電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
▼男とトイレ
友人に話すと男が腰掛けて小用を足すなんてとんでもないと笑われることが多いが、洋式便器男女共有の時は小用でも便座に腰かけることにしている。自分でオチンチンさえ持てずトイレ介助が必要になり、それでも立って小用をすることにこだわった義父が、どれだけ妻と娘に迷惑かけたかを見ているからだ。
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新宿区信濃町の喫茶店にて。
歳をとったら大小にかかわらず腰をかけて用を足す習慣をつけた男性は介助者に優しいはずで、施設で暮らし始めた義父も座ることを身につけたので介助されやすいと思う。飲み屋でも腰掛ける事により手があくため暇で、首からぶら下げたカメラでトイレの写真を撮っているが、店ごとに個性があって面白い。
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豊島区巣鴨の飲み屋にて。
▼交通博物館解体
千代田区神田須田町、昨年夏から始まった交通博物館の取り壊し工事がいよいよ最終段階にさしかかっており、夏までには更地になるらしい。小学生時代の都内見学で初めて訪れた時は、1階の鉄道模型パノラマ運転場に感動し永遠に眺めていたいと思った。幼い頃の夢の在処であり惜別の思いが胸にあふれる。
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塀の上にカメラを掲げて撮影した交通博物館解体現場。
▼蝶と風景
採集と陳列は好きだけれど、昆虫採集と標本作りは苦手で一度もやったことがない。小学生時代、昆虫標本作りキットを貰ったことがあるが、注射器や虫ピンを突き刺すことを想像しただけで「できない」と思った。子ども向けトイカメラとしてこんな遊び心ある写真が撮れる昆虫採集カメラがあってもいいな。
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蝶の形の中に風景がある東京都交通局のポスター。
2010年2月26日新宿区信濃町駅前にて。
▼ネパールのキクイモ
友人夫婦が経営するネパール料理店に立ち寄り昼食を食べた。エベレストビールを貰ったらつまみにアチャールがついてきた。歯切れ良いタケノコのような食感なので、このタケノコ上手に出来てると褒めたらキクイモだという。キクイモというものを初めて食べたけれどとてもおいしくおかわりをいただいた。
▼志ん朝と田端高台通り
田端高台通り商店街。この辺りを散歩するとなぜか3代目古今亭志ん朝(1938年3 月10日 - 2001年10 月1日)を思い出す。生まれたのは文京区本駒込、亡くなったのは新宿区矢来町と資料にあるので、なぜ志ん朝と田端高台通りあたりが記憶の中で一体になってしまったのかわからない。
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2010年2月25日、田端高台通り商店街、雪駄のある風景。
▼風の道
駅前再開発によって高層ビルが建ち並んだJR秋葉原駅界隈は、ビル風が強く吹く日が増えた。2月25日も生暖かい風が強く、ひどい風だと思ったら春一番だった。都心でも瞬間最大風速14.4メートルを記録したそうで、風速計が激しく回転し、ビル街を迷走する風で風向計が小刻みに方角を変えていた。
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2010年2月25日、JR秋葉原駅前にて。
▼春一番
2月25日、東京は南風が強まり春一番が吹いたと気象庁発表があった。午後4時10分の本郷通り上富士交差点上空は風が強く、鳥も飛んでいるというより、吹き飛ばされないよう風上に向かって抗っている。バランスを崩して後方に飛ばされては、再び風上へと体勢を立て直す努力を何度も繰り返していた。
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2010年2月25日、本郷通り上富士交差点にて。
▼秋葉原駅改修工事
JRの駅改修工事があちこちで行われており、使いながら工事を進める手順に感心する。子どもの頃は「使いながら片付けろ」とよく叱られたし、「女は片付けながら料理を作るところが男と違うの」と台所を散らかすたびに嫌味を言われている。要は計画性が問題なわけでこういう工事の設計者には感服する。
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2010年2月25日、JR秋葉原駅前にて。
▼記号の意味
JR山手線ホームにある小さな標識、これは何を伝えようとしている記号なのだろうと興味があって写真に撮り、帰宅してからイメージを言葉にして組み合わせ、ネット検索したけれど見つからない。「バス停のマークみたいな」と素朴なキーワードも試してみたけれど、同じ言葉で検索した人もいないらしい。
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2010年2月25日、JR山手線大久保駅にて。
▼暖かい一日
コンピュータや携帯電話を介してのコミュニケーションが当たり前になったので、人の素朴な営為を見るとほのぼのとする。新宿区百人町の路地で見つけた手書きメッセージ。近所なら仕事帰りに寄ってみようかという気になり、こういう素朴な営業努力が客を呼ぶのだろうと思う。はい本当に暖かい日でした。
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2010年2月25日、新宿区百人町2丁目にて。
▼田端駅南口と東京スカイツリー
久しぶりに田端駅南口の改札を出たら親子連れが「東京スカイツリーが見える!」「ほんとだ見える見える!」と大騒ぎしていた。新聞記事によると現在高さ300メートルほどで浅草浅草寺あたりではかなり巨大に見えるそうなのだけれど、まさか田端駅前から見えると予想していなかったのでびっくりした。
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2010年2月25日、JR田端駅南口前より。
▼さげもん
つるし飾りを見るとすぐに静岡県東伊豆町の「雛のつるし飾り」だと思ってしまうのだけれど、これは福岡県柳川市に伝わる吊るし飾りの「さげもん」。山形県酒田市の「傘福(笠福)」を加えて日本三大つるし飾りと呼ばれるらしい。傘福の方は本間美術館で見られるらしいのだけれど残念ながら見落とした。
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豊島区駒込、千鳥屋店頭にて。
▼木々の成長
何年か前、六義園に隣接する出版社を訪ねたら、古参編集者が昔は景色が良かったけれど園内の木が大きくなって眺望がきかなくなったと言い、公園の木も驚くほど育つと笑っていた。今日もベランダに出て夕景を撮ったら、以前はよく見えたサンシャイン60が、ほとんど見えなくなっていることに気づいた。
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2月24日午後5時35分、六義園越しの池袋方向。
公園内の木はどこまで高くなるのだろうか
▼ほのぼの
散歩を兼ねて買い物に出たら小学校の校内放送が聞こえてほのぼのとする。校内放送にしては大音量だと思ったら、これから私たち小学生が下校するから、町内の皆さんは見守り活動をお願いしますと女子児童が呼びかけているのだ。ほのぼのと聞いていたらたいへんな世の中に対するたいへんなお願いだった。
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2月24日午後2時15分、文京区本駒込の雑貨店『仄仄(honobono)』前にて。
▼私の庭・みんなの庭の春
住民自主管理で運営されている「私の庭・みんなの庭」の小川に今年もカエルの卵塊があった。小川と言っても湧水があるわけではなく、住民がやってきては手押しポンプで水量調節し、春にはこうして子ども達へのプレゼントを仕込んでおく。やがてオタマジャクシが孵り見つけた子どもたちの歓声が上がる。
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2月24日午後2時23分、豊島区駒込「私の庭・みんなの庭」にて。
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