大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2015年12月09日 | 写詩・写歌・写俳

<1442> かぎろひと三日月と金星

            金星を追ひかけるごとのぼり来て明けゆく空に三日月は冴ゆ

  今日も快晴の天気で、朝方の奈良大和はよく冷え込み、相対するように昇り来る三日月と金星が鮮やかに輝いて見えた。かぎろひの紅色から濃紺色に至るグラデーションも二日前より美しく、三日月と金星の宇宙ショ―の舞台も整ったという感じであった。金星の探査機「あかつき」はスイングバイの成功によって既に金星の軌道に入っているという発表があった。

 一昨日も今日も凡そ同時刻の午前六時十分ごろ撮影したが、二日の違いが空の明るさに及び、それが写真にも現れているのがわかる。月の出が徐々に遅くなり、月は細って新月を迎え、上弦へと移って行く。二日前は金星が月を追う位置にあったが、今朝は月が金星を追う位置になっている。金星は地球とほぼ同じ大きさで、地球と双子星だと言われる。地球よりも太陽に近く、表面温度は四百℃以上あると言われるが、その明るさは自分で発しているわけではなく、太陽光の反射による。

                                               

 また、地球から金星までの距離は最短で約四二〇〇万キロ、月までは約三八四〇〇〇キロであるから圧倒的に金星の方が遠く、金星があんなに小さく見えるのである。因みに地球から太陽までの距離は一億八〇〇〇万キロと言われるから凄まじく遠い存在で、太陽のエネルギーがどれほどすごいかがわかる。なお、探査機「あかつき」のスイングバイのニュースがあったからであろう、快晴の今朝は全国的に空を見上げた人が多かったようで、金星と三日月の眺めに気持ちが洗われるようだった」というような声が寄せられ、ラジオでその話が聞かれた。写真は山並に沿って現れたかぎろひの上空に輝いて見える三日月と明けの明星の金星(右斜め上)。 かぎろひの 立つ国大和は 盆の底