電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【六義園としずてつバス】
【六義園としずてつバス】
11月29日、日が暮れる前に買い物を兼ねて散歩に出たら六義園脇の本郷通りにしずてつジョイステップバスが停車していた。
そうか、しずてつオレンジツアーに六義園日帰りがあるのかと思い「しずてつ オレンジツアー 六義園」と入力してGoogleで検索したら2件ヒットし、トップはなんと
「旧久能街道(1) - 私のなべ四器(規矩準縄)」
という記事で自分の書き込みまであって笑ってしまう。
しずてつジョイステップバスの後ろは、同じコンセプトによる富士急の乗り合い日帰りバスツアーで、そのさらに後ろは茨城からの乗り合い日帰りバスツアーで、そういう企画に晩秋の六義園は好適なのだろう。
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▼写真探し
真新しい洒落たビルだと思っていたのに
忽然と消えてなくなった秋葉原のホテルの在りし日の姿を
写真に撮ってあるのだけれど探すのが容易ではない。
デジカメの時代になってフィルム代と現像代が不要になったので
撮影枚数も増えて整理が追いつかない。
▲本郷三丁目の写真店にて。
デジカメプリントに正方形サイズがあるのを初めて知った。
トランジスタテレビが懐かしい。
一番簡単なのは写真にGPS位置情報タグをつけて
撮影場所で検索できるようにするのがいいと思う。
今あるデジカメとGPSを組み合わせて
すぐにでも始められることなのだけど
デジカメ自体がみなそういう機能を持っていたらいいと思う。
もうあるんだろうか。
▼鳩のいるレンガ塀
秋葉原電気街に近い万世橋たもとのレンガ塀あたりには
いつも鳩が元気なく群れていて
どうしてこの場所に群れているのかわからない。
別段食べ物を手に入れるのに都合が良さそうな場所でもないので
この近所で生まれたので生まれた場所で暮らしているだけだろうか。
モノクロテレビの時代
アメリカの子ども向けドラマで見たのだけれど
雪が降ってもなぜかレンガのまわりは雪が融けていて
人々は暖を求めてレンガの元に集まっていた。
冬にかぎって言えばレンガのそばは
暖かいんじゃないかと思うけれど確証はない。
▼冬の手水舎
神社で手水舎(ちょうずや)があると
夏場は手を洗うのが気持ちよくて
水道の水とは思えない冷たい水に出会うと
得をしたように嬉しかった。
秋が深まって寒くなってくると
手水を使うのも寒中水泳のように勇気が要るもので
「手」は一年中裸なんだなぁとあらためて思う。
ご苦労様です。
▼うまさんゆうびん
東京の黒うまが新潟の友だちである白うまさんに送ったメール
「長岡の実家の屋根にある
横のさんは何のためにあるんでしたっけ?
一度聞いたような気がするのですが思い出せません。
雪に馴染みのない地方出身者から見ると
横のさんがない方が雪が自然に滑り落ちて
良いような気がするんですが。
それとも滑り落ちるとまずいことがあるので
その防止のためでしたっけ?」
新潟の白うまが東京の友だちである黒うまさんに送ったメール
「長岡の家にある屋根の横の桟は
“アングル”と呼んで屋根の雪の滑り止めです。
元々屋根の雪を自然落下させるように作った家ではないため、
滑らないようにこれをつけます。
雪おろしは雪を残さないと滑り落ちてしまうため、
雪をたっぷり残して雪下ろしをします。
昔の家はみんなこうなっています。
今でも家に無理をかけないためこうした家の方が多いです。
雪が自然落下するようにした家を作るのは最近です。
というのも、落とした雪を機械で飛ばしたり、
井戸水で消したりできるようになったためです。
そのため自然落下させるようにした家は
土台を高めにして家の周りをコンクリートで覆い、
そこに井戸水を流して雪を消します。
もちろん雨どいはつけません。」
▼本駒込三丁目の夕日
テレビで『ALWAYS 続・三丁目の夕日』をやっていたので見たら
泣くだろうなと思っていた家人はやっぱり
ボロボロ涙をこぼして泣いていた。
▲千駄木二丁目の夕日
実はその前の『ALWAYS 三丁目の夕日』は見ていなくて
近所にレンタルDVDの店がないというのが大きな理由の一つかもしれない。
▲本駒込三丁目の夕日
とはいうものの映画は映画館で見るもの、
テレビなんてものは偶然見るもの、と思ってしまうので
レンタルDVD屋が近所にあったとしても
やはり見る機会はないかもしれない。
▲大好きな本駒込五丁目の日用品店
「あなたは『芥川賞』をめざさないの?」
と家人が聞くので
「そりゃそうだよ、小説なんか書けないもん」
と答え、それだけでは素っ気ないので
「ま、めざすとしたら『H氏賞』かな」
と言ったら肘打ちされた。
『H氏賞』は三丁目ではめざしにくい賞かもしれない。
▼青山の薬局
11月21日、青山の町を歩いていたら
なんとも素敵に思える小さな薬局を見つけた。
うまく言葉で言えず、写真に撮っても
どこをどう素敵だと思ったのか表現できないもどかしさがある。
それはおそらく時を経て巧まざる美しさがにじみ出ているからかもしれなくて
こんなお店を作ったら素敵だろうなと思うのだけれど
それらしい店舗デザインをしても巧まざる美しさをまねることは難しい。
▼なんたらヌーボー
「今日はボージョレー・ヌーボーの解禁日です」
とテレビニュースのキャスターが言い、
「(あれ?去年まではボジョレ・ヌーボーって言ってなかったっけ?)」
「(いやボジョレー・ヌーボーだったかな?)」
とどうでもいいことだけどなんか耳に引っかかる。
東京メトロ南北線内に乗ったら
VIN DE FRANCEの中吊りポスターが掲示されており
それにはボージョレー・ヌーボーとカタカナで書かれており、
コンビニエンスストアの幟にはボジョレー・ヌーボーと縦書きで書かれ、
赤坂見附駅構内に出ていた紀ノ国屋のワゴン販売には
ボージョレ・ヌーボーと大書されていた。
そんなこと、どうでもいいんだけど携帯で話し中の人、
ワイン好きな清水のN准教授に似ている。
▼乃木神社の楷
乃木神社境内に燃えるような紅葉を始めた大木があり
葉っぱを見たらウルシやハゼノキに似ている。
それにしても大きなウルシだと思い
社務所脇の根方にまわったら解説板があった。
楷樹
植樹 大正十五年五月六日
港区保護樹木指定 昭和四十九年九月
林学博士・中村弥六氏の奉納植樹と伝えられています。
大正四年日本で最初に白沢保美博士が、
中国山東省局阜県の孔子廟の子貢より種子を持ち帰り、
育成された由緒正しい楷で、
神田湯島聖堂と岡山県閑谷(しずたに)学校の楷と同系統のものです。
楷とは樹姿端正で一点一画が整っていることから
書法の楷書の語源になっています。
楷書の語源といわれてみれば
何とも美しい葉の形をしているので
なるほどなぁと感心した。
▲楷書体の「楷」
小さな知識の拾いものだったので寄り道をしてちょっと得をした。
▼鉄道の余白
お茶の水橋を渡ったところにある御茶ノ水駅の側壁。
窓から爆発的に生えたような樹木があり
不思議な生え方をしたものだとのぞいてみたら
塀と壁の猫しか歩けないような隙間から
つる植物が生えてなぜか窓の所から
爆発するように外に向かって枝を広げているのだった。
窓は西日をうけて反射するのでこの場所が選ばれたのかもしれない。
このお茶の水橋と同じく昭和6年竣工の郷里静岡県清水の桜橋にも
妙なかたちで生えたままになっているつる植物があったりし
鉄道敷地周辺というのは不可触領域のように
妙なものが妙なかたちで手つかずのまま残っていて
面白いので大好きだ。
▼口内、わきの下、耳の穴
子どもの頃はいつもおなかが減っていた気がし
他人が口に入れている物はみんな美味しい食べ物に見え
食べ物でなくても何か口に入れていると
うらやましく思えたものだった。
アメリカのテレビドラマを見ていると
子どもたちが良くひまし油という物を飲まされており
スプーンで口に入れられるとまずそうに顔をしかめるのだけれど
本当は美味しいに違いないと思っていた。
のちに知ったのだけれどひまし油は下剤だったのであり、
どうしてあの時代のアメリカの子は
下剤ばかり飲まされていたのだろうと不思議に思う。
肉食と菜食の違いで、日本人の子どもの整腸剤のように
アメリカの子どもは下剤が必要だったのだろうか。
▲JR駒込駅の温度計付きポスター
アメリカの子どもは体温を測るのに体温計を口にくわえており
わきの下に挟むものだとばかり思っていたので
口寂しかったのかそれすらうらやましく思ったものだった。
近所の診療所にインフルエンザ予防接種を受けに行ったら
「体温を測らせて下さいね」
と言って器具の先を耳の穴ににつっこむ。
口内、わきの下、耳の穴、
どこが人間の体温を測るのにもっとも適しているのだろう。
▼名鉄メルサ
中央区銀座二丁目。
学生だった頃は「名鉄メルサ」と呼んでいたけれど
インターネットで検索すると上手にヒットしない。
「銀座二丁目メルサ」とか「ギンザメルサ2」などと書かれており
今どき「銀座の名鉄メルサ前で」などと言うと
笑われてしまうのかもしれない。
QRコードで「ピッ!」の時代だし。
▼不思議なZeissIkon
桂才紫の落語を聞く第4回秋葉原寄席会場にて。
ZeissIkon(ツァイス・イコン)のマークの入った不思議な機器。
▲左上にヘ音記号3段階、ト音記号5段階の調節用つまみがある。
▲ここにもまたZeissIkonらしき箱があり
オーディオのプリアンプとメインアンプのようなものだろうか。
ZeissIkonの光学機器には憧れたものだけれど
視聴覚機器関連の製品だろうか。
▼【富嶽三景】
由比付近から見た富士山。
▲(C) TSURU-san, Shimizu Furusato Press(08/11/15)
富士付近から見た富士山。
▲(C) TSURU-san, Shimizu Furusato Press(08/11/15)
沼津付近から見た富士山。
▲(C) TSURU-san, Shimizu Furusato Press(08/11/15)
(沼津あたりからだと…)「清水や富士市から見ると右側にポコッと段になっている宝永山が正面になるので段が見えません。富士山を右側から見ているのでこの写真で左側は太平洋側でいつも見ている富士山の頭髪です。右側はどちらかというと山梨県側なので雪が多く頭髪が濃いようです。」(鶴)
なるほど。。。。。
▼俺様と私
寒空はだかという名前の漫談家がいると知ったので
「いいなぁ」と思ってネットで検索したら
『俺様と私』というCDを出していてさらに「いいなぁ」と思う。
料理を作るのが好きだ。
というより自分で作った料理を自分で食べるのが好きで
他人に作ってやるだけでは嫌で作る気がしない。
自分で作った料理を他人と一緒に食べるのも嫌いではないけれど
他人の好みに合わせて料理するのは好きではないので
一番豪華なディナーは俺様と私だけの食卓だったりする。
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