【飛んでいる砂粒は止まっている。】

【飛んでいる砂粒は止まっている。】

人はみな同じものを見ているようで、同じものが見えていない。哲学的にではなく物理的に。ゼノンは「飛んでいる矢は止まっている」と言い、野球の神様川上哲治はホームランを打つときボールが止まって見えたと言った。

年末にペットショップでもらったら犬のカレンダーは今月のが一番かわいいと妻が言う。
「この子犬たちの足元を見てごらん、デジタルの超高速シャッターで連写しているから、跳ね上げた砂粒がみんな宙で静止している」
と言ったら、そんなものぜんぜん見えないという。

その老眼用のメガネをかけていても見えないのかと聞いたら、虫眼鏡でも用意しないとぜんぜん見えないという。遠くはぼやけてよく見えないけれど、近くのものなら印刷の網点に近い砂粒まで見えている近眼者の想像を絶する視覚世界である。静止した砂粒を見ながらびっくりした。

2024/07/31 本駒込5丁目

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20 音オルガニートで夏の山・(口笛ふいて/この山 光る) Horch, was kommt von draußen 'rein
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を公開。

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2024年8月号(通巻21号)まで公開中

 

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