▼リトモン

このとんかつ屋は母が最期に清水で牡蠣フライを食べた店である。
どんどんものが食べられなくなる病気なのに
母は牡蠣フライなら食べられ、
順天堂医院の地下食堂の安い牡蠣フライから
東京医科歯科大付属病院最上階展望レストラン(ホテルニューオータニ!)の
高い牡蠣フライまでよく食べ、母はこの柳橋たもとのとんかつ屋の
牡蠣フライがとても気に入り「また来ようね」と言って叶わなかった。



リトモンって何だろうとよく読んだら
「清水リトルモンキーズ」という少年野球チームだった。

「練習は毎週火・水・土曜日 桜ヶ丘グランドでやってるよ!」
という文章に思わず笑顔になる。

このお店もご不幸があったけれど
こういう元気な常連さんが通っているのだろう。
今度帰省したら久しぶりにとんかつでも食べ(毎週じゃん)、
桜ヶ丘グランドにでも行ってみようかな。

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▼雨のシーサイドデッキ

清水エスパルスドリームプラザのシーサイドデッキにて。

100円入れて覗き見する双眼鏡はNikon製かな……
と思ったら興和製なので嬉しくなる。
確かほんの一時期中古で買ったコーワシックスを持っていたことがあるが
本当はコーワSWというカメラを使用してみたかった頃がある。


   撮影日: 06.5.27 4:11:55 PM
    RICOH
   Caplio GX
    露出時間:1/270
    F値: 4.7

Kowaの双眼鏡で清水港を眺めてみたいな…と思ったが
小雨そぼ降るシーサイドデッキで
双眼鏡を夢中になってのぞいているオヤジの後ろ姿を想像すると
ひどく興ざめな気もしてやめておいた。

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▼鰺・アジ・あじ

興津名物『大和』さんの倉沢鰺の押し寿司を食べたいと思っていたのだけれど、
最近JR清水駅のキオスク(改札外とホーム)に並ぶようになったので嬉しい。



鰺の押し寿司は大船でも熱海でも沼津でも売られているけれど、
やっぱり他地域のものとは違って、
清水で食べる鰺は肉厚で身が締まってていて
ひと味違うと思う。



リュックサックの中には新生丸がとってきた倉沢鰺を、
浜田町のラーメン店ご夫婦がおみやげだと言って、
塩焼き用に下ごしらえしてくれたものが4匹入っており、
清水の鰺を従えての帰京。

ちょうど興津駅附近を通過中に撮影。

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▼計画

仕事で本郷三丁目に行くつもりで都営パスを東大正門前で下車してしまった。
このところボーッとしているので行動に計画性がない。

東大正門前から東大赤門へ向かう本郷通り、
東大の敷地脇を歩いたら本郷通りに面した敷地の樹木が根こそぎ伐採され、
なにか新しい大学の施設ができるらしい。



バブルの頃だったか、大学の敷地が足りないから
東京大学をどっか広い田舎に移転させたいとかぐずぐず言っていたような気がするけど、
広大な一等地に中途半端な校舎群が老朽化して立っているので
きちんと計画を立てて建て直しすれば十分な土地があるじゃないか、
と腹立たしく思った記憶がある。

見事に育ってきた東大構内の自然を根こそぎ破壊しなくても
「きちんと計画を立てて立て直しすれば十分な土地があるじゃないか」
という思いは今も変わらない。

とうして東大構内の箱物建設には計画性が感じられないのだろう。

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▼それぞれのいちばん

「あなたにとってのいちばんは?」
と尋ねて食べ物のお店を教えて貰うのは楽しい。そして
「あの店がいちばんと聞いたので行ってみたいのですが……」
と別の人に聞いて
「ええ~っ!?」
と驚かれるのもまた楽しい。



友人が清水でいちばん美味しいと教えてくれた店のロースカツ。

道を見知らぬ人に教えて貰ったら
「美味しいけど高くて小さいよ」
と笑っていた。

教えられた道を辿って行ってみたら本当に高くて小さかった。

別のお店のご主人がかつてそのとんかつ屋で修行されていたそうで
「味はどうでした?」
と聞くので
「はい、噂通り高くて小さかったですが、久しぶりに美味しいロースらしいロースを食べました」
と答えたら
「ありがとうございます」
と頭を下げられてしまった。

高い安い、量が多い少ない、不味い美味しい、という価値観の尺度が人それぞれのためにくっきりしているのが
「いちばんは?」
と聞いて名前の出てくる店の条件かも知れないな、と思う。

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▼沼津食わず

沼津駅で途中下車して日吉廃寺を訪ねたあと昼時なので朝食を兼ねた昼食にしようと思ったが、
沼津は一歩裏通りにはいると飲食店が少ない気がする。

清水に他地域から友人を招くとなんと飲食店が多い町かと驚かれる。
一歩裏通りどころではなく、何本裏道の住宅地に入っても、
おでんと焼きそばとラーメンの店くらいなら
見つけるのは容易である。



普通の住宅街に普通のラーメン屋をやっと見つけたので
入ってみたら限りなく普通のラーメンが出てきた。

清水は港町で船員が多かったから飲食店が多かったのではないかと友人は言うが、
船員なんか行きっこないような場所にも飲食店があるので
清水ではふとなんか食いたいと思ったらすぐその場で食べたい
といういわば町全体祭りの縁日みたいなニーズが
満ちあふれているのではないだろうか。

清水は他地域に比べてへんぴな場所でも筋さえ良ければ
飲食店として当たりがとれる確率が高いような気がする。

清水では立地条件の悪い「えっ!こんな場所に?」と思うような店が
満員の人気店だったりする。



普通のラーメンを食べながら店内を見回すと
清水なら日本平から見た市街地と港の写真があるべき場所に
こんな写真が架けられていて
「ああ、沼津にいるんだなぁ…」
と思う。

沼津って食べ物が甘口の傾向がないだろうか。

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▼うさぎやのトランジスタラジオ

静岡県清水港町。
「うさぎや」さんの店内に懐かしいソニー製
「ソリッドステート・イレブン」を見つけて嬉しくなった。

母が清水で開いた居酒屋というのは、丹下健三設計の旧清水市役所、
その隣に燃料販売の神戸さんのビルがあり
その向かいに清水商工会議所やシャンゼリゼのビルがあったりし、
ともかくビルに囲まれた場所に安普請の鉄骨とコンクリートブロックを積んで
新設された飲食街なのでとびきりテレビ・ラジオの受信状態が悪かった。



当時はテレビ放送にオールナイトなどはなく、
テレビ放送終了後はラジオを聞きたいという客のために
母はトランジスタラジオを買ったのだった。

出入りの電気屋が様々なメーカーのトランジスタラジオを持ってきて
僕はデザインばかりに目がいって騙されそうになったが
母は実際に電池を入れて受信してみてくれと言い、
どれも雑音ばかりでちゃんと受信できないのでいらないと言った。

そうしたら、
「あまり値引きできないんて売りたくないだけえが…」
と言って電気屋が持ってきたのが「ソリッドステート・イレブン」だった。
これは他社のラジオが何だったのだと思うほど良好に受信できた。

そんなことがあったので
「やっぱソリッドステート・イレブンは港町に似合うなぁ」
などとしみじみ感動したりする。

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▼望月金庫堂

静岡県清水巴町の『望月金庫堂』。
僕が中学に入学した年にすでにこの場所にあった。
もっともっと古くからあるお店だと思う。

母は清水で商売を始めるときこの店で大きめの手提げ金庫を買った。
そしてガンで長くないとわかったとき、
「お母さんが死んだらすぐにこの金庫を開けなさい」
と言った。



母が死んで大変なことに気づいたのだが、
僕はダイアル解錠のための番号を聞いていなかったのである。
親より金庫の中身が気になっているみたいで、そんなことを親に聞けるものではない。

で、咄嗟にその金庫を買った『望月金庫堂』さんで開けて貰おうかとも思ったが、
きっと盗品であると思われる可能性が高いし、
そもそも親が死んで自分の持ち物になったという証明を
警察署に行って立証するところから始めなければならないに違いないと思え、
それは気の遠くなるような作業に違いないし、
「…すぐにこの金庫を開けなさい」
という遺言が気になってニュースでよく聞く手口を真似してみた。

バールでこじ開けたのである。

親が死んだ翌日に金庫破りをするというのは最高に嫌な気分のものである。
もう二度と嫌だ。

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▼キツネいろいろ

東京で過ごした小学生時代、
そば屋でキツネを頼むと油揚げは味が付いていない
「そのまんま」のあぶらげがのっていた記憶があり、
大阪の名店と呼ばれる店をテレビで見て
実際に行ってみたら煮たあぶらげがのっていてビックリした。

その後、キツネを頼むと関東でも決まって煮たあぶらげに遭遇することが多く、
僕は煮たあぶらげが妙に甘じょっぱいのが好きではない。
関西の悪影響だと思っていた。



大阪環状線天王寺駅の立ち食いうどん屋に入ったら
煮てないあぶらげ入りのうどんを食べているおっちゃんがいたので、おばちゃんに
「あれなに?」
と聞いたら
「あれはキザミ!」
と教えてくれた。顔が
「(そんなことええ年して知らんのかいな)」
と言っていた。

なんだ、大阪人も昔っから煮てないキツネを食ってたのか。

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▼山下天どん店とハマクラ

山下の前に立って天を仰いだら曇天だった……

なんていう寒いオヤジギャグがでてしまうのも
山下に続く「ん、ん、ん」、「○ん○ん○ん」のリズムが
妙に陽気だからではないだろうか。



「○ん○ん○ん」のリズムというと「ちんとんしゃん」とか
「とんちんかん」とか「まんきんたん」とか「はんごんたん」とか
「あんぽんたん」とかあってみんな明るくて浜口庫之介みたいだ。

そういえばハマクラはサントリーのCMソングを数多く手がけていたけど
「♪せ~いしゅ~ん さんさんさん~」
という妙に調子の良いビールのコマーシャルもハマクラだったんじゃないかな。

なんだか山下の鰻が食べたくなってきた。

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▼ヘビ君とブタ君

東京都台東区上野2丁目。

創業1857(安政四)年、上野広小路に開設された「軍談席本牧亭」という
講釈場が母体といわれる老舗定席、上野鈴本演芸場がある。



出演者一覧を見ていたら
五月の下席夜の部のとり(主任)は古今亭志ん輔が勤めている。



古今亭志ん輔といえばNHKテレビ『お母さんといっしょ』の人形劇で
「はいブタ君は○、ヘビ君は×、さて正解は…!」
と子ども相手のコントを演じていたあの志ん輔である。
志ん輔もえらくなった(年をとった)んだなぁと経歴を調べてみたら
なんとわずか一歳年上のヘビ君だった。

ウマ年だけど最近どんどんお腹の出ているブタ君も年をとるわけである。

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▼東大の紅花栃(ベニバナトチノキ)

東大構内を歩いていたら緑の葉の中に赤い花が咲き、
思わず目を引かれて
そばに寄ってみたら「○○○○○○○○」だった。



「○○○○○○○○」の赤い花には見覚えがあり、
何年か前までは「○○○○○○○○」の名を知っていたのだけれど、
シャッターを押しながら「うっ……」と詰まって思い出せない。



帰宅してからパソコンに向かい、
何年か前、駿河台で明治大学脇から山の上ホテル方向へ向かう道で
この木が並木のようになっていたことを思い出し、
それらの言葉の断片をキーワードにして検索したら
「ベニバナトチノキ」であることがわかったのだった。



三四郎池近くに2本見つけた。

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▼家出

高校時代、日帰りの家出がしたくなると国鉄清水駅から汽車ではなく、
『大和屋』脇のバスターミナルからバスに乗った。
日帰りの家出にはバスが向いていると思う。



大和屋斜め前の『停車馬』でビールを飲んで外に出たら、
19時51分発静鉄ジャストライン庵原線上伊佐布行きの
バスが出発するところだった。



このバスに乗ると上伊佐布着が20時14分でいい時刻だ。
(何にいい時刻かはわからないけど)
それにしても「しずてつ インターネット バス時刻表 “なんじ?君”」で調べると

清水駅前    19:51
清水税務署前  19:52
大手二丁目   19:54
清水東高前   19:55
秋葉前     19:56
南光      19:57
鹿島神社前   19:58
元西久保    19:59
龍雲院前    20:00
松花      20:02
下河原     20:03
小里入口    20:04
庵原小学校前  20:06
一乗寺前    20:07
金谷      20:09
金谷上     20:10
下伊佐布    20:11
伊佐布     20:12
坂口      20:13
上伊佐布    20:14

などという恐ろしい運行時刻表なのだけれど、
伊佐布って清水駅からバスに乗って23分で着けるほど近かったかなぁと不思議で、
とすると清水の海辺と山間部は恐ろしく近く、かわいい日帰り家出だったのだ。

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JR清水駅前の『富士屋』

僕が大好きな昔ながらの大衆酒場のことを「オヤジ酒場」と呼ぶ人もいるらしい。

確かに昭和三十年代の日本中に当たり前にあった
大衆酒場や大衆食堂が、
僕より年若の人たちにはおそらくピンと来ないくらいの
大衆が大衆に見えない総大衆的な時代になった。


    撮影日: 06.5.12 6:02:33 PM
     RICOH
    Caplio GX
    露出時間:1/18
     F値: 2.5

僕は一人で飲むなら気取った店が嫌いなので、
黄昏の清水駅前で、何年か前に
『ブックスオリエンタル』の陽気な主人に背中を押されて
母と入って飲んだことのある『富士屋』に入ってみた。

僕は「オヤジ酒場」の良い客というのは
注文したら素早く出て来るありきたりなつまみを頼んで
酒をさっさと飲んで勘定を済ませてあっという間に去っていく客であり、
そういう酒飲みがかっこいいなと常々思っているので
冷や奴を頼んでサッポロ黒ラベルの
大瓶一本をクイッとやって店を出た。
時計を見たらなかなか良いタイムが出ていた。

この店ののれん、「山に酒」もいいけど右端に「酎」とあるのもいい。

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▼つばめ鮨にて

鉄道で使われる丸ゴシック体は
鋭角部分が少ないことで錆びに強い書体として開発されたものだと
昨年の夏に他界した元写植屋の友人が教えてくれた。

こういうレトロな書体を最近デザインに携わる若者は
「カッコイイ書体」などと言ったりし
「どこがカッコイイんでしょうね」
などとメールで笑い合ったのを懐かしく思い出す。



静岡県清水大手町のつばめ鮨に「電報取扱駅」の表示板が飾られていた。
携帯電話などもちろんのこと、
車内電話すらない時代に、乗客が外部と急いで連絡を取りたい場合、
頼信紙(らいしんし)という紙に電文を書いて車掌に手渡す。
車掌は「電報取扱駅」を通過する際にそれを
係のものに手渡し、その駅から電報が発信されたという。

そういう時代がついこの間まであったという証である。

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