◉二重奏

2019年2月28日(木)
◉二重奏

昨夜は録画しておいた NHK クラシック倶楽部で、青木尚佳(バイオリン)、ウェン・シン・ヤン(チェロ)による二重奏を視聴した。

演奏曲目はグリエール作曲「バイオリンとチェロのための八つの二重奏曲 作品39から 第1曲 前奏曲、第4曲 カンツォネッタ、第5曲 間奏曲、第7曲 スケルツォ」、イザイ作曲「無伴奏バイオリン・ソナタ 第4番 ホ短調 作品27第4」、コダーイ作曲「バイオリンとチェロのための二重奏曲 作品7」。武蔵野市民文化会館小ホールで 2018 年 12 月 4 日の収録。

会場から「ブラボー」の声がとんでいて、とても素晴らしい演奏だった。人と人とが響き合うことの感動を久しぶりに体験した。もちろん無伴奏のイザイもよかったけれど。

このところ武蔵野文化事業団主催のコンサートがなかなか良くて、その割に安いのでネット登録し、5 月のチケットを 2 枚とってみた。武蔵野市民文化会館はどこにあるのだろうと地図を見たら、三鷹駅北口から徒歩 13 分とあった。

(2019/02/28)

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◉転移と終末と櫻

2019年2月27日(水)
◉転移と終末と櫻

西池袋の編集事務所に行ったら、仕事で立ち寄っていたS氏がこの本を読んでみろという。古い本だけれど今ならおもしろく読めるからと言う。

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S氏は三好春樹氏が広島にいた時代からの親友で、学生運動の活動家だったせいか、今でもこんな本を読んでいる。会えたら渡そうと思って用意していてくれたらしい。たぶん四歳ほど年上のはずだけれど、気にかけてくれていてうれしい。うれしいうちに一気に読もう。

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午後の散歩をしたら曇り空に春が花開いていた。

(2019/02/27)

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◉長崎橋から

2019年2月27日(水)
◉長崎橋から

午前中、西池袋の編集事務所まで打ち合わせに行って来た。
池袋西口駅前から要町方面へ伸びる広い道を江戸川乱歩にちなんで乱歩通りという。乱歩通りが山手通りと交差するあたりは急に土地が低くなる。山手通り手前にかつて谷端川(やばたがわ)が流れていたからで、今は暗渠となり上には遊歩道が整備されている。

全域の暗渠化が終わったのが東京オリンピックのあった 1964 年だった。乱歩通りが谷端川をまたぐ場所にあった橋は長崎橋といい石柱が立っている。江戸時代の西池袋は池袋村以外に長崎村、中丸村、雑司ヶ谷村の村域が入り組んでいたので、この辺りは長崎村だったのだろう。

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長崎村にはかつて池袋モンパルナスと呼ばれた芸術家のアトリエ村があった。どうしてそういうものがあったのかについてはこんな記述があった。

昭和11年に長崎町に初見六蔵(明治17年アメリカに渡り、大正末年帰国)が、独身者用のアトリエを作り貧しい画家たちに貸す仕事を始めた。一戸分約九十平方メートル、家屋は三三平方メートルの家を約七十軒作り、一五円の家賃で貸した。これは当時の相場の約半分であった。ここをアトリエ村と自称、また日本のモンパルナスと呼んだ。若き日の画家たちを相手とする喫茶店、飲食店が池袋には多く、立教の学生とともに、池袋を反映に導いた一群であった。(林英夫『豊島区の歴史』名著出版)

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ちょっと早めについたので長崎橋跡から谷端川暗渠上の遊歩道を歩いてみたら、庭に何体も彫塑作品を置かれているお宅があった。

(2019/02/27)

◉まつかさ奉納

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◉叱られる

2019年2月27日(水)
◉叱られる

コンビニでレジの順番待ちをしていたら、たいへんな幼女を連れたお母さんがいて、欲しいものを買ってくれない母親を蹴るし、女性店員にこれが欲しいと商品を投げつけるし、暴れ放題で中国人女性店員が竦(すく)んでいる。

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しつけが悪い、聞き分けがないという問題ではなく、これは母子にとってたいへん気の毒なケースなのではなかろうか、どっちもかわいそうにと、ボーっと考え込んでいたら、
「オキャクサン! オキャクサン! コッチノレジドーゾ!」
と男性店員に叱られた。

(2019/02/27)

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◉消えた主体

2019年2月27日(水)
◉消えた主体

 

最近は私という個人が前面に出て来なくなって他人事のように自分を言う。朝のニュース番組を見ていた妻が
「最近よく『…と認識しています』って言うね。誰が認識してるの? どうしてこの人『私は…と思います』って言わないんだろう」
と言う。

なるほど。わかる。責任のある場所から私が消え、組織が消え、そして誰もいなくなった。責任という概念すら怪しい時代にさしかかっている。憤りをぶつける対象が社会から消されていく。

(2019/02/27)

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◉医者いらず

2019年2月26日(火)
◉医者いらず

小さな医学系出版社社長から電話があって、よかれと思う気持ちの通じない著者の本と機関誌制作から降りたいという。

やりがいのない仕事が心身の健康に悪い年齢になったのだから、ぜひそうしたらいい、こちらは一向に構わないと応援した。

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昼食後の散歩と買い物を兼ね、よかれと思う気持ちの通じない著者先生が描いたという預かった絵を返却しがてら、励ましに行ってきた。

別室にこもって断りの手紙を書き終えたそうで、読ませてもらったら誠意のこもったよい手紙だった。

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往復歩いた道すがら、勝手に「アロエハウス」と呼んでいる大好きな家の前に、今年も通称「医者いらず」が見事な花を咲かせていた。

(2019/02/25)

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◉汐見坂の碑

2019年2月26日(火)
◉汐見坂の碑

団子坂上交差点、鴎外の観潮楼脇から日本医大病院脇へ抜けて行く古道、通称藪下通りが大きく変わり始めている。

戸建ての住宅が売りに出たようで、崖上の小さな家だが1億数千万円の値がついていた。斜め向かいにあった豪邸が白い塀を残して取り壊され更地になりつつあり、施工主が大手不動産会社なのでマンションが建つかもしれない。

藪下通りが日本医大病院脇へくの字に折れ曲りながら下る坂を汐見坂 (しおみざか) と呼び、それが千駄木1丁目と2丁目の境界になる。大きな玉石を積んだ石垣があり、その上に樹木が生い茂って坂道に翳りをつくっていた。

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どういうわけか生い茂った樹木が切り払われて明るくなっており、ここもまたなんらかの開発が行われるのかもしれない。

この坂道を上り下りして35年ほどになる。石垣上の樹木が切り払われたら、明らかに人為的な岩が積まれていて、その中に自然石を彫った汐見坂の碑があるのに初めて気づいたので驚いた。

検索してみると、碑の存在を昔から知っていた人と、歩いても見つけられなかった人と、存在すら知らなかった自分がいる。Googleマップのストリートビューで過去に戻ってみても、生い茂った樹木で覆い隠されている。

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初めて見た汐見坂の碑が今後どうなるかわからないので写真を撮ってきた。

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「汐見坂」の文字の上と左下に文字が彫られているけれど、こういう字を読むのが苦手で解読できない。そのうち誰かが読んでくれるだろう。

(2019/02/25)

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◉ロシアの色合い

2019年2月25日(月)
◉ロシアの色合い

文京区本駒込のロシア正教会モスクワ総主教庁駐日ポドウォリエ。ウィキペディアには「ポドヴォリエ(подворье)」と項目が立てられていて、海外における出張所や大使館的なものらしい。義父母が暮らしていた住まいからよく見える好きな建物。

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近所の薬局まで風邪薬を買いにいく用事ができたので、旧ソ連製のレンズをつけたカメラを首から下げて出た。肌寒い初春の午前中、ロシアの建物を写した旧ソ連製レンズの色合いが、妙に合っている気がするのはきわめて心理的な現象だろう。

(2019/02/25)

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◉柴又から立石へ

2019年2月25日(月)
◉柴又から立石へ

 雑誌の表紙撮影を友人のカメラマン氏に頼んだので葛飾の柴又駅前で待ち合わせした。ビールで早く乾杯したいカメラマン氏は 5、6 本早めの電車で来たそうで、依頼者の希望を勝手に忖度(そんたく)してさっさと撮影を済ませていた。奥さんである編集者とわが夫婦の三人もカメラマン氏の希望を忖度し、さっさと帝釈天参道を歩き、馴染みの川魚料理店でさっさと乾杯して昼飲みした。

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 酔いが回ってエンジンがかかったので、カメラマン氏の案内に従い、電車を乗り継いで京成立石駅界隈に二軒目の梯子をかけた。テレビのドキュメンタリーで見たことがあるだけの呑んべ横丁を初めて歩いた。

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 再開発で激しく変貌していく渦中の町なのだろう。来ておいてよかった。「昔はもっとよかった」と「どんどん変わっちゃうんだろうな」という過去と未来が見通せる場所に立つと「いまここ」が鮮明に立ち上がる。酔った妻が「立石ってあしたのジョーに出てこなかった?」と言うので、それは「立て力石だろう」と笑う。

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 チコちゃんではなく、おばちゃんにバンバン叱られる鳥料理の店の座敷に追い込まれ、鶏の半身揚げをひとり一人前ずつ叱られながら食べた。叱られても怒鳴られてもキレずに耐えるよい若者たちが、食って、飲んで、笑っていた。

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 酔い覚ましに古びたアーケードを散歩した。日曜日の夕方なので閉まっている店が多い。店がシャッターを下ろしているのでウィークデーの賑わいは想像するしかない。そのかわり普段は気づかない街並みの細部が見えるようで、土地勘のあるカメラマン氏も興味深げに歩いていた。この町は共同トイレが多い。

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 カメラマン氏と並んで用を足し、ぶるっと震えながら外に出てぶらぶらしたら、手作り餃子を売っている店があったので生餃子を2パック買い、
「袋ふたつに分けてください」
と言って手土産にした。

 京成線で日暮里に出て山手線内回りに乗り、カメラマン氏夫妻を車内に残して駒込で降りた。夫婦者同士の混合ダブルス飲み会は、別れも背中で手を振る程度で後ろ髪を引かれないのが気楽だ。飲み会ではなく仕事の撮影立ち会いだったことをすっかり忘れていた。

(2019/02/25)

◉すずらん通りはいま

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◉植物いじめ

2019年2月24日(日)
◉植物いじめ

ベランダにいくつかある植木に毎朝かかさず水やりしている。

そのうちのひとつがこのところ盛んに葉を落としている。落ちた葉を片付けながら枝を揺すってやると、まだまだ落ちる。結局黄ばんできた葉っぱをみんな落としてやったら散髪帰りのようになり、妻は「あらスッキリしたじゃない」などと呑気なことを言っている。

植物とはいえ命を預かっているわけで、葉の落ち方が尋常でないのでネット検索したら、冬場の水やりは月に一度くらい、もしくは土が乾いたと思ったときやれば良い、葉が落ちるのは根腐れの前兆だという。なるほどと思ったので水やりを控えることにした。

その先を読んだらもっとすごいことが書いてあり、花を咲かせたかったら水やりは葉が萎びてきたらやる程度にいじめてやるといいという。水をやらずにおいて、枯れる前に花をつけ、実生で命をつなぐ可能性に賭けさせるということだろうか。愛玩と虐待は紙一重である。

(2019/02/24)

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◉「そして老人になる」

2019年2月24日(日)
◉「そして老人になる」

三好春樹責任編集の雑誌『Bricolage』の片隅に「老人ホーム寸描 旅路の果ての詩人たち」と題して原稿を書いてきた。シリーズ 31 回を書いたところで親たち最後のひとりが他界し、老人ホームで寸景を描く機会もなくなった。

用事がなくなったら筆を置けとも言われないのでそのまま連載を続けることにし、どんなタイトルでどんなことを書こうかと考え、思い出した映画の題名に引っ掛けて「そして老人になる」にしてみた。親たち世代の看取りを終え、これから老人になっていく自分たち世代のことを書いていこうと思う。

自分で書いた原稿を自分でレイアウトして編集部に送るので、自分に迷惑をかけないぴったりの文字数で原稿が書きたい。毎日日記を書いている iPhone で、1 行 21 字 67 行 400 字詰原稿用紙 3 枚半のフレームを想定して原稿が書け、そのまま Evernote にバックアップ保存できるアプリを探したら「iライターズLITE」で思い通りのことができるのでこれに決めた。素晴らしい。

(2019/02/24)

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◉情況と感情

2019年2月23日(土)
◉情況と感情

いま自分が置かれている「情況」と、わき起こる「感情」とを切り分けろと書いている人がいて、「なるほど、いいことを言うなあ」と感心した。

感情が情況によって左右されるのは致し方ないことで、
「いまあの人は虫の居所が悪いから関わり合いにならない方がいい」
などと言われる人の虫の居所の悪さが感情に出て、関係のない他人に辛く当たることを「八つ当たり」と言う。八つ当たりというほどでなくても、関係のない他人や事柄に対する感情まで、自分がいまおかれた私的情況に影響を受けてしまいがちである。

嘆いたり、怒ったり、悩んだりしなくてはいけないたいへんな情況にあっても、関係のない他人に対していつでも笑顔でやさしく応対できる人を見ると偉いなと感心する。原因と関係のない事柄にまで嘆きや怒りや悩みの影響が及ばないよう、「自分の情況と感情を切り分ける」ということは、まず第一に心がけるべき大切なことなのだろうと改めて思う。

(2019/02/23)

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◉不動産屋の説明

2019年2月23日(土)
◉不動産屋の説明

社会人になって結婚したばかりの二十代後半に、不動産屋が客に同行して説明したがらない賃貸物件をふたつ見た。

中央線沿線の家賃があまりに高いので、いっそ山手線内に入ってしまおうと物件を探したら、真ん中も真ん中、皇居にほど近い場所で予算内に入り、しかも一軒家だという。
「すごく安いですね」
と言ったら
「行ってみればわかります。地図をあげるから見てらっしゃい」
などと言う。なんだ案内してくれるんじゃないのかと思い、行ってみたら確かに安いはずで不動産屋も乗り気じゃないのがもっともだと思った。昼間でも薄暗く、新妻に夜道を歩かせられるような町ではなかった。

それでは勤め先まで歩いて通える、いわば生きる手立ての中心に接近したらどうだろう、と思って文京区内を探したら、驚くほど広い物件が驚くほど安い。休みの日に妻を連れて不動産屋を訪ねたら、やはり乗り気薄で
「鍵を貸すから見てらっしゃい」
などと言う。

エレベーターがないので階段で4階に上り、鍵を開けて入ってみたら、南に向かって明るく眺望が開け、ゆったりとした間取りで、大きな屋上ベランダも付いている。景色がいいはずで、眼下は某有名作家の庭付き豪邸だった。
「ここに決めた」
と妻が言い、三年ほど暮らして引っ越したが、楽しい思い出の多い賃貸生活だった。いまはもう取り壊されて区の施設が建っている。近所の子どもが
「あの部屋は…」
と言いかけたら、お母さんが口に指を当てて
「シーッ」
と言っていたので、不動産屋も説明に困る物件だったのだろう。そういうことはあまり気にしない。

(2019/02/23)

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◉働く塔

2019年2月22日(金)
◉働く塔

子どもの頃から古びて人の気配が薄い小屋というものに強い興味を持っていた。まだ田園風景が多い時代の車窓風景に小さな小屋が見えると心がざわつき、あんな小屋にこもって仕事ができるなら、将来そういう職業に就きたいものだと本気で考えたことがある。そういう小屋の見取り図を書き、そういう小屋で生活する様子を、眠くなるまで想像したりした。

NHK こころの時代「山の人生 山の文学」という番組で宇江敏勝という人を知った。1937年、三重山中の炭焼きの家で育ち、高校卒業後、和歌山の山林で働きながら山の暮らしを書き続けている。同人誌『えんぴつ』に集った谷沢永一、開高健らが憧れた、富士正晴、島尾敏雄らが創刊した同人誌『VIKING』の同人だったということにも驚いた。

知らなかった、こんな人が書いたものを読んでみたいと思い、著作を検索していたら INAX ギャラリーから『小屋』という本が出ていた。安藤邦廣との共著で中里和人が写真を撮っているので小屋の写真が集められているのだろう。その本を手にとって見たことはないけれど、サブタイトルにいたく感動した。「働く建築」とある。


そうなのだ。小屋に限らず、人が作った道具というのはすべてなんらかの労働のためにある。なんの労働に使われるかわからなくても、道具は存在することですでに働いている。いまは道具そのものでも、そこに人が訪れ、手に取られれば人と一体になって労働が始まる。だから古びた民具を見ても人の心はときめくのだ。あれもこれも「働く道具」であると考えると、とてもこころの収まりが良い。

OLYMPUS Zuiko 50mm F2.0 Macro

 近所の交差点で工事中のビルができあがる。覆いが外され始めているのでまもなく足場の撤去が始まる。屋上の一番高いところに人がひとり立てそうな塔が残されている。山城ではないので見張り塔や司令塔ではない。おそらくクレーンに関するもののような気がする。本当のことはわからないけれど、いずれにせよあれは「働く塔」である。

(2019/02/22)

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◉本を返す

2019年2月21日(木)
◉本を返す

どこでどうつながったのかもうわからないけれど、二歳年下の作家が書いたものが急に読んでみたくなり、まずはハズレがないだろうということで芥川賞受賞作を注文してみた。

もう古書しか手に入らないその本は文庫本より上製本が安いのでそちらを注文してみた。届いたら新品同様の美品で【〇〇市図書交流センター】の蔵書シールが貼られ、「この本は、〇〇市民より寄贈を受けました」と書かれている。

市民から寄贈を受けた備品を借り出したまま勝手に売り払った奴がいるんじゃないか、これは読み終えたら返してあげたほうがいいんじゃないかと思い、【〇〇市図書交流センター】を検索したら全く情報がヒットしない。〇〇市のサイトを見ても図書交流センターなるものはもう存在しない。

 Carl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4

そういえば背に「リサイクル資料」というシールが貼られているのは、図書館が本を処分する時の除籍印みたいなものかもしれないし、栞紐だって配本されたままひっぱりだされていないところをみると誰も読んでないんじゃないかと思えるし、読んでみたらこれが芥川賞かと拍子抜けする出来栄えだったので、返却という思いつきはしぼんでしまったた。

(2019/02/21)

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