大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳 ~小筥集

2015年12月28日 | 写詩・写歌・写俳

<1460> 冬 薔 薇

       冬薔薇 ことの次第に 人生論

  バラはバラでも冬に咲くバラ。冬薔薇(ふゆそうび)という。言わば、バラと言っても一様ではない。これは人に当てても言えること。一様なる人生などはまずなかろう。だから人生論などは生まれる。そして、人生におけることの次第によって人生論などは語られる。

  一生は一様ならぬを常とする ことの次第に聞く人生論

               一

        薔薇ノ木ニ薔薇ノ花サク。

        ナニゴトノ不思議ナケレド。

               二

        薔薇ノ花。

        ナニゴトノ不思議ナケレド。

        照リ極マレバ 木ヨリコボルル。

        光リコボルル。

                                                   

 これは北原白秋の「薔薇二曲」という詩である。この「薔薇」は象徴で、この詩は象徴詩と言えよう。バラにバラ、人に人の姿あり。何の不思議はないけれど、人にあれば、白秋のバラに等しく、人は即ち人を問われる。光り溢(こぼ)れるバラの花のようであれば、まずは人生、理想と言えるだろう。 写真は冬薔薇。

   薔薇に薔薇 人に人 いま冬蒼天