【すわれる店を探して】

【すわれる店を探して】

清水から友人夫婦が上京したので上野で待ち合わせ、アメ横で昼飲みできる店を探したら、空いている店はガラガラで混んでいる店はギュウギュウになっている。

店外のテーブルで外飲みできそうな店を見つけたけのでどうかときくと、女性二人が外ではちょっと寒いと言う。

先に店内を覗き込んでいた高齢男性がいて
「詰めてもらえば座れそうだから中へどうぞ」
と言うので
「いいえ、先に来た先輩こそお先にどうぞ」
と言ったら
「いや、この店は外のテーブル席だと灰皿借りてタバコを吸わせてもらえるんですよ」
と苦笑いしていた。座れると吸われるの違いである。

2024年10月9日 上野6丁目

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20 音オルガニートの穴あけ遊び


20 音オルガニートでヴァイオリン協奏曲「四季」より『秋』第1楽章 L'Autunno  I
作曲/A.ヴィヴァルディ

20 音オルガニートで秋の夜半 Overture From “Der Freischutz”
歌劇『魔弾の射手』より序曲
作曲/C.ウェーバー

20 音オルガニートでジムノペディIII Trois Gymnopédies 
作曲/E.サティ

を公開。

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2024年9月号(通巻22号)まで公開中

 

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【読めるものなら読んでみな】

【読めるものなら読んでみな】

新書本サイズの手帳に毎日手書きしている日記はネット検索にかかることもないだろうという気安さが楽しい。思ったことがインクと紙と下手な文字でダイレクトに暗号化される。

最近はOS レベルの機能として装備されることが当たり前になってきた OCR だけれど、この下手くそな手書き文字を認識できるんだろうかと思い、スマートフォンで写真に撮って一太郎 Pad に OCR させたら見事に解読するのでびっくりした。

2024年10月8日 撮影した手帳

2024年10月8日 一太郎 Pad の OCR 結果

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20 音オルガニートの穴あけ遊び


20 音オルガニートでヴァイオリン協奏曲「四季」より『秋』第1楽章 L'Autunno  I
作曲/A.ヴィヴァルディ

20 音オルガニートで秋の夜半 Overture From “Der Freischutz”
歌劇『魔弾の射手』より序曲
作曲/C.ウェーバー

20 音オルガニートでジムノペディIII Trois Gymnopédies 
作曲/E.サティ

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2024年9月号(通巻22号)まで公開中

 

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【再帰代名詞】

【再帰代名詞】

再帰代名詞というものがあって、反照代名詞、反射代名詞、反射指示代名詞ともいう。

向かい合った相手と独我論的にならないように分かり合おうとすると、そういう言葉づかいが自然に発現するように思う。自分という言葉も、僕という言葉も、そんな場面では交互に揺れて溶け合う。

2024年10月8日 本駒込6丁目

「雨がよく降リますね」と言うのと「よく降る雨ですね」と言うのは違う。

後者の話し方は妙に懐かしい。それにしても秋とはいえ、よく降る雨である。雨の日はしょうがないなあと思う。

2024年10月8日 本駒込6丁目

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20 音オルガニートでヴァイオリン協奏曲「四季」より『秋』第1楽章 L'Autunno  I
作曲/A.ヴィヴァルディ

20 音オルガニートで秋の夜半 Overture From “Der Freischutz”
歌劇『魔弾の射手』より序曲
作曲/C.ウェーバー

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作曲/E.サティ

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【ばんこ】

【ばんこ】

人が代わりながら役割をつとめることを「かわりばんこ」という。

代わる順を決めたらそれに従うことを「じゅんばんこ」という。

じゅんじゅんとして役割が代わっていく仕組みを「こうたいばんこ」という。

ルールに縛られないでめいめいが勝手に動くことを「てんでんばんこ」と幼いころ言っていた。東北で言う「てんでんこ」である。

半村良は寝ずに火の番をして、交代で吹子(ふいご)を踏む人の役割が番子(ばんこ)であると、たたら製鉄の様子を描いた作品中で書いていた。

「ばんこ」は大切な人間関係の鍵である。

2024年10月4日 本駒込5丁目

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20 音オルガニートでヴァイオリン協奏曲「四季」より『秋』第1楽章 L'Autunno  I
作曲/A.ヴィヴァルディ

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歌劇『魔弾の射手』より序曲
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【夢の残像】

【夢の残像】

子どものころから虫が苦手で、今でも枕元に虫がいる夢を見て「ギャッ!」と声が出て目が覚める。

虫に驚いて目が覚める夢が他の夢と違うのは、目が覚めても虫の残像が見えることで、枕の上に黒っぽく見えるものを手で払い除けようとしたりする。

驚いて目を覚ました妻が
「どうした!」
と聞くので
「ここに虫がいた!」
と咄嗟に答えてしまい
「ほんとにいたの?」
と聞かれて引っ込みがつかない。虫の幻影は小心者を脅かし終えて、さっさと引っ込んでいるのである。

2024年10月4日 千駄木5丁目

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20 音オルガニートでヴァイオリン協奏曲「四季」より『秋』第1楽章 L'Autunno  I
作曲/A.ヴィヴァルディ

20 音オルガニートで秋の夜半 Overture From “Der Freischutz”
歌劇『魔弾の射手』より序曲
作曲/C.ウェーバー

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【なまえのよみかた】

【なまえのよみかた】

島左近という人がいて「しま・さこん」と読み、戦国から安土桃山時代にかけて実在した武将だが、左近は通称で実名を清興(きよおき)という。

島宗理という心理学者がいて「しま・むねさと」だと思ったら「しまむね・さとる」とルビが振られていた。

工業デザイナーに柳宗理(やなぎ・そうり)がいたが本名は「むねみち」と読み、美術評論家で民藝運動をすすめた柳宗悦(やなぎ・そうえつ)の息子だが、宗悦のよみかたは「むねよし」だ……そうだ。

2024年10月4日 本駒込6丁目

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20 音オルガニートでヴァイオリン協奏曲「四季」より『秋』第1楽章 L'Autunno  I
作曲/A.ヴィヴァルディ

20 音オルガニートで秋の夜半 Overture From “Der Freischutz”
歌劇『魔弾の射手』より序曲
作曲/C.ウェーバー

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【夜のエンジン】

【夜のエンジン】

毎週木曜日をノンアルデーにしている妻に付き合って、毎週木曜日を素面(しらふ)で過ごす夜にしている。素面で過ごす夜はつらい。

・ノンアルビールは飲んでも愉快にならない。楽しい夜のエンジンがかからない。

・楽しい夜のエンジンがかからないと会話がなかなか弾まない。

・楽しい夜のエンジンがかからないと民放の低レベル CM を見るのがつらい。

・楽しい夜のエンジンがかからないと食欲が亢進しないので少食傾向になる。ダイエットにはいいかもしれない。

・楽しい夜のエンジンがかからないと、なにか苦いものを口に入れたくなる。

・楽しい夜のエンジンがかからない夜は、濃く淹れた深蒸しの日本茶がうまい。

・楽しい夜のエンジンがかからない夜は、自分をごまかしながら苦虫を噛みつぶしたような眠気が訪れるのを待つ。

眠くなれば気分は Gone at Last!で木曜日が終わる。眠りが人類の救済であることを学ぶ夜でもある。

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20 音オルガニートの穴あけ遊び


20 音オルガニートで交響曲第94番『驚愕』(『びっくりシンフォニー』) The Surprise 
作曲/F.J.ハイドン

20 音オルガニートで口笛吹きと犬 The Whistler And His Dog 
作曲/A.プライヤー

20 音オルガニートでグッドバイ Goodbye
作詞・作曲/レノン=マッカートニー

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2024年9月号(通巻22号)まで公開中

 

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【まわり道】

【まわり道】

文京区立千石図書館が改修工事で十月いっぱい休館なので、本駒込図書館に借りた DVD の返却と、予約した DVD の借り出しに行ってきた。

帰りに田端銀座で買い物をして坂道を上ったら、いつも通る裏通りが工事中になっていた。まわり道の地図看板が出ていたけれど、どこがどうなっているのかぜんぜんわからない。

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20 音オルガニートの穴あけ遊び


20 音オルガニートで交響曲第94番『驚愕』(『びっくりシンフォニー』) The Surprise 
作曲/F.J.ハイドン

20 音オルガニートで口笛吹きと犬 The Whistler And His Dog 
作曲/A.プライヤー

20 音オルガニートでグッドバイ Goodbye
作詞・作曲/レノン=マッカートニー

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【十月のエンジン】

【十月のエンジン】

毎年のことだけれど、カレンダーがめくられて十月になると、すっきり生活が改まったような気がする。

朝刊も新しい総理大臣が組閣を終えたという記事が一面になっている。

一年のゴールに向かって車のエンジンがかかったのか、下り坂で勝手に動き出しただけなのかはわからない。いずれにせよ前進である。

ポンコツの押しがけでゆく秋の道

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20 音オルガニートの穴あけ遊び


20 音オルガニートで交響曲第94番『驚愕』(『びっくりシンフォニー』) The Surprise 
作曲/F.J.ハイドン

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作曲/A.プライヤー

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【秋のあいさつ】

【秋のあいさつ】

2023 年も猛暑だったけれど、あっという間に秋が深まって肌寒くなり、「つい先日まで茹だるような暑さにウンウン唸っていたのが嘘のようですね」といった話をした記憶がある。

どうもこの季節になると毎年同じことを言っているような気もする。「暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったものですね」というのもそれだ。そして涼しくなったなと見回すと街はもうカボチャ色になっている。

カボチャ色のハロウィンが終わればクリスマスなので昨夜は先回りし、図書館から借り出した英国のアニメ映画『スノーマン』(The Snowman 1982 )を観てひんやりした。

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20 音オルガニートで交響曲第94番『驚愕』(『びっくりシンフォニー』) The Surprise 
作曲/F.J.ハイドン

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【死神祓い】

【死神祓い】

届いた朝刊の隅になんと知人の訃報が載っていて、死因は腸閉塞に伴う肺炎だとある。あの人も高齢といえば高齢だったからなあとしみじみ思う……という夢を見て目が覚めた。

母はそういう不吉な夢を見たらすぐ確かめろ、さもなくば夢の内容を誰かに話してしまえ、そうすれば正夢になることはないと言っていた。

いかにもつらそうな死因が気の毒なので朝刊を取りに行き、お悔やみ欄を開いたらそういう記事はなかった。よかった、誰でもすぐにできる死神祓いの家庭内伝承である。

2024年9月29日 本駒込6丁目

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【枕噺の幻術】

【枕噺の幻術】

妻の仕事関係に付き合って夜の落語会に行ってきた。落語は久しぶりだ。

噺家が枕に振る小噺という仕掛けは面白い。聴かされているうちに「ポキッ」と関節がなった気がし、「ポキッ」がやがて「クスッ」にかわり、これから語られる荒唐無稽な話を聞くための姿勢になるよう身体をほぐされていく。

さざなみのように会場に広がっていく「ポキッ」と「クスッ」を聞きながら、司馬遼太郎『果心居士の幻術』を思い出した。

2024年9月28日 文京シビックホール

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20 音オルガニートで交響曲第94番『驚愕』(『びっくりシンフォニー』) The Surprise 
作曲/F.J.ハイドン

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【トンネルと遠近法】

【トンネルと遠近法】

海岸沿いの道を東に辿るとどん詰まりの村があり、どうしてどん詰まりの村かというと隣村に行くには岬のように海に突き出した山を越えなければならなかったからだ。

その隣村との間に住民悲願のトンネルが開通した。
開通式に招かれた長老に
「これがトンネルというものです。この中を通り抜ければ山を越えずに隣村へ行けるようになりました」
と説明したら
「ここから入るのはいいが、あの小さな穴からどうやって出るんだ」
と言ったという。そういう実話をどこかで読んだ。

遠近法は体験を通して学ぶものだ。並木道を実際に歩いたことがなければ、並木道の遠近法はわからない。真っ暗なトンネルを覗いただけではなおさらである。

猛暑の中でめくった九月のカレンダーの先にちいさく月末が見えていたが、もう大きく出口が見えている。

2024年9月25日 本駒込6丁目

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20 音オルガニートで交響曲第94番『驚愕』(『びっくりシンフォニー』) The Surprise 
作曲/F.J.ハイドン

20 音オルガニートで口笛吹きと犬 The Whistler And His Dog 
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【夜の復習】

【夜の復習】

本というのは文字を印刷した紙を綴じ合わせた平面の物体である。そういう2次元の物体を3次元にどう掘り下げてたのしむか、というのが人それぞれの読書法だろう。

最近のたのしみ方は、寝る前に数ページ読んで「なるほど」と思ったところで本を閉じて眼も閉じ、「どう『なるほど』だった?」と自分自身に聞き、頭の中で考えて言葉にしてみる。要するに小学生の復習である。

これがなかなかたのしくて、寝る前の数ページで「どう『なるほど』だった?」と問う宿題を用意している。たのしんで復習して解答を書き終えると、よい子のご褒美で眠くなる。

2024年9月21日 本駒込5・6丁目

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20 音オルガニートの穴あけ遊び


20 音オルガニートでNHK BS『プレミアム・シネマ』オープニングテーマ曲 NHK premium cinema
作曲者 不明

20 音オルガニートでリリー・マルレーン Lili Marleen
 作曲/N.シュルツェ

20 音オルガニートでゴンドラの唄 Gondola no Uta
作曲/中山晋平

を公開。

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2024年9月号(通巻22号)まで公開中

 

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【鞍と心身】

【鞍と心身】

子どもの頃の最大の憧れは自動車を運転することだった。大人になって自分の自動車を持ち、四半世紀ほど運転してみたけれど、飽きてしまってもう運転したいとは思わない。他人が運転する自動車に乗るのもあまり好きではない。

今でも大好きな運転は「歩くこと」で、自分という乗り物に乗って自分を運転するのが楽しい。

人馬が一体になって見事に疾駆するとき、人の下に馬はなく馬の上に人はない。人馬が溶け合うように消えてしまい、ただ鞍だけがまっすぐに走って行く。心と身体の間に鞍を置いて歩くことで心身もまた一体になる。

2024年9月21日 本駒込6丁目

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20 音オルガニートでNHK BS『プレミアム・シネマ』オープニングテーマ曲 NHK premium cinema
作曲者 不明

20 音オルガニートでリリー・マルレーン Lili Marleen
 作曲/N.シュルツェ

20 音オルガニートでゴンドラの唄 Gondola no Uta
作曲/中山晋平

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