

2019年1月24日(木)
◉『現代思想』を注文する

青土社発行の『現代思想』2018 年 11 月号「特集:「多動」の時代」を電子書籍版で読んだらとてもいい。

紙の書籍で繰り返し読みたいので、2018 年 8 月号『特集:「コミュ障」の時代』、2017 年 4 月号「特集:障害者――思想と実践」をあわせ、3 冊まとめて近所の書店に注文した。いい特集を組んでいてありがたい。こういう分野の本は雑誌の特集だと大勢の多様な意見が読めるから楽しい。注文金額合計も、いただきものの図書券で買える範囲だった。

『現代思想』は学生時代に二、三冊買ったことがあり、あの頃は三浦雅士が編集長だった。当時のはえらく難しくて、わかりもしないのにカッコつけで持って歩いたのだろう。菊判(縦 218mm × 横 152mm)で A5 判よりやや大きいサイズであり、新書や文庫より目に優しいかもしれない。そういう年齢になった。

(2019/01/24)

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◉LED ノート

2019年1月24日(木)
◉LED ノート

義父母が暮らしていた住まいの照明器具を、従来型電球から LED 電球に交換していたら、一般的な LED 電球の背が高いことに気づいた。密閉型の照明器具内に入らないからで、従来型電球が 10 センチくらいなのに対して LED 電球は 13 センチ以上もある。

背の低い LED を探して取り寄せてみた。東京メタル工業 LDA7LC60W-T2 といい、透明ガラス製なので LED ランプの中がよく見える。

黄色い部分がフィラメントのように成形された発光部で、陰りを作るヒートシンクがない。半球以上の広範囲を明るくしたい浴室には向いているかもしれない。

取り付けて通電してみたが、面白いものだなと思う。通電確認を終えたのでカバーを被せてみたがとてもいい。しょぼくれていた浴室が明るくなった。

(2019/01/24)

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◉伊勢屋

2019年1月23日(水)
◉伊勢屋

江戸時代には「火事、喧嘩、伊勢屋、稲荷に犬の糞」と言われるほど伊勢屋の屋号が多かったという。深川で「丸に米」マークの老舗和菓子屋『伊勢屋』が、赤羽にもあることを先日知った。独立分離出店で都内各地に『伊勢屋』があるけれど赤羽店は知らなかったので驚いた。

大宮「なかまちどおり」をたどり、これは古そうな道だとキョロキョロしながら興味深く歩いたら、なんとここにも丸に米マークの『伊勢屋』があった。約束の時刻が迫っていたので急いで通り過ぎたが、訪問先への手土産でも買えばよかった。惜しい。

(2019/01/23)

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◉鉄道と蕎麦

2019年1月23日(水)
◉鉄道と蕎麦

仕事で大宮まで出かける用事があったので田端駅ホームで京浜東北線に乗り換えた。石垣の補強工事が進み全体が白い壁で覆われており、かつて「鑑賞池」があったことを覚えている人にだけその場所がわかる。

少し早めに大宮に着いたので打ち合わせ先まで歩いた。町の大きさの割に大宮は蕎麦屋が少なく、ラーメン屋とうどん屋が多い。かなり古そうな裏通りを歩いたら、昔からありそうな蕎麦屋を見つけたので入ってみた。

鉄道の町大宮にふさわしく鉄道趣味の店主らしい。客への「サービス」のため壁面だけでなくカウンター上にも模型が展示されていた。なぜか蕎麦屋に鉄道模型ファンが多いような気がする。

(2019/01/24)

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◉日記の書式

2019年1月23日(水)
◉日記の書式

連用日記をつけている Evernote に文字だけの簡単なテンプレートを作成した。書いているうちに自分なりの書式が定まって来たからだ。

   ***ここから
#今年 |#今日(曜日付き)| #天気
#今日の出来事
◆クラシック倶楽部(保存済)
【放送日】
【内容】
【収録日】
【曲目】
   ***ここまで

月曜から金曜まで毎朝録画している NHK クラシック倶楽部の放送内容は、毎晩夕食時に一杯やりながら、ああでもないこうでもないと感想を述べ合いつつ酒の肴にしている。終了後、「保存!」と意見が合ったものは後日見返すため消去せずに保護してある。耳で聴くだけでなく、演奏者が演奏する姿や指さばきや楽器の細部が映像で見られるのがいい。

膨大な保存量になって探すのが大変なので、親の看取りを終えて減った日記コンテンツの埋め合わせに、放送内容を記録しておくことにした。NHK の番組ホームページに過去 1 ヶ月の情報が掲示されているので入力せずコピーするだけでいい。演奏者、作曲者、曲名などで録画保存日が検索でき、ハードディスク内を探すのに便利だ。

…とまぁこんなことを書くと、NHK の番組ホームページにある過去 1 ヶ月の情報を定期的に Evernote にクリッピングしておけばいいという話になる。なることはわかっているけれど「それじゃあだめなんだよ」派なので、毎日手作業している。他人から徒労に見えることに自分だけの意義を見いだせなければ、人生を生きること自体が徒労になってしまう。

(2019/01/23)

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