電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
▼81……山路商店
港区新橋一丁目。
切り分けてみんなが食べてしまい
たった一切れ残ったバタークリームのケーキのよう。
誰にも食べられないでこのまま残ってもらいたいなぁと思う。
この一切れがあることでかつてここに
おいしいバタークリームのケーキがあったことがわかるから。
▼麺と粉
初めての道を歩いていたら珍しい『フォー』専門店があった。
「ベトナムヘルシー麺です」と書かれているけれど
中国語だと「麺」というのは小麦粉が材料の物を指す。
『フォー』は米を材料にしているので中国語だと「粉(ふん)」であり
『フォー』は同じく米を材料にした『米粉(びーふん)』の仲間だ。
▼レパードの朝
銀座通りはクリスマスモード。
この先にAppleの直営店舗「アップルストア 銀座」がある。
そのせいか東京の繁華街は疲れるので好きではないけれど銀座は嫌いではない。
▼新橋
変わらない、変わりようの無い高架下風景。
架け替えの必要性が出てきたときはどうするのだろうか。
このあたりは江戸時代は二葉町といったそうで、
煉瓦のアーチ部分にある煤けた銘板に
「二葉町高架橋」と書かれていることで今もその地名が残っている。
▼幸稲荷神社とひょうたん屋
銀座一丁目、幸稲荷神社隣にある創業50年の鰻屋。
昼時に通りかかると煙と良い香りが漂っていて
思わず吸い込まれそうになるけれど入ったことがない。
なんと幸稲荷神社周辺が再開発されることになって
今年いっぱいで立ち退きになるそうなので
入っておかないと後悔するかもしれない。
幸稲荷神社脇を入ったところに
大好きな『ものほし寿司』があったのだけれど
移転された理由がやっとわかった。
▼お口の恋人と左官
東京都台東区台東3丁目にある昭和元年創業『アオタ看板』の看板。
「看板屋の看板」ということは「看板 of 看板」なのだけれど
確かに異彩を放つ不思議な看板に仕上がっていて感心してしまう。
時々蕎麦屋でひげ面の達磨大師があぐらをかき
大口をあけて蕎麦をバカ食いしている不思議な絵を見る。
ちょうどペンキの筆を持った達磨大師にも見える不思議な絵柄で
意味不明だけれどパワーがあってすごくいい。
▼羽根ハタキ
生まれて初めて自動車というものを買ったら
オプション項目に「愛車セット」というものがあり
なけなしのお金で買う初めての新車ということもあり
車を愛することに異存はないので購入したら
メインは他愛のない鳥の羽根を使った羽根ハタキだった。
昔は羽根ハタキで自動車の埃を落としている人をよく見たが
最近はとんと見かけなくなった。
ここは霞が関・虎ノ門・六本木・赤坂にほど近い界隈なので
黒塗り乗用車のお抱え運転手などに
こういう豪華な羽根ハタキに対する根強い需要があるのだろう。
▼たばこの看板
喫煙をやめ、タバコを全く吸いたくなくなってから
過去の遺物を興味深く眺めるように
タバコ屋の看板がとても気になる。
この丸形の看板は初めて見た。
▼智美術館
新橋駅から虎ノ門の『大阪屋砂場』の前を通り
赤坂まで徒歩で移動中迷い込んだ裏通りにて。
こんなところで芹沢の展覧会が開かれている。
http://www.musee-tomo.or.jp/
▼砂場の塀
ブログの2007年2月28日の記事に
「砂場の囲いが取れました。」と書き込みがあり
「へぇ~。」などとつまらない返事を書いてみたけれど
はて?「砂場の囲い」って何だろうと
実は全然わかってなかったので、銀座一丁目の打ち合わせに続いて
赤坂で打ち合わせがあるので途中ちょっと前を通ってみた。
【写真】熱心に仕上がり具合を眺めていた男性。
知らなかったのだけれど
東京都港区虎ノ門の『大阪屋砂場』は
耐震補強工事をされていたのだった。
古いものを大切にする丁寧な補強で頭が下がる。
開店したらぜひ行ってみたい。
▼人名
2002 FIFAワールドカップ記念 日本サッカーミュージアム前のモニュメント。
ものすごい数の人名が刻印されている。
どういう人々の名が刻印されているのか知らないけれど
人名というのは膨大な数が並んでいるのを見ただけで眩暈がしてしまう。
▼東神田三丁目
神田川にかかる左衛門橋上にて。
神田川上流真正面に見える茶色いビルは東京医科歯科大学。
橋の上の電線に水鳥が音符を書いたようにとまっていた。
「♪おはよう~」
▼80……植物と色
葉や花の写真が白黒になって色が後退すると
手触りという質感が前進して見える。
色というものはものが持っている本当の
肌触りを覆い隠すことに役立っているのかもしれない。
豊島区駒込の染井銀座にて。
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