▼うなぎの季節

外出して足早に歩いたらびっしょり汗をかき、
風がひんやり心地よく感じられるようになると
今年もうなぎの季節になったなぁと思う。


    撮影日: 07.5.17 4:44:28 PM
    OLYMPUS E-410 OM Zuiko 35mm-70mm F3,5-4,5

郷里静岡県清水にも何軒か気に入りのうなぎ屋があり
それらのうなぎを食べてしまうと
東京のうなぎはコストパフォーマンスが低くて美味しいと思えない。

高くて席に着くまで待たされて出てきたら量が少なくて
そのうえ店員が気取って横柄だったりすると
「ああ本場静岡で愛想の良い家族がのんびり焼く安くて量の多いうなぎが食べたいなぁ!」
と聞こえよがしに言ってみたくなる。

『山下天どん店』はもう新装開店しているだろうか。

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▼花開く

お世辞にも綺麗とは言えない水鉢の中で
見事に小さな花が咲いているのを見つけて嬉しい。


    撮影日: 07.5.18 11:38:35 AM
    OLYMPUS E-410 OM Zuiko 35mm-70mm F3,5-4,5

水や葉っぱが薄汚れていても
咲いた瞬間の花には一点の汚れもないという
当たり前のことに感動してしまう。

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▼眠り猫

もう2年以上通っていなかった道。

坂道に面した日当たりの良いショーウィンドウ。
「まだ元気でいるかなぁ…」
と覗いたらちゃんといるので嬉しい。


    撮影日: 07.5.18 11:53:26 AM
    OLYMPUS E-410 OM Zuiko 35mm-70mm F3,5-4,5

この場所にいるときは必ず眠っているので
寝姿しか見たことがない猫であり
そういう意味で毎回少しずつポーズの違う
眠り猫の置物とも言える。

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▼かわいこちゃんの限界

雨上がりのバラ。

アントニオ・カルロス・ジョビンに『バラに降る雨』があるけれど
バラには雨がとてもよく似合う。


   【写真】東京都豊島区駒込一丁目にて。
   撮影日: 07.5.17 5:09:03 PM
   OLYMPUS E-410 OM Zuiko 35mm-70mm F3,5-4,5

カニバサボテンもまたブラジル生まれなので
アントニオ・カルロス・ジョビンがよく似合う…ような気もする。

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▼睡蓮の午後

暴風雨のあとの睡蓮。

突風で引きちぎられた木の枝がたくさん落ちている。


   撮影日: 07.5.12 2:10:22 PM
   OLYMPUS E-410 OM-Zuiko 100mm F2.0

写真を撮っていたら若いカップルがとなりに立ち、
男の方が睡蓮を眺めながらぼそっとした声で
「なぁ、ジュンサイって知ってるか?」
と聞き、女の方が気怠そうに
「知ってる、ニュルッとしたやつでしょ」
と答えていた。

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▼バラが咲く頃

東京都北区西ヶ原三丁目。

このバラが咲くお宅の裏手にあった民家2階に二年間下宿していたことがある。


   撮影日: 07.5.16 2:53:59 PM
   OLYMPUS E-410 CarlZeiss Sonnar 100mm F3,5

東京都豊島区駒込一丁目。

親たちが次々に倒れるまで、このバラが咲く坂道は
黄昏時になじみの居酒屋へ向かう近道だった。


   撮影日: 07.5.16 3:36:19 PM
   OLYMPUS E-410 CarlZeiss Sonnar 100mm F3,5

旧古河庭園のバラ園でなくても
街にはまた丹精されたバラが咲き夏の訪れを告げている。

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▼日本橋往来

日本橋室町三丁目の『印度風カリーライス』。

郷里静岡県清水大手町にホームラン焼きと大書された店があり
「店の名前は何というのだろう」
と気にかかり、友人が調べてくれたら『ホームラン焼き』だった…らしい。

この店の名もわからないけれど
そのまんま『印度風カリーライス』なのかもしれない。



通ってみるとわかるけれどいろんな意味でマイペースな店であり、
たまにぶらりと通りかかっても
マイペースで何も変わらずに
そこにあるだけで嬉しい不思議な印度風カリーライスの店。

半世紀余、何も変わらずマイペースな店に
昼時になると長い行列ができているのが痛快である。

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▼石転々──丸山の謎

文京区後楽1丁目、小石川後楽園の円月橋。

朱舜水(しゅしゅんすい)の設計と指導により名工「駒橋嘉兵衛」が造った。
橋が水面に写る影が満月になることからこの名がつけられた。
後に八代将軍吉宗が江戸城吹き上げの庭に造ろうとしたがついに果たせなかったといわれている。
(小石川後楽園内の解説板より)



石組みというのは難しい。
小石川後楽園の築地塀は打ち込みハギという積み方になっているが
石と石がびしっと密着した積み方を切り込みハギといいかなり手間がかかる。
手間がかかるけれど隙間がないことにより手がかり足がかりがなく
外敵の侵入を防ぎやすい。
そのかわり水はけが悪いので排水の仕組みが必要になる。

郷里静岡の駿府城石垣には打ち込みハギだけでなく
切り込みハギも用いられていたような気もするが
確信がないので帰省時に注意して見てみたい。

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【八千代橋と黄昏】

【八千代橋と黄昏】

橋というのは黄昏時に渡ると妙に感傷的に思える不思議な場所である。

早朝や真昼や夜間ではなく黄昏時が橋と出逢って化学反応を起こすと心が酸化することによって感傷物質が生成されるような気がする。



エスパルスドリームプラザがある波止場から桜ヶ丘に向かう記念塔通りが巴川を渡る場所である八千代橋の街灯に間もなく灯が灯る。

電球の数を数えると橋の上のは三個ずつなのに四隅だけは五個ずつであることに気づいてしまうような黄昏時。

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【久能街道とガードマン】

【久能街道とガードマン】

母親が元気な頃はふたりで自転車に乗ってあちこちに出かけた。

年をとって少しハンドルさばきがふらふらとしてきた頃からは母のしんがりとなって後続車に注意しながら走るのが癖になった。


静岡県清水下清水。

久能街道を自転車で走っていたら横道から警備員姿のおじいさんがふらふらと現れ交通整理警備員のパートを終えて帰宅するらしい。

よろよろとした後ろ姿を見て「(えらいなぁ)」と思い、ちょっと危なっかしいので、しんがりとなって後続車に注意しながらしばし追走する。
他人でも一緒のサイクリングは楽しい。

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【ひとりとそうざい】

【ひとりとそうざい】

美濃輪稲荷大鳥居前の魚屋店頭に自家製煮物が並んでいるのを見て、
「ああよかった、これでおかずんいらないじゃん」
と素直に喜びが声に出たおばあさんを見て微笑ましかったことがある。

ひとり暮らしで食事の支度をするのは体力はもちろんよほどの気力がないと辛いんだろうなと思う。


清水大手。

飲み会の手みやげに石川鶏肉店で名物鶏の唐揚げを10個揚げて貰っていたら和服姿で高齢の女性がやってきて唐揚げをひとつ欲しいという。お店の人が
「この人のを揚げてからだからちょっと待って貰いますよ」
と言うので、申し訳ない気持ちを伝えるために会釈したら
「ひとり暮らしでも食べないわけにはいかないじゃん…」
と溜息をつくように笑われていた。

ああ、このおばあさんはひとり暮らしなんだ、ひとり暮らしというのは食欲のない日は辛いんだろうな…としんみりしたけれど、よく考えたらこの歳で大振りの石川鶏肉店の唐揚げを食べたいと思うのだから元気なおばあさんなのであり、さほどしんみりすることもないかと思い直す。

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【愉快】

【愉快】

静岡県清水桜橋町。

蜂ヶ谷在住の友人が桜橋町にあるトヨタカローラ販売のショーウィンドウで「カムリ」が 1 台脱輪しているとデジカメの写真を見せてくれたのを思い出し、確かめに行ったらまだ脱輪したままだった。
おもちゃとはいえ脱輪というアクシデントの模様がよくわかっておかしいがわざわざ確かめに行って満足する自分の行為はさらにおかしい。


さらに写真をよく見たら上段右端「ノア」のリアウィンドウに写真撮影中の自分が写っており、一眼レフ型のカメラを縦位置に構えている人のシルエットというのは口を開けてびっくりしている土偶や、赤塚不二夫描く「シェーッ!」をするイヤミにひどく似ているのを思い出しておかしい。

赤塚不二夫は土偶を見て「シェーッ!」を発明したのだろうか。

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▼母の日と後楽園

文京区後楽一丁目。

1855年11月11日(安政2年10月2日)に発生した安政の大地震で
母親を守る為に力尽き下敷きとなって圧死したと言われる藤田東湖。



「藤田東湖先生護母致命之処」の石碑は小石川後楽園園内北東の片隅にあるが
受難場所はもっと東、現在の後楽園遊園地脇にあり、
道路拡張のため撤去されて小石川後楽園園内の今の場所に置かれたのだった。



今を遡ること150余年、
身代わりとなった息子を亡くした母親の悲痛な叫びが響いたであろう場所に、
今は電動遊具に興じる人々の明るい絶叫が響き渡っている。

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▼47……バイアスの出入り口


郷里静岡県清水に帰省し、
友人が運転する車に乗せられて
今まで知らなかった三保の町並みを案内して貰い
細い路地を辿ってなじみ深い三保街道に戻ったら
狐につままれたように方角の感覚が狂っていた。



台東区池之端二丁目。

新たにできた道が旧道をバイアスに切断している町は
鋭角状の交差点が多くて方向感覚をつかみにくい。
そしてバイアスの出入り口には方角の誤差の指標になる
くさび形の岬がある。

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▼46……動物園


台東区上野公園、上野動物園池之端門。

人生を幼年時代、少年時代、青年時代とおおざっぱにわけ
今こうして中年時代を生きているのだけれど
動物園ほどそれぞれの時代によって
見方・感じ方が異なる場所も珍しい。



青年時代が終わり、
あまり近づきたくない場所として動物園は存在していたけれど、
また別の感慨を持って散歩してみてもいいなぁと
最近思えてきた不思議な場所である。

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